のうどうじょうみゃくきけい

脳動静脈奇形

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

脳動静脈奇形とは、脳の血管に生じる先天的な病気のひとつです。血液が流れる血管は、大きく分けて動脈、静脈、毛細血管に分けられます。

酸素や栄養素を運搬する動脈は、身体の末梢組織で毛細血管と呼ばれる血管につながります。毛細血管では血液の流れは比較的緩やかになり、細胞に必要な酸素と栄養素を運び代わりに不要物を受け取ります。細かく分岐している毛細血管はさらに集合し、最終的には静脈を形成して心臓へ流れこみます。こうした血管の血液循環は、酸素や栄養と老廃物の運搬を行うだけでなく、動脈の圧力が静脈にかからないようにする防波堤のような役割も担っています。

しかし、脳動静脈奇形では毛細血管が適切に形成されず、動脈と静脈が直接つながってナイダスと呼ばれる異常な血管の塊を形成することがあります。このナイダスは胎児期や子どもの頃に形成されることが多く、出血やけいれん発作などの症状を呈することがあります。

脳動静脈奇形のすべてが治療対象となるわけではありません。治療が必要と診断された場合、手術や血管内治療、ガンマナイフなどを組み合わせて実施します。

原因

脳動静脈奇形は生まれつきの異常ですが、本当の原因はわかっていません。

症状

脳動静脈奇形では、異常血管の塊であるナイダスに関連した症状が出現します。ナイダスの血管壁は脆弱なため、血管が切れることで頭痛、吐き気、意識障害などの症状が急に生じます。また脳内の出血部位によっては神経機能に障害を与えることもあり、手足の運動機能障害が出現することもあります。

一方、ナイダスには多くの血液が流れ込むので、周囲の正常の脳組織への血流を奪い取る形になってしまい、神経症状、けいれん、片頭痛などをおこすこともあります。

検査・診断

脳動静脈奇形が疑われる場合、CTやMRI、血管造影など画像検査を実施します。CTやMRIでは体を傷つけることなく病変や異常の有無を調べることができます。これら検査により異常が見つかれば、カテーテルによる脳血管造影を行います。

治療

脳動静脈奇形の治療は、ナイダスの大きさや血管の構造、存在部位などを考慮してナイダスを縮小させるため、手術や血管内治療、ガンマナイフなど複数の治療方法を組み合わせて実施します。

脳動静脈奇形が大きい場合には、出血のリスクを下げるため、血管内治療でナイダスを小さくしてから、ガンマナイフや開頭手術を実施します。血管内治療では、脳を栄養する正常な血管を塞がないように、ナイダスだけを塞栓することがポイントです。

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