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膿疱性乾癬
皮膚の表面が炎症を起こすことで生じる慢性の角化性病変を乾癬(かんせん)と呼びます。乾癬は、症状に応じていくつかのタイプに分かれますが、膿疱性乾癬は最もまれなタイプの乾癬であるといわれています。 ...
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皮膚

膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)

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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

皮膚の表面が炎症を起こすことで生じる慢性の角化性病変を乾癬(かんせん)と呼びます。乾癬は、症状に応じていくつかのタイプに分かれますが、膿疱性乾癬は最もまれなタイプの乾癬であるといわれています。

膿疱性乾癬では、乾癬特有の皮膚症状に加えて、中に膿を持つ水ぶくれ(膿疱と呼びます)が現れます。膿疱が全身に現れる(汎発型)こともあれば、身体の一部分に限局する(限局型)こともあります。

膿疱性乾癬を発症すると、皮膚症状が現れることに加えて、膿疱が破れた部位から水分やタンパク質が喪失されて発熱や脱水などの全身症状につながることもあります。膿疱性乾癬は難病指定を受けており、一般的に乾癬に対して行われる外用治療・光線治療・内服治療・生物学的製剤に加えて、顆粒球・単球吸着除去療法と呼ばれる特別な治療法が選択されることもあります。

原因

膿疱性乾癬の原因には、遺伝子的・体質的な素因が関係しているといわれています。膿疱性乾癬と関連性が深い遺伝子としては、IL36RN遺伝子が知られています。身体に炎症が生じると、炎症を適切なタイミングでストップさせる必要がありますが、IL36RN遺伝子はブレーキとして重要な役割を担う遺伝子であると考えられています。同遺伝子に異常が生じると、うまく炎症を抑制することができなくなり、膿疱性乾癬の発症につながると推定されています。

膿疱性乾癬では、遺伝的な要因に加えて環境的な因子も重要です。膿疱性乾癬の症状は、徐々にではなく急に現れるケースが多く、感染症、ストレス、薬剤、妊娠などをきっかけとして症状が出現します。なかでも多くみられる原因は感染症です。たとえば、喉の痛みや風邪が引き金となり膿疱性乾癬の症状が現れます。さらに症状が軽快・改善されても、こうした要因によって再度発症・悪化するケースもあります。

症状

膿疱性乾癬では、一般的な乾癬にみられる皮膚症状に加えて、膿疱(のうほう:うみがたまった水疱)が散見されるようになります。紅斑のうえに厚みのある銀白色の角質(鱗屑)に加え、皮疹のうえに細かな膿疱が現れます。

膿疱の大きさは1~2mm程度であり、細かなものが多数現れます。場合によっては膿疱がつながって、「膿海(のうかい)」と呼ばれる大きな膿疱が形成されます。膿海は、深く広がっていくのではなく、横方面に浅く表面を這うように広がる特徴があります。

膿疱性乾癬は膿疱が発生する範囲に応じて分類され、体全体に広く分布する「汎発型」と一部に限局する「限局型」があります。

特に汎発型では、皮膚病変が紅斑に広がることから、膿疱が破れることで発熱や脱水などの全身疾患につながるリスクが高くなります。その他にも関節の痛み、手足のむくみなども認めるようになります。膿疱性乾癬を含む乾癬は皮膚症状以外にも、うつや心血管系疾患、糖尿病、呼吸器疾患、目のぶどう膜炎などの症状を併発することがあります。

検査

膿疱性乾癬の診断では、皮膚の臨床症状をみていくことが重要です。皮膚の状態から、乾癬の症状に加えて、膿疱の状態を詳細に評価していきます。

また、膿疱性乾癬では皮膚生検や血液検査なども行われます。皮膚生検では、採取された検体を顕微鏡で詳細に確認し、膿疱性乾癬に合致するかを確認します。さらに、全身状態の反応に関連して炎症反応の上昇が確認できますし、合併症としての糖尿病や高脂血症などの評価も可能となります。

治療

膿疱性乾癬の治療では、主に薬物療法(外用薬や内服薬、生物学的製剤)や紫外線療法、顆粒球・単球吸着除去療法を症状に応じて選択することになります。皮膚症状、循環器呼吸器系の症状、関節症状など治療対象とする症状とともに、年齢や妊娠状況を考慮しながら治療法を選択します。

使用される外用薬(塗り薬)には、ステロイド外用薬・活性型ビタミンD3・タクロリムス外用薬があります。また、内服薬には、主にエトレチナート・シクロスポリン・メトトレキサート・ステロイドがあります。

特に近年では、「生物学的製剤」が使用できるようになったことで、膿疱性乾癬の治療は大きく変わりました。生物学的製剤は、炎症を抑えるはたらきをもちます。生物学的製剤が登場したことで膿疱性乾癬の治療は大きく改善されました。

さらに、膿疱性乾癬では顆粒球・単球吸着除去療法と呼ばれる治療法が選択されることもあります。顆粒球・単球吸着除去療法とは、炎症を起こす原因となる血液中の活性化しすぎた好中球や単球を除去することで、症状を改善させる治療法です。

膿疱性乾癬の治療法の選択肢は以前に比べて格段に広がっており、治療成績が大きく向上してきているといえます。

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