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自然流産
流産とは、妊娠中に何らかの異常があり、22週未満で妊娠が終了してしまうことを指します。人工妊娠中絶などで医学的に妊娠を終了させる流産を人工流産と呼ぶのに対し、自然に流産を自然流産と呼びます。 ...
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自然流産しぜんりゅうざん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

流産とは、妊娠中に何らかの異常があり、22週未満で妊娠が終了してしまうことを指します。人工妊娠中絶などで医学的に妊娠を終了させる流産を人工流産と呼ぶのに対し、自然に流産を自然流産と呼びます。

妊娠週数の数え方

妊娠の週数は、前回の生理開始日を0週として数えます。4週目ころが本来の生理予定日となるため、5週目ころに生理の遅れに気づき、妊娠がわかるケースが多くなります。その後順調に妊娠が継続すると、正常な場合では37週から41週の間で出産を迎えます。

自然流産は全妊娠の10~15%で起こるといわれており、母体の年齢が上がるとともに頻度が高くなります。また、自然流産の約80%は妊娠12週未満で起こります。

自然流産の分類

自然流産は、症状や回数などから以下のように分類されます。

症状

  • 稽留(けいりゅう)流産:成長の止まった胎嚢・胎芽や心拍が停止した胎児が確認され、検査上では妊娠の終了が示されるものの、出血や腹痛、子宮内容物の排出が起こらない流産です。
  • 進行流産:出血や腹痛を伴い、子宮内容物が排出される流産です。進行流産の中で、子宮内容物がすべて自然に排出されるものを完全流産、子宮内容物の一部が子宮内に残ってしまう流産を不完全流産と呼びます。不完全流産では、子宮に残った内容物が細菌感染を起こすことがあり、適切な治療を受けなければ感染流産になることがあります。感染流産では、母体死亡にいたることもまれにありますので注意が必要です。

回数

  • 習慣流産:3回以上繰り返す自然流産です。3回以上繰り返す場合には、妊娠の継続が困難な何かしらの原因があると考えられます。しかし、原因が不明なケースも多いです。

原因

自然流産の原因は、胎児側の原因と母体側の原因、両親の原因に分けられます。

胎児側の原因は染色体異常や遺伝病などで、受精の段階から流産する可能性が極めて高くなります。初期の自然流産は胎児側の原因によるものが多いです。

母体側の原因には、子宮の病気や黄体機能不全というホルモンの問題などがあります。黄体機能不全とは、妊娠を継続するためのホルモンが正常にはたらかない状態です。母体に高リン脂質抗体症候群、高プロラクチン血症、血液凝固系異常、甲状腺機能異常などの病気がある場合も習慣流産となることがあります。また、何らかの感染症によって子宮にも炎症が及ぶと、子宮収縮が促されて流産にいたる可能性もあります。

両親の原因によるものはまれですが、夫婦どちらかに潜在的な染色体異常がある場合は、胎児も染色体異常のことが多く、自然流産の原因となりえます。また、母体に免疫系の異常があり夫由来の胎児成分を異物と認識してしまうことで体外に排出する力がはたらいてしまうこともあります。

自然流産の原因には多くのものがありますが、一般的に初期の流産は胎児側の原因が多く、12週以降は母体あるいは父親、両親が原因となる場合も出てきます。

症状

症状は自然流産のタイプによってさまざまです。進行流産では下腹部痛や出血が生じ、子宮内容物の排出が確認されます。完全流産の場合には、子宮内容物がすべて排出されると腹痛や出血は軽減していきます。不完全流産の場合には、子宮内に残った内容物を排出しようとする力が続くため、腹痛や出血が継続します。この状態で適切な処置を行わなければ、感染症による発熱などの症状が出てきます。感染流産は重症化すると敗血症になることもあるため、適切な治療が必要です。また、稽留流産は軽度な腹痛や出血が生じることもありますが、多くは自覚症状がなく、病院での検診で発見されることがほとんどです。

検査・診断

医療機関では、自然流産のタイプに合わせた検査が行われます。

経腟超音波検査

子宮内容物を調べるための検査です。稽留流産では自覚症状がなく、成長が停止した胎嚢や胎芽、心拍が停止した胎児が観察されます。
また、進行流産の場合でも子宮内残存物の有無を判定するのに使います

血液検査

血液検査ではさまざまな項目を調べます。

hCG(ヒト絨毛ゴナドトロピン)濃度

胎児心拍が確認される前の稽留流産では、超音波検査と共に血中hCG濃度を計測します。hCGは妊娠すると絨毛で作られるホルモンです。週数が進むと増えていきますが、稽留流産の場合には上昇がみられません。
また、流産後にhCGは徐々に減少しますが、子宮内容物が残っている場合には減少しにくいことがあります。超音波検査だけでは内容物の有無がわからない場合に診断の補助として行う検査です。

習慣流産の検査

習慣流産の検査には、他の自然流産とは異なる検査を行います。血液検査でホルモン異常や自己抗体、血液凝固異常がないかを調べることができます。また、超音波検査、子宮卵管造影検査、子宮鏡検査、MRIなどで子宮の精密検査を行い、ポリープや子宮の奇形などが潜んでいないかを確認します。習慣流産は、一般的な検査では原因がわからないことが多いです。原因の追加と治療のために、夫婦の染色体異常などを調べることがあります。

治療

自然流産の治療は、子宮内容物を取り除くことが第一となります。稽留流産や不完全流産では、子宮内容除去術を行います。子宮内容除去術は子宮頸管を人工的に開き、腟を介して子宮内を掻爬(そうは)し、子宮内容物を取り除く治療で、お腹に傷が残ることはありません。ただし、感染の徴候がない場合には、自然に排出されることを待つ場合もあります。進行流産でも稽留流産でも、経過中に感染徴候が認められるときには抗生剤投与などを行います。

完全流産の場合には、経腟超音波検査でほぼ診断されますので、子宮内容除去術は行わずに経過をみることが多いです。子宮内容除去術の合併症として、感染や子宮穿孔、子宮内宮の癒着等があげられます。

習慣流産の場合は、子宮内容物を取り除き、次の妊娠に備える治療や、妊娠継続を促す治療も行います。子宮に病気があるときには、その病気自体の治療を行います。また、ホルモン療法や、血液凝固異常がある人には低用量アスピリンが処方されることもあります。最近では、免疫異常による習慣流産に対して免疫抑制療法が行われており、胎児への影響もないことが分かってきています。