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致死性家族性不眠症
致死性家族性不眠症 (Fatal familial insomnia: FFI) とは、遺伝性プリオン病の一つで、主に脳の中の視床と呼ばれる部位が侵される疾患です。他のプリオン病と同様、異常型プ...
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致死性家族性不眠症ちしせいかぞくせいふみんしょう

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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

致死性家族性不眠症 (Fatal familial insomnia: FFI) とは、遺伝性プリオン病の一つで、主に脳の中の視床と呼ばれる部位が侵される疾患です。他のプリオン病と同様、異常型プリオン蛋白が蓄積することが発端となり、主に視床の神経細胞が進行性に障害されます。視床はさまざまな重要な役割を果たす部位ですが、その機能の1つに睡眠と覚醒のコントロールが挙げられます。視床の神経細胞が障害される結果、進行性の不眠をはじめとした症状を呈し、数年で死に至る疾患です。平均発症年齢は50歳前後ですが、若い方で18歳、高齢の方で72歳と幅広い年齢での発症例が報告されています。日本においては、数家系で報告されています。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください

原因

致死性家族性不眠症 (FFI) は遺伝性に引き起こされるプリオン病の1つであり、ほとんど症例がプリオン蛋白遺伝子 (PRNP) の特定の部位に変異が生じることにより発症することがわかっています。致死性家族性不眠症の患者さんでは、PRNP遺伝子の178番目に位置するアスパラギン酸がアスパラギンに置き換わる変異 (p. Asp178Asn) が認められ、さらに129番目のアミノ酸がメチオニン (p. Met129) であることが報告されています。これにより、正常型プリオン蛋白とは立体構造の異なるプリオン蛋白が生成されて視床に蓄積する結果、神経細胞が障害されて発症に至ると考えられています。常染色体優性遺伝形式をとるため、変異のある遺伝子を持つ親からは、約50%の確率で子に変異遺伝子が遺伝します。ごく少数例ではありますが、前述したようなPRNP遺伝子変異が認められず、孤発性に発症する症例も報告されています。

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症状

致死性家族性不眠症 (FFI) の初期症状としては、進行性の不眠であることが一般的ですが、ときに進行性の認知症がはじめに認められることもあります。一旦不眠の症状が現れると、数か月の間に急速に悪化していきます。その他の症状としては、夜間の興奮、幻覚、記憶力の低下、体重減少、食欲不振、高体温、低体温などが挙げられます。また、高血圧、過呼吸、発汗なども認められます。症状が進行すると、認知症状が進み、高度の記憶障害やせん妄状態、運動失調やミオクローヌスと呼ばれるけいれんを起こすようになります。1年前後で意識がなく寝たきりの状態となります。致死性家族性不眠症は、発症後2年以内に全身衰弱・肺炎などで亡くなることが多いといわれています。

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検査・診断

致死性家族性不眠症 (FFI) の検査としては、脳波検査や脳MRI検査、脳脊髄液検査、睡眠ポリグラフ検査、PET検査、遺伝子検査などが挙げられます。脳波検査では、同じくプリオン病の1つである孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病に特徴的な周期性同期性放電 (PSD) という脳波異常は認められません。致死性家族性不眠症の場合、異常型プリオン蛋白の蓄積により視床の神経細胞が障害され活動が低下するため、PET検査が有効であるといわれています。主な症状として進行性の不眠を呈することから、睡眠ポリグラフ検査を行うことも重要となります。また、致死性家族性不眠症は遺伝性に発症することが知られ、プリオン蛋白遺伝子であるPRNPに変異が認められることがわかっています。ほぼ全例でPRNP遺伝子の178番目に位置するアスパラギン酸がアスパラギンに置き換わる変異 (p. Asp178Asn) が認められるとともに、129番目のアミノ酸がメチオニン (p. Met129) であることが報告されています。そのため、遺伝子検査によりPRNP遺伝子の型を調べることも重要となります。しかし現在のところ、最終的な確定診断にあたっては、患者さんが亡くなった後に行われる病理解剖にて得られた検体を用いての解析が必要となります。致死性家族性不眠症の場合、免疫組織染色では異常型プリオン蛋白が認められないか、もしくは軽度に留まる場合もあるため、数か所のサンプルを用いたウエスタンブロット法の実施が必要な場合もあります。

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治療

致死性家族性不眠症 (FFI) の治療に関しては、現在のところ対症療法に限られ、進行を抑制することが証明された治療法はありません。動物実験のレベルでは進行抑制に有効と思われる薬剤が見つかってきていますが、実際の臨床における有効性に関してはわかっておらず、さらなる研究が続けられています。イタリアにおいては、致死性家族性不眠症の患者さんに共通して認められる遺伝子変異を有する発症前の方に対して、発症を防ぐためにドキシサイクリンを投与するという治験が実施されており、効果が期待されているところです。現在のところ対症療法が中心となりますが、専門医による治療はもちろんのこと、心理カウンセラーや医療ソーシャルワーカー、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーなど、さまざまな専門家との連携をはかり、患者さんとそのご家族に対する社会的支援を行うことも大切となります。

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