じゃくねんせいこくしょくしゅ

若年性黒色腫

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

若年性黒色腫とは、小児の顔面などに好発し、「スピッツ母斑」とも呼ばれる皮膚の良性腫瘍です。若年性黒色腫が出現すると、比較的急速に大きくなることが多いですが、いわゆるほくろの一種である良性腫瘍であるため、特に治療をしなくても自然と治ることもあります。

しかし、見た目や病理学的な検査では悪性度が極めて高い悪性黒色腫と類似している場合もあり、慎重な鑑別診断が必要となります。

原因

皮膚は表層から表皮・真皮・皮下組織と大きく3つの層に分けられており、そのなかで表皮はさらに4つの層に分かれた構造をしています。

表皮の深層にある基底層にはメラノサイトという細胞が存在し、紫外線などの刺激によってメラニンを生成し、皮膚を守るはたらきを持ちます。このメラノサイトの未分化な細胞を母斑細胞と呼びますが、若年性黒色腫は母斑細胞が表皮内と真皮内の両方で異常増殖することで発症します。

なぜ母斑細胞の異常増殖が生じるのかは明確には解明されていませんが、何らかの遺伝子変異の関与や紫外線や過度な摩擦などの刺激によってメラノサイトが活性化すると発症しやすくなるとも考えられています。

症状

数mm~1cm程度の淡紅色、赤褐色~黒色を帯びた半球状の腫瘍が単発性に現れますが、腫瘍の周囲は赤みを帯びているのが特徴です。また、腫瘍自体は色素沈着を起こしやすく、徐々に色が黒くなっていくこともあります。

小児に多く見られ、頭部、顔面、頚部などにできるとされていますが、全身のどこにでもできる可能性はあります。

進行は非常に急速で、当初数mmの大きさであった皮疹が急激に1~2cmまで大きくなるのが特徴ですが、それ以上大きくなることはありません。また、未治療のままで自然に消退することもあります。

検査・診断

若年性黒色腫は外見や急速に大きくなるなどの臨床像から、悪性黒色腫の特徴と非常に類似した点が多く、的確な鑑別診断を行う必要があります。

そのため、腫瘍の表面や真皮まで観察可能なダーモスコピーによる詳細な腫瘍の評価が行われることもあります。ダーモスコピーで観察すると、若年性黒色腫の周辺にはsunburst patternと呼ばれる特殊な模様が見られるため診断の手掛かりとなります。

しかし、もっとも重要な検査は腫瘍組織の病理検査であり、通常は腫瘍をすべて切除して術後に検査が行われます。

治療

若年性黒色腫は、比較的急速に大きくなることが多いですが、いわゆるほくろの一種である良性腫瘍であり、未治療で自然に消失することもあります。

しかし、極めて悪性度の高い悪性黒色腫と類似した特徴を多く持つため、病理検査を行うためにも手術によって切除することが多いです。通常、切除された腫瘍を用いて病理検査が行われ、悪性黒色腫との鑑別が慎重に行われます。

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