せきがいせんしょうがい

赤外線障害

最終更新日:
2024年02月21日
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2024/02/21
更新しました
2017/04/25
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概要

赤外線障害とは、赤外線によって引き起こされる障害です。赤外線はその性質から“熱線”とも呼ばれ、赤外線にばく露することで眼障害や皮膚障害、熱中症を引き起こします。

赤外線障害の多くは、赤外線が発生する職場で働いている人にみられます。そのため、治療としては赤外線のばく露から離脱することが重要です。

赤外線障害を予防するためには、赤外線発生源の遮断・遠隔操作、遮熱保護具の使用、冷房による温度管理などの対策が必要となります。

原因

電磁波の一種である赤外線にばく露することが原因です。

赤外線障害の多くは職業病としてみられ、たとえば製鉄、製鋼、造塊などの高熱物体取り扱い作業、ガラスなどの炉前作業、赤外線乾燥作業などに従事している人に起こることがあります。

電磁波は、電離放射線と非電離放射線に分けられます。

赤外線は、人の目に光として感じる可視光線より波長の長い非電離放射線です。電磁波は波長の短い順に電離放射線(X線、γ線)と非電離放射線である紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波に分類されます。赤外線は、その波長により近赤外線と中間赤外線、遠赤外線の3つに分けられます。

症状

赤外線による主な障害には、眼障害、皮膚障害、熱中症があります。特に、目や皮膚に対しては近赤外線か遠赤外線かで引き起こされる障害が異なります。

眼障害

近赤外線は目の水晶体を濁らせ、白内障を引き起こします。白内障では、視力低下、目のかすみ、ものが二重に見える、まぶしく見える、視界が暗く感じるなどの症状がみられます。

また、近赤外線は角膜炎結膜炎の原因になることもありますが、紫外線とは異なり遅発性です。角膜炎、結膜炎では目の異物感、目の痛み、充血、流涙、目を開けにくいなどの症状を自覚します。

遠赤外線においては、網膜のやけど、虹彩萎縮や黄斑変性などを引き起こします。

皮膚障害

近赤外線は皮膚に対して強い透過力を持つため真皮にまで達します。そのため、表皮の基底膜細胞、皮脂細胞、真皮の毛細血管などが障害され、網の目状の紅斑や色素沈着が特徴的な大理石様皮膚(火だこ)や皮膚の肥厚などを引き起こします。一方の遠赤外線は、皮膚のやけどを引き起こします。

熱中症

熱中症の発症には高温・多湿の環境だけでなく、発熱体から放射される赤外線による熱も影響します。初期症状として、めまい、立ちくらみ、生あくび、筋肉痛、筋肉の硬直などがみられ、重症化すると頭痛や嘔吐、倦怠感、虚脱感、意識障害、けいれんなどがみられます。

検査・診断

赤外線にばく露したエピソードや従事している職業などについての問診、目の検査では視力検査や、細隙灯と呼ばれる拡大鏡を用いて白内障の有無などを調べる細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)検査などが行われます。

治療

赤外線の熱が原因となって発症・悪化するため、赤外線にばく露しないことが何より大切です。赤外線が発生する職場で働いているなどばく露から回避できない場合には、遮熱保護眼鏡、遮熱保護衣服、遮熱保護手袋を着用するといった対処が必要です。

病院での治療としては、たとえば白内障では手術が行われます。白内障の濁りは薬で除去できないため、外科的に濁った水晶体を取り除き、そこに人工の水晶体を入れます。

角膜炎結膜炎に対しては点眼薬で治療します。

熱中症は重症度によって異なりますが、初期治療では体を冷やすとともに、失われた水分や電解質を点滴によって補給します。

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