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過強陣痛
過強陣痛とは、陣痛が強くなりすぎた結果、胎児に過度の負担がかかってしまう状態のことを指します。 陣痛が始まることで分娩開始とみなされますが、陣痛の開始とは「子宮の収縮による規則的な腹痛が、...
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過強陣痛(かきょうじんつう)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

過強陣痛とは、陣痛が強くなりすぎた結果、胎児に過度の負担がかかってしまう状態のことを指します。

陣痛が始まることで分娩開始とみなされますが、陣痛の開始とは「子宮の収縮による規則的な腹痛が、10分以内の間隔で繰り返しおこること」と定義されています。通常は、分娩が進行することで子宮口が徐々に開き、陣痛の感覚もだんだんと短くなっていきます。痛みも徐々に増していき、分娩直前では陣痛が2、3分おきに来るようになります。このような経過は一般的に認められ、正常な陣痛とみなされます。

過強陣痛は、お母さんにとって辛いのはもちろんですが、過度な子宮収縮によって胎児への血流が減少し、胎児が酸素不足となってしまう可能性があることを意味します。

原因

過強陣痛となる原因として、「子宮収縮促進薬(陣痛促進剤)」の使用が挙げられます。子宮収縮促進薬は、何らかの理由で弱まってしまった陣痛を強くしたり、そもそも自然に陣痛が来ない状態から陣痛を人工的に促進したりする際に用いられます。現在は産科診療ガイドラインに沿って、適切な使用方法(定められた薬剤投与のペースを守ることや、持続的胎児心拍陣痛モニタリングの実施など)を守ることが強く推奨されています。このガイドラインに沿った適切な方法で投与された場合、子宮収縮促進薬の使用によって過強陣痛のリスクはほとんど増加しないとされていますが、子宮収縮促進薬の使用時には、過強陣痛の発症に注意する必要があります。

過強陣痛の原因として子宮収縮促進薬以外のものもあります。何らかの理由によって産道(胎児が分娩時に通過する通り道)の抵抗が大きくなりすぎる場合で、児頭骨盤不均衡、軟産道強靭、回旋異常などが挙げられます。

症状

過強陣痛には、陣痛周期の短縮(頻繁に陣痛が訪れる)や持続時間の延長(陣痛のピーク時間が長くなる)、子宮内部の圧力が上昇することなどが関係します。

子宮の過度な収縮が続くことで、通常よりも陣痛による痛みが強くなり、気分不快から嘔吐してしまうこともあります。また、子宮の筋肉が過強陣痛によって疲労し、収縮する力が落ちてしまうことで微弱陣痛となってしまうことがあります。頻度としてはまれですが、過度な収縮に子宮の筋肉自体が耐えられなくなり、子宮の一部が裂けてしまう子宮破裂を生じることもあります。一方で、胎児は過度の圧力によって酸素不足となり、胎児機能不全(胎児心拍数の低下として現れます)の状態になる可能性があります。

検査・診断

過強陣痛を診断するために特別な検査は不要ですが、分娩中に測定している胎児心拍数陣痛図に現れる陣痛が過度に強くなります。同時に測定している胎児心拍数のパターンを観察することで、胎児機能不全に陥っていないかをある程度判断することができます。

治療

子宮収縮促進薬を使用している場合には、まず促進薬を中止することが最優先となります。薬剤の使用をやめれば過強陣痛がおさまることも多いため、お母さんや胎児の状態に大きな問題がなければ、促進薬を使用しないで自然な陣痛のまま分娩を進めることができます。ただ、子宮収縮促進薬を中止してもお母さんの血中には薬の成分がしばらく残ってしまうので、すぐに過強陣痛がおさまらないこともあります。このため、胎児機能不全の状態が認められたり、お母さんの状態が悪かったりする場合には、促進薬を中止したうえで、子宮収縮抑制薬を点滴投与することもあります。

胎児機能不全が長く続いている場合、胎児心拍数の低下が持続する場合、子宮破裂を起こしている可能性が疑われる場合などより緊急の場合には、上記の対応をしたうえで、緊急帝王切開術を実施します。特に、子宮破裂は超音波検査でも診断できないことが多く、母子ともに命の危険が心配される緊急事態です。

子宮破裂を治療するには開腹手術が必須のため、帝王切開術で赤ちゃんを取り出したあと、そのまま子宮破裂の部位を特定し、修復手術を行うことになります。破裂部位の損傷が非常に大きい場合、修復困難なこともあり、最終的に子宮摘出術が必要となるケースもあります。