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Esophagus
食道静脈瘤
食道静脈瘤とは、食道粘膜の粘膜内ならびに粘膜下層にある静脈が太くなり、こぶのようになった状態を指します。これは、消化管から吸収した栄養分などを肝臓に送る輸送路である「門脈」にかかる圧(門脈圧)が...
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食道

食道静脈瘤しょくどうじょうみゃくりゅう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

食道静脈瘤とは、食道粘膜の粘膜内ならびに粘膜下層にある静脈が太くなり、こぶのようになった状態を指します。これは、消化管から吸収した栄養分などを肝臓に送る輸送路である「門脈」にかかる圧(門脈圧)が上昇することで起こります。門脈圧が上がっている状態を「門脈圧亢進症」といい、食道静脈瘤はその症状のひとつです。

食道静脈瘤があるだけでは、自覚症状はありません。しかし、静脈瘤が進行すると、こぶが破裂して出血する危険性があります。そのため、突然の吐血で気づくというケースも多いです。また、食道静脈瘤は肝硬変における合併症のひとつとして挙げることができます。食道静脈瘤からの出血量は大量になることもまれではなく、死にいたることもあるほど重篤な病気です。

原因

食道静脈瘤は、「門脈圧亢進症」が原因となって発症します。門脈とは、腸で吸収された栄養素を肝臓に運ぶ血管のことを指します。門脈を介して肝臓に運ばれた栄養素は、肝臓で処理をされて全身に運ばれることになります。

しかし、肝硬変を発症すると肝臓の組織全体が固くなり、血液が流れにくい状態になります。その結果、門脈から肝臓への血液の流れが滞り、門脈の血圧が上昇することになります。この状態を「門脈圧亢進症」と呼びます。門脈を介して血液が肝臓に戻れない状態となると、血液は別のルートを通るようになります。

食道に位置する血管もそのルートのひとつであり、門脈圧亢進症を発症すると正常よりも多くの血液が食道の血管に流れるようになります。食道への血流が多くなる結果、血管が(こぶ)のように腫れ上がるようになり、食道静脈瘤が発症します。

肝硬変の合併症のひとつでもある食道静脈瘤ですが、肝硬変はB型肝炎やC型肝炎、アルコールなどを原因として発症します。

症状

食道静脈瘤は、静脈瘤が存在するだけでは自覚症状はありません。しかし、食道静脈瘤が破裂すると、吐血や下血(げけつ)といった症状を認めます。出血の量は非常に多くなることもあり、血圧低下からショック状態になることもまれではありません。

食道静脈瘤の発症には肝硬変が存在することが深く関係しています。そのため、肝硬変に関連した症状を伴うこともあります。具体的には、肝硬変ないし慢性的な肝臓の病気の初期症状として筋攣縮(きんれんしゅく)がよくみられます。

また、よく指摘される症状に手掌紅斑(しゅしょうこうはん)があります。皮膚の症状では、ほかに蜘蛛状血管腫がみられます。上胸部から背中にかけて、赤い小さな隆起が起こり、そこを中心として蜘蛛の足のように赤い毛細血管が広がるものです。

さらに、浮腫、腹部膨満感(腹水によります)、皮膚掻痒感(ひふそうようかん)黄疸(おうだん)、女性化乳房などといった症状が出現することもあります。食道静脈瘤は一度発症すると重篤になることもありますし、自覚症状がほとんどありません。そのため、肝硬変に関連した症状に着目をすることも重要になります。

検査・診断

食道静脈瘤の状態は、上部消化管内視鏡検査で確認することが可能です。このため、食道・胃静脈瘤の早期発見・早期治療のためには、定期的な上部消化管内視鏡検査が重要です。最近では内視鏡治療技術がすすみ、あらかじめ胃カメラで静脈瘤の有無を観察しておき、静脈瘤の太さが増したり発赤が出てきたりした場合には、内視鏡的に血管の硬化療法を行うことが可能です。

治療

食道静脈瘤が破裂し出血した場合、まずは緊急上部内視鏡検査による診断を行い、すぐに治療を施します。治療では、出血を止めることが最優先です。出血の部位が特定できない場合は、S-Bチューブという先端にバルーンがついたチューブを挿入し、内側から圧迫させて止血をします。

出血部位が確認できる場合、多くは内視鏡的静脈瘤結紮術(Endoscopic Variceal Ligation: EVL)という手法を用います。これは静脈瘤を小さな輪ゴムで止めて血流を遮断するもので、緊急止血に用いられます。また、静脈瘤の血管内や周囲に硬化剤を注入して静脈瘤を固めてしまう、内視鏡的硬化療法(Endoscopic Injection Sclerotherapy: EIS)を適用することもあります。

緊急止血をしたあとは、患者さんの容態に応じて、再出血を防ぐために薬の点滴を投与します。また、緊急止血のあとはできるだけ早い時期を選んで、永久止血を目指して静脈瘤根絶のための追加の内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)・内視鏡的硬化療法(EIS)を行います。出血量が多い場合には、輸血が行われることもあります。

検査の項目でも述べたように、出血前の段階で食道静脈瘤を指摘できることもあります。まだ破裂していない段階で静脈瘤を見つけたら、根治のための予防治療を行います。この際にも、内視鏡的硬化療法(EIS)または内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)が用いられますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。さらに、静脈瘤を取り除いた後の地固め療法として内視鏡的アルゴンプラズマ凝固というものも行います。

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