しょくどうひじょうひせいしゅよう

食道非上皮性腫瘍

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

大部分は良性腫瘍である平滑筋腫ですが、まれにGISTや悪性リンパ腫平滑筋肉腫などの悪性腫瘍が生じることもあります。

良性の場合には無症状のことが多く、たまたま受けた健診でのバリウム検査や上部消化管内視鏡検査胃カメラ)で発見されることが多いです。

治療法は腫瘍の種類によって異なり、正確な診断をすることが必要となります。

原因

腫瘍の種類によって原因は異なりますが、正確には解明されていません。

しかし、悪性の食道非上皮性腫瘍であるGISTに関しては、c-kitと呼ばれる遺伝子が関係していると考えられています。具体的には、c-kitという遺伝子の突然変異によって異常なたんぱく質が増殖することが原因であると考えられています。しかし、遺伝子の突然変異が起こる原因はわかっていません。

症状

大部分は無症状であり、健診で偶然発見されることが多いです。しかし、腫瘍が5㎝以上になると物を飲み込んだときに、つかえ感や不快感、前胸部の異物感を覚えることがあります。特に食道非上皮性腫瘍でもっとも多い食道平滑筋腫は、食道の下部にできることが多いため、食道の通過障害による胃部不快感や嘔気が生じやすいです。

食道内腔ではなく、外壁に向かって成長するタイプの腫瘍では、腫瘍が食道から飛び出して他の臓器を圧迫することがあります。たとえば、腫瘍が食道の前面にある胸骨を圧迫することがあり、胸骨痛を引き起こします。

悪性腫瘍の場合には腫瘍が潰瘍化して出血を生じやすく、脳や肝臓への転移、腹膜播種を生じることもまれではありません。

検査・診断

検査は画像検査や血液検査が主体となります。

画像検査

食道の病変を調べるために、食道造影検査と上部消化管内視鏡検査、CT検査が行われます。食道造影検査では陰影の欠損が見られ、内視鏡検査では腫瘍による食道粘膜の盛り上がりが確認できます。しかし、非上皮性腫瘍は正常な粘膜の下に存在するため、小さなものは見逃されることも多く、良性か悪性かを判別するために超音波内視鏡検査で粘膜下の観察を行うこともあります。

CT検査では、食道内の腫瘍の確認だけでなく、大きさや周辺組織の圧排、他臓器への転移を評価することが可能であり、食道の外壁方向に成長した腫瘍の判別にはCT検査でないと発見できないものもあります。明らかな良性腫瘍である場合を除いては、造影検査や内視鏡検査と併せてCT検査が行われることが多いでしょう。

血液検査

血液検査は主に悪性が疑われるときに行われますが、貧血、肝機能などの全身状態のチェックに役立ちます。また、各種腫瘍マーカーを調べることで悪性の可能性を考慮する手掛かりにもなります。

治療

良性で症状がない場合は、基本的には治療は必要とせず、経過観察を行います。しかし、平滑筋腫はまれに悪性の平滑筋肉腫に転化することもあるため、定期的な検査が必要となります。

良性の場合でも比較的大きく、症状がある場合には、内視鏡で腫瘍を取り除く核出術が行われます。腫瘍が食道の内腔ではなく、食道の外側に向かって成長している場合は、胸腔鏡を用いて切除することもあります。

悪性の場合や悪性の可能性が極めて高く、症状がある場合には食道切除術が行われます。転移があるGISTでは分子標的薬(抗がん剤の一種)を併用して治療が進められます。

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