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高山病
高山病とは、登山などで酸素が平地よりも少ない高地に赴いたとき、低酸素に関連する健康被害が引き起こされる病気です。 国内だけでなく海外での登山やトレッキングを行う方が増えてきていますが、同時...
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高山病(こうざんびょう)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

高山病とは、登山などで酸素が平地よりも少ない高地に赴いたとき、低酸素に関連する健康被害が引き起こされる病気です。

国内だけでなく海外での登山やトレッキングを行う方が増えてきていますが、同時に登山に関連した怪我や健康被害も後を絶たず、高山病を発症する方も少なくはありません。こうした風潮も加味されつつ、2017年6月には、日本人の特性を加味した高山病の診療ガイドラインも発表されています。

高山病を発症すると、頭痛や吐き気などから始まり、重症化すると呼吸困難、昏睡から亡くなる方もいらっしゃいます。登山の際には体調を万全に整え、無理のないスケジュールを組むことが大切です。

登山中には、高山病にかかる危険性に留意しながら定期的に血液中の酸素濃度を測定しつつ、高山病を疑わせる症状が出たときには登山を中止し下山する勇気を持つことも重要です。
 

原因

平地では、空気のおよそ20%が酸素から構成されています。大気圧は760mmHgですが、酸素の圧力は150mmHgほどに相当しており、この酸素を体内に取り込むことで血液中(特に動脈中)の酸素は100mHgを示すようになっています。

しかし、標高が高くなるにつれて大気圧は徐々に下がり、それに応じる形で酸素の量も低下していきます。たとえば富士山山頂の標高に当たる3776mでは、空気中の酸素圧は100mmHgを下回り始めます。もし、突然この環境にさらされたと仮定すると、血液中の酸素濃度は40mmHg前後にまで低下し、非常に重い低酸素血症を示すことになります。

実際には平地から標高が上がるにつれて徐々に空気中の酸素濃度は低下し、体もそれに慣れるように順応しようとします。そのため、一気に重篤な低酸素に陥るわけではありませんが、それでも尚、高地では治療が必要とされるレベルの低酸素血症を呈することはまれではありません。

このように、高山病は標高に対応して酸素濃度が低くなることを原因として引き起こされます。実際に高山病を発症するかどうかは、年齢や持病(肺の疾患など)の有無、さらにはその日の体調などの要素によって影響を受けます。
 

症状

血液中の酸素濃度が低下することと関連した症状が引き起こされます。重症度に応じて、山酔い、高所肺水腫、高所脳浮腫の三つの段階に分けることができます。

年齢などにもよりますが、2500mを超える当たりから高山病の症状は出現し始めます。初期には、頭痛や食欲低下、吐き気・嘔吐、全身倦怠感(けんたいかん)や脱力感、立ちくらみなどの山酔いの症状を認めるようになります。息苦しくて眠れないといった変化もみることもあります。

高山病が進行をすると、命に関わることがある高所肺水腫や高所脳浮腫を発症することもあります。高所肺水腫では、安静を保っていても息苦しい感じが持続し、咳などの呼吸器症状が起こります。チアノーゼや頻脈(ひんみゃく)(脈が速くなる)・頻呼吸(ひんこきゅう)(呼吸数が増加し、呼吸が浅い状態)、胸の圧迫感なども現れます。

高所脳浮腫は中枢神経系にも障害が加わっている状態であり、精神状態の変化や運動失調、見当識障害(自分の置かれている環境などがわからなくなる)が出現し、最終的に命にかかわることもあります。
 

検査・診断

高山病が発症するリスクが生じ始める2500m(年齢や体調にもよります)を登山する際には、血液中の酸素濃度を定期的に測定することが重要です。

パルスオキシメーターと呼ばれる機器を用いることで、簡易かつ迅速に血液中の酸素濃度を推定することができます。健康な方であれば平地でパルスオキシメーターを使用すると、95-100%といった数字が示されます。

しかし、空気中の酸素が低くなるとこの数字も低下し始め、90%を下回るようになると高山病の発症リスクが高まってきます。
 

治療

酸素濃度が十分である低地に移動することが原則です。下山できる体力がある場合は勇気をもって下山を開始しましょう。また、体に取り込む酸素が不足していることが病気の根幹であるため、携帯用の酸素を吸うことも有効ですが、一時的な対応でしかありません。

高山病では薬物療法を行うこともあります。なかには、高山病の予防効果がある薬もあるため登山開始数日前から内服をすることもあります。また、山酔いの症状が出現した後でも軽度の症状の場合には症状を和らげることができます。そのほかにも、薬の種類によっては、高地脳浮腫の発症予防や治療、高地肺水腫の予防に有効なものもあります。

登山の際には事前の準備も大切です。予防策として、登山の際の事前準備を整えることも大切です。たとえば、低酸素環境に体が十分慣れることができるよう、急激な高度変化を避けられて、時間的に余裕のあるスケジュールを組むことや、体調管理も重要です。基礎疾患を持つ方は事前に医師に対応策を相談しておくと安心です。

登山者が多い山では山岳診療所が設置されているところもありますので、その情報も確認しておくとよいでしょう。