おうたいのうほう

黄体嚢胞

同義語
黄体のう胞
最終更新日:
2023年12月11日
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2023/12/11
更新しました
2017/04/25
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概要

黄体嚢胞とは、排卵が起こった後に作られる“黄体”という組織から生じる良性の病変です。

生理のある人は、生理周期に伴っておよそ1か月に1回排卵が起こります。

排卵とは、黄体化ホルモンの分泌に伴って卵子の入った“卵胞”の壁が破け、卵子が卵管の中に移動することをいいます。排卵後の卵胞は黄体を形成します。黄体の中には血液の塊が含まれていることが一般的ですが、ここに液体がたまると黄体嚢胞となります。

黄体嚢胞があるだけならば基本的に無症状ですが、嚢胞が破裂すると下腹部に強い痛みが生じることもあります。

良性の卵巣病変には大きく、“機能性嚢胞”と“腫瘍(しゅよう)”の2つがありますが、このうち黄体嚢胞は機能性嚢胞に分類されます。排卵後に作られる組織から発生する病気であるため、思春期から閉経期までの生理のある人が発症します。

また、黄体嚢胞は卵巣の左右いずれか片方に生じる傾向があります。

原因

黄体嚢胞が生じる原因は、現時点ではよく分かっていません。ただし、黄体嚢胞が破裂する要因としては腹部への物理的な刺激などが考えられています。

症状

黄体嚢胞が生じても、無症状で経過することも少なくありません。ほとんどは数日~数週間程度で自然に消失するため、気が付かないうちに発生して知らないうちになくなっている可能性もあります。

一方で、嚢胞が大きくなり、卵巣全体と子宮をつなぐ部位がねじれる(卵巣茎捻転(らんそうけいねんてん))ことで下腹部の激しい痛みを起こしたり、嚢胞が破裂して中身が腹腔(ふくくう)内に漏れ出て下腹部に強い痛みを伴ったりします。

検査・診断

無症状の場合は、何らかの事情で検査を受けた際にたまたま発見されることも少なくありません。一般的な黄体嚢胞の検査としては、腟から器具を挿入して子宮や卵巣の状態を確認する経腟超音波検査が挙げられます。この検査だけでは診断が難しい場合、CT検査、MRI検査などの画像検査も併せて行われます。

なお、妊娠中は卵巣が大きくなりやすいため、特に注意深く検査を行うことが大切です。

治療

無症状であれば、定期的な検査を行いながら経過観察となることが一般的です。

一方で、卵巣茎捻転を引き起こした場合や、黄体嚢胞が破裂して腹腔内に大量出血し腹膜炎が生じた場合、卵巣が膨らんだ状態が続く場合などには手術治療が検討されます。手術治療では、卵巣や嚢胞の状態に応じて病変の切除、卵巣の摘出、卵巣のねじれの解除などが行われます。

術式については、急に下腹部痛の症状が現れたときなど緊急性が高い場合には開腹手術が検討されます。一方、手術前に黄体嚢胞と診断がついている場合は腹腔鏡下手術(お腹に数cm程度の穴を開け、そこから腹腔鏡や手術用の器具を挿入し、腹腔鏡で映し出された画像を見ながら行う手術治療)が適応されるケースもあります。

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