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黄熱
黄熱とは、黄熱ウイルスにより引き起こされる感染症を指します。黄熱ウイルスは、人間以外にも猿や蚊(Aedes属とHaemogogus属)のなかでも生息することが可能であり、人は蚊に刺されることで病...
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黄熱おうねつ

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

黄熱とは、黄熱ウイルスにより引き起こされる感染症を指します。黄熱ウイルスは、人間以外にも猿や蚊(Aedes属とHaemogogus属)のなかでも生息することが可能であり、人は蚊に刺されることで病原体に感染します。

媒介者である蚊は、アフリカと南米地域に広く生息しており、同地域に一致して黄熱は流行しています。具体的にはアフリカは赤道南北それぞれ15度の緯度の範囲、南米においてはパナマから南緯15度までの熱帯地域で流行しています。

日本での扱いとしては、感染症法にて4類感染症に指定されており、全数把握対象疾患(患者を診断した医師から保健所への届け出が義務づけられている感染症)となっています。これによると、日本での発症例は認めていませんが、流行地域に赴く際には注意が必要です。「黄熱に感染する危険のある国」の情報は、厚生労働省検疫所が適時情報を流していますので、注視しておきましょう。

黄熱に対してはワクチンによる予防接種が可能であり、入国に際して予防接種証明の提示が義務づけられている場合もあります。黄熱ワクチンはどの医療施設でも接種可能というものではないため、渡航に際しては時間的な猶予を持って対応することが必要です。(厚生労働省検疫所の情報を見ること)

原因

黄熱ウイルスにより引き起こされます。黄熱ウイルスは、日本脳炎ウイルスと同様の「フラビウイルス」という仲間に分類されます。人以外にも猿や蚊(主にネッタイシマカ)のなかでも生息することが可能であり、人は蚊に刺されることで黄熱ウイルスに感染します。なお、日本脳炎ウイルスを媒介する蚊は「コガタアカイエカ」と呼ばれるものであり、黄熱ウイルスの媒介蚊とは異なります。

原因となる蚊はアフリカと南米に広く生息しており、ジャングルはもちろんのこと都市部でも認めることがあります。ジャングルにおいては猿などにウイルスが寄生しており、野外活動を行う際に蚊を介して人にも感染します(jungle yellow feverと呼びます)。

一方、都市部においても媒介蚊は生存しております。そこに国外感染のウイルス血症の患者さんが存在すれば、蚊が吸血し感染蚊となり、黄熱に対して免疫のない人を刺し、黄熱を発症させることが可能です。この連鎖反応が起こると黄熱に対し免疫がない方の体内では黄熱ウイルスが増殖することがあります。こうした方が蚊に咬まれると、蚊の体内にある黄熱ウイルスが移行することになります。これに引き続きほかの人が咬まれると、病原体がさらに広がることになります(urban yellow feverと呼びます)。

症状

黄熱ウイルスに感染しても、多くの場合は症状が出現しません。しかし、なかには感染後3〜6日ほどの潜伏期間を経て症状を呈する方がいます。初発症状は発熱と頭痛であり、インフルエンザ様ともいわれます。重症化することがなければ3日程度の経過で症状は改善します。

患者さんのおよそ15%で重症化する方がいらっしゃいます。その場合、初発症状から改善したようにみえて、数時間から1日後に突然高熱が再燃します。高熱であっても脈は1分間に50回ほど(正常では60~100回)と遅いことが特徴です。特に肝臓と腎臓に対する障害が強く、典型的な症状としては、黄疸、出血(鼻血や消化管出血、口腔内出血、眼瞼[がんけん:まぶた]出血など)、タンパク尿の3つを挙げることができます。黄疸とは、皮膚や眼球が黄色を呈するようになる状態であり、このことから本疾患は「黄熱」と呼ばれます。これら3症状が現れるようになると多臓器不全やショックを続発し、1週間から10日までに亡くなる場合があります。

検査・診断

黄熱の診断は、流行地域でのほかの感染症も含めて広く鑑別を行う必要があります。たとえば鑑別を要する疾患としては、マラリア、レプトスピラ、劇症肝炎などです。

黄熱の診断は、(1) ウイルス分離、(2) PCR法、(3) 抗体検査、をもとにしてなされます。PCR法は黄熱ウイルスに特徴的な遺伝子を検出する方法ですが、より早期に原因ウイルスを特定できる可能性が高いです。また、黄熱では合併症の評価も必要になります。肝臓と腎臓に障害を起こすことが多く、これらの評価が重要です。肝臓に関連してビリルビンが高くなりますし(黄疸の原因)、血液の止血に関わる凝固機能にも異常をともないます(消化管出血の原因)。黄熱ではタンパク尿を認めることもあるため、尿検査にてこれを確認することもあります。

治療

黄熱に特化した治療方法はありません。そのため症状に応じた対症療法が主体になります。肝不全、腎不全に対する治療が中心となり、腎不全に対しては透析が行われることがあります。

出血傾向を引き起こす凝固異常に対しては、新鮮凍結血漿や赤血球などの輸血が行われます。高熱をともなうことから、熱に対しての対応も重要になります。

予防

黄熱については特別な治療方法がないため、ワクチンによる予防接種が重要です。流行地域に赴く際、入国に際して予防接種証明書(イエローカードと呼ばれるもの)の提示を求められることもあります。

日本各地の検疫所を中心に予防接種を受けることが可能ですので、渡航予定がある際には早めに対応することが重要です。予防接種による免疫効果は長期間持続すると考えられています。厚生労働省検疫所の情報を参考にしてください。

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