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Blood vessel
IgA血管炎
IgA血管炎とは、皮膚に紫斑(出血による症状の一つです)、腎障害、関節炎などの症状を呈するようになる疾患を指します。病気の発症機序として「IgA」と呼ばれる抗体が深く関与していことから、その名称...
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IgA血管炎(あいじーえーけっかんえん)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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IgA血管炎とは

IgA血管炎とは、皮膚に紫斑(出血による症状の一つです)、腎障害、関節炎などの症状を呈するようになる疾患を指します。病気の発症機序として「IgA」と呼ばれる抗体が深く関与していことから、その名称がついています。別名、ヘノッホ=シェーンライン紫斑病、アレルギー性紫斑病など多くの名称でよばれている疾患です。

IgA血管炎は4〜7歳の男児に多く認められます。日本での患児数の明確なデータはありませんが、欧米の報告を参考にすると10万人あたり10〜20人であり、成人の患者数は小児の5分の1〜10分の1とされています。また、発症には季節性があり、秋と冬に多く、夏には少ない傾向があります。一般的に成人に発症したIgA血管炎は小児の場合と比較し再発率が高く、重度の腎障害を来すことが多いことも特徴です。

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原因

IgA血管炎では、血管の壁に「IgA」と呼ばれる抗体の一種が沈着しており、炎症反応が生じることから(血管炎が生じます)病気が生じていると考えられています。こうした免疫反応を惹起する原因として、溶連菌を代表とする細菌やウイルス(例えば水疱瘡や風疹など)、リケッチアによる感染、薬剤、悪性腫瘍、食物が想定されており、これらがIgAと結合する抗原になると考えられています。

小児のIgA血管炎では30〜50%の症例で、溶血性レンサ球菌による上気道の先行感染を認めたという報告があり、溶血性レンサ球菌はIgA血管炎の主要な原因として重視されています。

炎症が生じる血管は、全身の中でも大動脈や冠状動脈と言った大きな血管ではなく、むしろ小さい血管において病変を認めることになります。こうした小さい血管は皮膚や腎臓、消化管、関節などに分布しています。したがって、小型血管に血管炎が生じる結果として、IgA血管炎では皮膚の出血性病変(紫斑)、腎障害、関節痛などの症状が出現することになります。

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症状

IgA血管炎では、皮膚、腎臓、関節を中心として症状が出現います。IgA血管炎で見られる皮膚症状は「紫斑(しはん)」と呼ばれるものであり、血管からの出血を反映しています。IgA血管炎の紫斑は触れると軽いしこり認める点が特徴的であり、下肢に認めることが多いです。泣いたりすると、顔面にも紫斑性病変が誘発されることもあります。

 IgA血管炎における関節症状は頻度が高く、膝や足関節の腫脹や痛みが一過性に生じます。運動時に痛みの増強が見られることもありますが、日常生活に支障を来すほど重症化することはまれです。

またIgA血管炎は、腎障害を引き起こすこともあり、およそ半数の患者さんにおいてタンパク尿や血尿などを認めるようになります。腎障害が生じるタイミングとしては、急性期だけではなく、IgA血管炎に罹患してから数ヶ月後に発症することもあります。成人の場合は特に腎障害が慢性化することもあり、注意が必要な合併症です。

その他、腹部症状を見ることも多く、軽度の嘔気、嘔吐、腹痛といった症状であることが多いです。しかしながら、強い腹痛や下血を来すこともあり、時に開腹手術を要するほどの腹痛を生じることもあります。腹部症状は紫斑が現れる以前より出現することがあり、診断に難渋することもあります。

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検査・診断

小児においては、臨床症状からIgA血管炎を診断することになります。その一方成人においては、同じような紫斑を呈する病気としてIgA血管炎以外にもANCA関連血管炎、皮膚白血球破砕性血管炎、続発性血管炎など多くのものがあります。これらを鑑別するために、皮膚生検を行い、直接蛍光抗体法という検査で小型血管にIgAの沈着があるかどうかを確認することになります。

IgA血管炎では、腎障害の評価を行うことが重要です。尿検査は必須であり、腎症が重度の場合には、腎生検が行われることもあります。

腹部症状がある場合には、腸重積や腸管穿孔、腸管壊死の有無を確認する目的で検便や腹部エコー検査を行います。

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治療

 IgA血管炎では、軽症の場合であれば無治療でも自然軽快することが多いです。そのため、軽症例に対しては安静と脱水にならないように注意をしながら経過観察を行います。

 しかし、安静を保つだけでは病状が改善しない場合や症状の程度が強い場合には、治療介入が行われます。

薬物治療では、トラネキサム酸やカルバゾクロムなどの止血作用、循環改善作用のある薬剤を使用されることが多いです。ジアミノジフェニルスルホンやコルヒチン、短期の副腎皮質ステロイドの投与を考慮することもあります。高度の血尿や蛋白尿、クレアチニンクリアランスの低下、血圧上昇、ネフローゼ症候群を認めた場合には、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬による治療が行われます。血漿交換療法や免疫グロブリン大量静注療法、扁桃摘出が選択されることもあります。

強い腹痛や下血がある場合には、副腎皮質ステロイドの投与が行われ、腸重積や腸管穿孔、腸管壊死がある場合には開腹手術が必要となります。腹部症状には凝固因子(血液を固めるために必要な因子)である第XIII因子の低下が関連するという報告もあり、血液凝固第XIII因子製剤が投与されることもあります。

歩行障害などの日常生活に支障を来すほどの関節症状を認めた際には、非ステロイド性抗炎症薬が用いられます。これに関しても、第XIII因子の補充やジアミノジフェニルスルホンが有効であるとする報告もあります。

小児においては比較的予後良好な疾患ですが、成人では腎障害を残すこともあるため注意が必要です。

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