ずつう

頭痛

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

頭痛とは、頭頚部に痛みが生じることです。頭痛は広く一般的な病気ですが、その種類はさまざまで、原因もそれぞれ異なります。鎮痛剤を服用すれば症状が治まるものもあれば、生命に関わる重篤(非常に重い)な病気の症状であることもあります。

国際頭痛分類第2版では、発症原因によって頭痛を14に分類しています。大きく分けると、基礎疾患(原因となっている病気)のない頭痛である一次性頭痛と、脳腫瘍脳出血外傷などの病変が原因となる二次性頭痛があります。

一次性頭痛には片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛などが含まれ、もっとも多いのは緊張型頭痛です。また、二次性頭痛は多岐にわたる病気が原因となり、鼻や副鼻腔、口腔内の病変によるものもあります。

原因

それぞれの頭痛の原因は以下の通りです。

一次性頭痛

一次性頭痛でもっとも多いのは、緊張型頭痛であり、次いで片頭痛が多いとされています。

緊張型頭痛

ストレスや姿勢の異常、頭頚部の筋肉の酷使などによって、頭頚部の筋肉が凝った状態となり、筋肉が放出する発痛物質によって頭痛が生じると考えられています。

片頭痛

三叉神経(さんさしんけい)周辺の血管が拡張し、神経を刺激することで発症すると考えられています。

群発頭痛

アルコールや硝酸剤(しょうさんざい)などの血管拡張薬によって頭部の血管が拡張することが原因だといわれています。しかし、明確な発症メカニズムは解明されていません。

二次性頭痛

二次性頭痛には、頭部外傷脳卒中をはじめとした脳血管障害、感染症、薬物の副作用や離脱症状によるもの、目や耳・鼻・副鼻腔・口腔の病変によるもの、精神疾患など多くの原因があります。

頭痛が、他の病気を発症したときと同時期に生じれば二次性頭痛であると判断できますが、なかにはすでにある一次性頭痛が何らかの病変によって悪化していることや、一次性頭痛が引き起こされていることもあります。

症状

頭痛の症状は、原因によって大きく異なります。

一次性頭痛

一次性頭痛では、頭痛が絶えず続くのではなく、発作のように突然発症し、いったん治まると痛みはまったく感じなくなります。緊張型頭痛と片頭痛は通常一回の発作が治まれば次の発作まで症状が出ることはありませんが、群発頭痛は発作が数週間から数か月続き、何も症状がない期間が数か月から数年続くのが特徴です。

代表的な3種の症状は下表の通りです。

頭痛

二次性頭痛

二次性頭痛では、一次性頭痛のように頭痛が発作のように生じるのではなく、原因となる疾患がある間は断続的に痛みを感じることがほとんどです。

頭痛以外にも原因疾患によってさまざまな症状が生じ、頭痛はその症状のひとつに過ぎません。

検査・診断

頭痛の診断は以下のような検査をもとにおこなわれます。

一次性頭痛

一次性頭痛の診断には、頭痛の性状や持続時間、その他の症状などの問診による情報が重要になります。また、二次性頭痛を除外するために、頭部CT検査やMRI検査などで頭頚部に病変がないか確認します。

二次性頭痛

二次性頭痛では、画像検査のほかに、必要に応じて脳波検査や血液検査を行うこともあります。

治療

一次性頭痛の治療は頭痛を改善することを目的とし、二次性頭痛は原因となっている病気の治療が目的となります。

一次性頭痛

一次性頭痛の治療では主に薬物治療を行います。通常の消炎鎮痛剤が急性期の広く使われます。緊張型頭痛では筋弛緩薬や抗不安薬、片頭痛と群発頭痛ではトリプタン製剤などが使用されます。さらに、群発頭痛では薬物治療だけでなく、酸素吸入も有効な治療法とされています。

また、発作が起きていないときに予防として、片頭痛ではカルシウムブロッカーやβ遮断薬、抗てんかん薬、抗うつ薬などが用いられます。また、群発頭痛ではベラパミル塩酸塩やバルプロ酸ナトリウム、炭酸リチウムなどが使用されることもあります。

二次性頭痛

二次性頭痛では頭痛の原因となっている病気の治療が優先して行われます。多くの場合では原因疾患の治療が行われると、頭痛も改善します。対処療法としては消炎鎮痛薬や抗けいれん薬などが使用されることもありますが、効果は一時的なもので根本の原因が解決されない限り頭痛は治まりません。

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