院長インタビュー

救急医療と専門医療の2本柱で地域を支える沼津市立病院

救急医療と専門医療の2本柱で地域を支える沼津市立病院
卜部 憲和 先生

沼津市立病院 病院長

卜部 憲和 先生

この記事の最終更新は2018年07月02日です。

沼津市立病院では、病院の基本理念「市民のために ともに歩む病院」を実現すべく、沼津市および静岡県東部のみなさんに必要とされる医療を提供し続けています。

病院長の卜部憲和(うらべ のりかず)先生に、診療科の特徴、研修体制などについて伺いました。

沼津市立病院よりご提供

消化器内科では、消化管と呼ばれる胃から肛門までをつなぐ各種臓器、肝臓・膵臓・胆のうや胆管のほか、これらに付属する血管などの検査や診療を担当しています。

2018年4月現在では9名の医師が所属しています。日本内科学会認定内医、日本消化器病学会指導医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医など各学会の認定を受けた医師が複数所属しており、比較的早期の肝臓がんに対するラジオ波焼灼療法など、なるべく体に負担のかからない治療方法をご提案しています。

産婦人科を担う医師の慢性的な不足が問題視されているなか、2018年4月現在、当院では5名の医師が活躍しており、うち4名は日本産婦人科学会の専門医の資格を有しています。

当院は静岡県の地域周産期母子医療センターの指定も受けており、小児科、新生児科、小児外科と連携して、妊娠中の女性から出産を終えたお母さん、赤ちゃんや子どもに対して切れ目のない医療を提供しています。

整形外科では、全身を支える骨や関節、筋肉、腱などを中心に診療しています。

当院では、神経を圧迫して坐骨神経痛や腰痛を起こすこともある脊柱管狭窄症椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患、捻挫脱臼のほか膝半月板損傷といったスポーツ外傷、年を重ねるにつれ気になる方も増える変形性膝関節症外反母趾などの関節疾患、手足のしびれを伴うこともある肘部管症候群など神経疾患を中心に診療しています。また救命救急医療を手がけているため、骨折や腱損傷をはじめとする交通事故に伴う外傷も診療しています。

2017年度では整形外科全体で1,193件の手術を実施しました。

肺は、外気を取り込んだり、体内で不要になった物質を排出したりするのに欠かせない臓器です。空気中のウイルスや細菌や化学物質を取り込みやすく、また他部位の臓器に生じた異常の影響を受けやすいため、炎症、腫瘍、呼吸不全などを起こしやすい臓器でもあります。また、交通事故による外傷などの影響によってダメージを受けることもあります。

当院では、患者さんやご家族の方々に対して病気についてしっかり説明したうえで、一緒に診療方針や治療方法を決定するよう心がけています。患者さんの生活の質を落とすことのないよう、たとえば肺がんに対して胸腔鏡という器具による手術も導入するなど積極的に取り組んでいます。

2013年4月に新設した心臓血管外科では、心臓血管外科専門医認定機構が認定した専門医が中心となって診療しています。

心臓血管外科では、カテーテルを使用した治療や、人工心肺を使用しない心臓手術をした際の手術痕の縮小など、なるべく体にメスを入れない治療方法を積極的に実践しています。一部の特殊な治療方法では、関連施設と連携して対応します。

今後超高齢化社会へと進行する日本では、心臓血管外科の低侵襲治療に対するニーズはますます増加すると考えています。

沼津市立病院よりご提供

私たち沼津市立病院は、2004年4月に救命救急センターの承認を受けました。緊急度と重症度の高い患者さんを24時間体制で受け入れ治療する病院としても活躍しています。

伊豆半島など比較的遠隔地にもドクターヘリで急行して、2017年度では救急車2,746台、ドクターヘリ44台を受け入れました。

当院は2008年7月に地域医療支援病院の認定も受けています。

1病棟を地域包括ケア病棟にして、急性期を脱した方がゆっくり地域に戻るための仕組みを整え、ケアマネージャーとの連携を強化して地域とのつながりを大切にしたことで、地域完結型医療の実現を目指しています。

沼津市立病院よりご提供

沼津市立病院では三次救急、専門医療、地域医療と、それぞれ性格の異なる医療を地域に提供する病院のため、さまざまな症例を診療することができます。

当院の特長は、全国から研修医を受け入れていること、診療科の垣根が低いこと、そして研修医の自主性を重視していることです。また各診療科に指導医や専門医など専門性の高い資格を持つ医師が所属しており、どの先輩医師もみな教育熱心なため、将来やりたいことや学びたいことに対する気持ちや考え方が定まっていれば、これほど有意義な研修先はないと感じています。

救急医療も地域医療も学びたい、そして医療に対する熱い気持ちを持つ方の応募をお待ちしています。

日本全体で高齢化が進行しており、2025年問題と呼ばれる超高齢化社会到来と関連する諸問題が、徐々に現実味を帯びてきました。当院のある静岡県東部では、全国に先がけて高齢化が進行していることもあり、地域のみなさんが住み慣れた環境で自分らしく生活していただくことの意義と、医療面からのサポートの重要性を日々感じています。

私たち沼津市立病院には、救急車を受け入れたり重篤な患者さんを治療したりするだけでなく、地域包括ケアシステムの一環を担う病院としてのサポート体制も整っています。各診療科にはガイドラインに精通している医師が多数在籍しているほか、看護師や薬剤師など専門職のスタッフが協力しあって、みなさんの健康を医療面から支えています。

今後も、時代や地域のニーズと向き合い柔軟に進化することで、健康を支える存在であり続けたいと考えています。健康や医療で気になることがあれば、いつでも私たちにご相談してください。

当院の理念「市民のために ともに歩む病院」を実現するためには、地域に根ざした病院として、当院を信頼して受診してくださった患者さんとそのご家族、そして地域のみなさんに安心安全な医療を提供していただきたいです。

私たち医療従事者は、急性期、慢性期、回復期という考え方にとらわれがちです。しかし、地域に根ざした病院とは、これらの区分にとらわれることなく、病院が持つ機能をフル活用して、患者さんそれぞれに適した医療をご提供できる存在ではないでしょうか。

当院は静岡県東部の医療を支える要の病院であり、当院で働くみなさんは各分野のスペシャリストです。眼の前の患者さんの信頼を得て、地域に根ざした医療を提供するために自分には何ができるのか、考えてみてください。

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