院長インタビュー

患者・職員を心から大事にする府中病院の取り組み―大阪府和泉市の高度急性期病院

患者・職員を心から大事にする府中病院の取り組み―大阪府和泉市の高度急性期病院
竹内 一浩 先生

府中病院 院長

竹内 一浩 先生

この記事の最終更新は2017年11月16日です。

府中病院(大阪府和泉市)は高度急性期病院として、長いあいだ和泉市をはじめとした泉州地域の地域医療を担ってきました。府中病院のスローガンは「府中病院は患者を大事にする病院」「府中病院は職員を大事にする病院」です。患者さん、病院スタッフの双方を大切にしながら質の高い医療を提供し続ける府中病院の取り組みについて、院長の竹内 一浩先生にお話をうかがいました。

府中病院は、1955年に誕生し、60年以上にわたり和泉市を中心に泉州地域の高度急性期医療を担ってきました。

病床数は380床、30の診療科を標榜し、高度急性期病院、地域医療支援病院として24時間365日、あらゆる患者さんに対応できる体制を整えています。

また、泉州地域の未来の地域医療を担う人材育成も積極的に実施しています。基幹型臨床研修病院として、全国から多くの研修医を受け入れています。

当院の特徴のひとつは、充実した救急医療の提供です。月に400〜450件の救急搬送の受け入れをしており、その数は和泉市の救急搬送数の6割を占めています。

よりパフォーマンスの高い救急医療を実現するため、外傷の受け入れ体制構築、脳卒中の受け入れ体制構築、ハートコールの拡大などを行っています。

命にかかわる重症例はもちろんのこと、軽症・中等症の診療も行っています。

当院では高度専門医療の提供にも積極的です。2016年に手術ロボット「ダ・ヴィンチ」を導入し、前立腺がんのロボット手術を2016年6月からの1年間で45件実施しました。腎臓がん手術や、胃がん手術に対しても、ダ・ヴィンチ手術を行っています。

当院は大阪府がん診療拠点病院に認定されており、がん患者さんに適切ながん医療を提供するために活動しています。

外来で安全・快適に化学療法を受けることのできる化学療法室を設置しています。リクライニングチェアとベッドを用意しており、ご自身の希望するスタイルで治療を受けていただくことができます。また、液晶テレビを設置しているためテレビをみながら治療を受けることも可能です。

がん患者さんやご家族同士が集まり、交流や情報交換ができるがんサロン「ひまわりの会」やがんに関する治療や療養生活について気軽に相談できる「がん相談支援センター」、地域のかかりつけ医と連携した「地域がん診療連携クリティカルパス」の実施なども行っています。

よい医療の提供には、よい医療者の力が欠かせません。そのため、私たちは人材の育成に力を入れています。初期臨床研修医は、毎年10名を受け入れ、「みがく」「もてなす」「はぐくむ」をモットーに医療者として必要な技術や経験、考え方などをしっかりと丁寧に教えています。指導医だけで初期臨床研修医を育てるのではなく、看護師や事務職などのスタッフが全員で見守り、育てる方針です。

おかげさまで、当院を研修先として志望する学生は多く例年、定員の3倍程度の方が応募してくれています。初期臨床研修修了後も約4割が府中病院にそのまま就職をし、活躍しています。

私たちは、患者さんに最高の医療を提供するために「愛の医療と福祉の実現」「地域と職員とともに栄えるチーム」「Yu・Ki・To・Do・Ku~ゆき届いたサービス~」の理念を掲げ、長期ビジョン・中期ビジョン・年間事業計画を立案し実行しています。

全職員が同じ方向へ進むためにも情報共有は欠かせないものです。当院では、1979年から「FOCUS」という情報共有シートを毎日発行し、各部署責任者が集まる朝礼を毎朝実施することで、病院の状況を共有しています。

また、各職種の研修だけでなく、職種を横断した経営管理勉強会も開催しています。患者さん、職員の双方を大事にするよりよい病院運営のため、経営センスの向上を目指しています。

当院では、地域のかかりつけ医との連携を大切にしています。患者さんが退院後も住み慣れた地域で安心した生活ができるように地域のかかりつけ医と連携し、何かあればすぐに当院へ受診できる体制を構築しています。

西館1階の正面玄関には登録医療機関のパンフレットを設置しています。すべての医療機関を当院のスタッフが取材し、パンフレットにしたものです。このパンフレットをみれば各クリニックの特徴が一目でわかります。

また、外来に設置しているテレビに登録医療機関の情報を放映しています。

健康の維持増進、病気の予防のためには地域の皆さんに対する情報発信が重要です。府中病院では年間20〜30回の市民講座を開催しています。院内で開催することもありますし、要請があれば出張市民講座としてみなさんの地域に出向いて講座を行っています。

過去の演題は「いびきと眠気 ~睡眠時無呼吸症候群とは?~」「見逃していませんか?動悸、息切れ」「胃がんリスク検査のお話 ~がんの早期発見と予防について~」など、幅広い疾患を取り扱います。地域の皆さんに身近な症状・病気について知っていただけるよう取り組んでいます。

府中病院の新たな取り組みとして、2017年11月19日にオープンホスピタルを開催予定です。病院を地域の方に向け1日開放することにより、当院をより身近に感じていただければと考えています。AEDの使い方の講習や、医師との内視鏡体験、薬剤師の仕事体験など、お子さんからご高齢の方まで楽しめる催しを行います。

府中病院オープンホスピタル2017 チラシ

竹内 一浩先生

冒頭で述べたように、当院は長きにわたり地域の皆さんの健康を支えてきました。それは今後も変わることはありません。

当院は患者さんによりよい医療を提供するために必要な設備やスタッフを整えています。これからも、「何かあれば府中病院に行けば大丈夫」と皆さんが安心できる地域に愛される病院を目指します。

受診について相談する
「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。