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インタビュー

公開日 : 2015 年 06 月 28 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

多発性骨髄腫の治療。完治が難しい病気

多発性骨髄腫治療の目標

多発性骨髄腫は、完治させるのが極めて難しい病気です。したがって、治療の目標はできるだけ「いい状態を継続していく」こととなります。「いい状態」とはがん細胞である骨髄腫細胞を少しでも減らすことです。病気そのものは完治できなかったとしても、「症状が表に出てこない状態で質の高い生活を維持できること」がひとつのゴールになります。もしがんが進行して「末期症状」の状態になったとしても、ひとつひとつに対処していきます(末期症状については別記事参照)。

治療効果の指標

治療を続けて行くとMタンパクが減ってゆき、骨の痛みや貧血症状などが和らいできます。治療効果は血液検査や尿検査で調べることができます。

国際骨髄腫ワーキンググループ2011
完全寛解(CR) 免疫固定法で血清および尿中にMタンパクを認めない
  体に形質細胞腫を認めない
  骨髄穿刺で形質細胞5%未満
厳密な完全寛解(sCR) 完全寛解に加えて、フリーライトチェインのκ/λ比が正常
とてもよい部分寛解(VGPR) 免疫固定法ではMタンパクを認めるが、蛋白電気泳動でMタンパクを認めない
  あるいは90%以上の血清Mタンパクの減少および尿中Mタンパク<100㎎
部分寛解(PR) 血清Mタンパク50%以上減少、尿中Mタンパク90%以上減少あるいは<200㎎
  血清・尿でMタンパクが測定できない場合には、フリーライトチェインの差が50%以上減少
  骨髄穿刺で形質細胞50%以上減少(ベースラインで形質細胞30%以上の場合)
  形質細胞腫がある場合、50%以上のサイズ縮小
安定(SD) CR,PR,PDのどれにもあてはまらない
再燃あるいは進行(PD) 血清Mタンパクあるいは尿中Mタンパク最低値から25%以上の増加
  骨病変あるいは形質細胞腫の増大あるいは新たな病変の出現
  血清カルシウム値の増加

また、最近はどこまで骨髄腫細胞が少なくなっているのかについて、「微小残存病変」(残っている小さな病変)を検出するためのさまざまな検査が用いられており、新しい検査も開発されています。フローサイトメトリーという機械を使って骨髄腫細胞表面の標識を見分ける方法や、遺伝子を増幅して僅かな残存を見つける方法などが開発されています。

MGUSとは?

MGUS(臨床的意義の不明なMタンパク血症)という疾患があります。「腫瘍がなくてもMタンパクが出るが、症状を引き起こさない」状態です。これは50歳以上では約2%程度の人に見つかる比較的頻度の高いものです。ほとんどの場合、症状はなく特別な治療を必要としませんが、年間約1%の確率で多発性骨髄腫や原発性アミロイドーシスに進展することが知られています。また、一部の人では腎機能障害が出現することがあるため、定期的な蛋白尿の検査などが必要です。
多発性骨髄腫を治療していると、非常によく効いているのにMタンパクが少量残ることがあります。この場合にはMGUSに戻ったと考えてもよいかもしれません。

治療についての説明は、次の記事に続きます。

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