S414x320 12ca5d13 a098 4121 ac67 55fc2e051b66

インタビュー

公開日 : 2015 年 10 月 09 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

抗菌薬は必要か?

ありふれた軽い症状でも、抗菌薬を誤って使ってしまう─この問題に医療界は危機感を感じており、問題を以下の様に挙げています。

呼吸器感染

小児ののどの痛み・咳・鼻水の場合(米国小児科学会による)

問題点:条件によって治療は異なります。

  • 風邪、インフルエンザ、そして他の大体の呼吸器感染はウイルスによって引き起こされます。抗菌薬でウイルスを殺すことは出来ません。
  • 気管支炎はウイルス、もしくは煙草の煙といったような刺激性のある空気中の物質によって引き起こされます。
  • 連鎖球菌咽頭炎は細菌によって引き起こされます。症状としては発熱、発赤、飲み込みにくさなどがありますが、このような症状を持つ子どもであっても連鎖球菌咽頭炎と診断されないことがほとんどです。子どもに抗菌薬を飲ませる前に、連鎖球菌が検出されるかどうか検査を行うべきです。

※抗菌薬を考慮に入れるケース

  • 咳が14日間にわたり改善しない場合。
  • 連鎖球菌咽頭炎等の「細菌感染」と医師に診断された場合。

副鼻腔感染(副鼻腔炎)の場合(米国アレルギー・喘息・免疫学会による)

問題点:副鼻腔炎のほとんどはウイルス感染によって引き起こされます。鼻が詰まったような感じがしたり、鼻水が出たり、顔面痛等の症状が表れます。細菌が原因の場合でも、1週間もすれば自然に治ります。

※抗菌薬を考慮に入れるケース

  • 10日経っても良くならない場合
  • いったん良くなったが、また悪化してしまった場合
  • 高熱が出て、濃く色のついた鼻水が3日間以上続く場合

耳感染症

小児の中耳炎の場合(米国家庭医学会による)

問題点:ほとんどの耳感染症は2~3日で自然に治り、特に2歳以上の子どもは治りやすいです。市販の痛み止めを数日使うのみにとどめ、抗菌薬は使わないようにしてください。2~3日経っても症状が良くならない場合、または悪化してくる場合は医療機関を受診してください。

※抗菌薬がすぐ必要なのは

  • 生後6か月以内の乳児
  • 生後6か月から2歳の子供で、中等度から重度の耳の痛みがある場合
  • 2歳以上で症状が重篤な場合

鼓膜チューブを入れている子どもの場合(米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会による

問題点:鼓膜チューブを入れている子どもには、経口(口から飲む)抗菌薬よりも点耳液が有効です。点耳液は鼓膜チューブの中を通って中耳に入ります。中耳は最も感染の起こりやすい部位です。なお、点耳薬は耐性菌を生み出しにくいのが特徴です。

※経口抗菌薬を考慮するケース

  • とても具合が悪い
  • 他の理由で抗菌薬が必要である
  • 点耳薬でも良くならない

外耳炎の場合(米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会による)

問題点:外耳炎は外耳道(耳の穴)に水が入り込むことによって起こります。通常市販されている点耳薬は抗菌薬と同等に有効で、耐性菌を生み出しません。しかし、鼓膜に穴が開いている・もしくはチューブが挿入されている場合はまず医師の診察を受けましょう。処方箋外の点耳薬は聴覚に害を及ぼす危険があります。

※抗菌薬が必要なら

  • 外耳炎に対しては、経口抗菌薬よりも点耳薬の方がより効果的です。
  • 耳だけでなく他の部位にも感染が広がった場合や糖尿病等の疾患に罹患している場合は、合併症のリスクが高まるので経口抗菌薬を飲むことを考慮に入れてください。