S414x320 eff1830b 5587 4210 81b3 a2cf0be6c983

インタビュー

公開日 : 2016 年 03 月 29 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

運動器疾患の治療における重要な点は、臨床的触診で関節周囲の軟部組織(腱、靭帯、筋膜、脂肪など)の圧痛点(圧迫したとき、特に痛みを感じる部位)を把握することです。東洋医学と西洋医学のどちらの観点で治療方針を決めていくにしても、最初に、どの軟部組織に圧痛があるのかを解剖学的に明らかにすることが重要です。今回は、圧痛点を探すために行う臨床的触診と、膝関節の骨指標の触診についてご紹介していきたいと思います。

臨床的触診とは

「臨床的触診」とは、痛みを引き起こしている動作の原因となっている軟部組織(①表皮②真皮③皮下の脂肪層④動脈、静脈⑤リンパ⑥深部の筋膜⑦筋肉⑧筋腱移行部⑨腱⑩靭帯)を、体を直接触り解剖学的に明確にすることです。臨床的触診技術は、触診だけでなく、セラピストの徒手的治療技術を向上させることも目的としています。また、運動器疾患以外にもさまざまな疾患の異常部位の特定に有用です。臨床的触診技術にエコーを活用する際には、様々な利点と課題があります。

エコーを活用する利点

・層構造になっている軟部組織をミリレベルで確認できるため、主観により圧痛点を判断する要素が強い触診技術を可能なかぎり客観的なものにすることができる。

・最短の時間で、最大限の臨床的触診技術と徒手的治療技術の向上が見込める。

・解剖学的に軟部組織を明らかにすることは、西洋医学によるアプローチと東洋医学によるアプローチを交わらせる概念になりえる。

・治療する前と後のエコー画像を診ることで、徒手的治療や鍼灸療法の効果を視覚的に確認することができる可能性が考えられる。

エコーを活用するうえでの課題

・断面図の解剖学的知識を習得することが必須となる。

・エコーを使いこなすために技術が必要となる。

・以前に比べて安くなっているものの、エコーは容易に購入できるほどの金額ではない。

膝関節の骨指標の触診

軟部組織の臨床的触診を習得するには、骨指標の触診ができるようになることが必須です。例えば、膝関節の触診に必要な骨指標として、以下が挙げられます。

①膝蓋骨

②大腿骨内側顆

③大腿骨外側顆

④脛骨内側顆

⑤脛骨外側顆

⑥脛骨外側結節(ガーディー結節)

⑦脛骨高原

⑧大腿骨内側上顆:内側側副靭帯の付着部

⑨大腿骨外側上顆:外側側副靭帯の付着部

⑩内転筋結節:大内転筋の付着部

⑪腓骨粗面

⑫腓骨頭

⑬内側関節裂隙

⑭外側関節裂隙

⑮膝蓋大腿関節

数が多く名前も非常に難しいですが、膝を触診するということは、これらの部位をもとに痛みの部位にあたりをつけているということをわかっていただければと思います。 

運動器疾患は、臨床的触診により圧痛点を把握し治療に向かっていくことが回復へのカギであり、まだまだ課題はあるものの、そこにはエコーが多大な貢献をしているのです。