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インタビュー

公開日 : 2016 年 03 月 29 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

運動器疾患の治療においては、まず臨床的触診により「どの軟部組織に圧痛があるのか」を特定することがポイントであり、特定していく方法については以前の記事でご紹介してきました。

整形内科 理学療法・鍼灸療法( 1)

圧痛点が特定できると、いよいよ治療を行っていくのですが、疾患によって理学療法が有効であるのか、鍼灸療法が有効であるのか、もしくはその併用が有効であるのかが変わってきます。今回は、圧倒的に理学療法が有効な疾患と圧倒的に鍼灸療法が有効である疾患についてご紹介していきたいと思います。

「理学療法」が圧倒的に有効な疾患

理学療法は、障害の回復・改善を図る目的で行われます。疼痛の原因が軟部組織の表層の浅筋膜であったり、疼痛部位が広範囲もしくは複数ヵ所に出現していたり、疼痛が出現してから長い期間経っていたりする場合などは、特に理学療法が有効です。

具体例としては、変形性膝関節症、鵞足炎(がそくえん)、シンスプリントなどが挙げられます。それらの疾患では、鵞足部(縫工筋、薄筋、半腱様筋の3つの筋肉がすねに付着した部位)の圧痛だけでなく、脛骨内側から内果(内側のくるぶし)までの脛骨内側縁の下腿筋膜付着部に圧痛が出現します。

このようなケースでは、大腿筋膜、殿筋膜、下腿筋膜全体に素手で均等に圧迫刺激を加えることで、鵞足部痛や下腿筋膜の圧痛が緩和します。さらに、疼痛の再発予防、下半身の関節や骨の並びを維持する目的で、ストレッチング、テーピング、足底板(インソール)などの装具療法を行います。また、疼痛が発生する姿勢や筋力の低下があるかどうかを確認し、疼痛を発生させない動作の指導や筋力トレーニング方法などを教えると、より高い治療効果、再発予防につながります。

膝蓋下脂肪体に圧痛がある場合には、エコー画像で膝蓋腱付着部に炎症があるかどうかを確認することが重要です。膝蓋下脂肪体のみの圧痛である場合は、素手で圧迫刺激を行うことで疼痛が和らぎます。

「鍼灸療法」が圧倒的に有効な疾患

疼痛の原因が軟部組織の深層にあり圧痛部位の同定が難しい場合、想定される注射部位が多い場合、患者の疼痛閾値が低い場合、鍼を用いた方が安全・低侵襲と考えられる部位を治療する場合は、鍼治療が有効になります。骨格筋や靭帯の起始や付着部、筋腱移行部に圧痛があるならば、臨床的触診にて圧痛点を確認し、痛みの発痛源の深さを把握します。エコーで異常を見つけられた場合は、鍼治療を行います。整形外科的な検査で各関節の異常が現れた場合は、鍼治療と理学療法の併用が有効になります。

具体的な治療を進めていく上で、どの治療が有効であるかを判断するためにも、まず圧痛点を深さも含めて正確に特定することがとても重要となります。

 


この記事は南山堂「THE 整形内科」の内容を元に、一般の生活者/患者さん向けに再構成しています。

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