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インタビュー

救急にはどのような方たちが来るのか

救急にはどのような方たちが来るのか
西田 賢司 先生

東京都立多摩総合医療センター 救急・総合診療センター(ER)センター部長/総合内科部長

西田 賢司 先生

救急医療の窓口には、さまざまな状況の患者さんがやってきます。東京都立多摩総合医療センターで救急・総合診療センター長を務める西田賢司先生に、救急で実際に起こっていることや、どのような患者さんが来られるのかについてお話をうかがいました。

救急に来られる患者さんの中には、いろいろな方がおられます。以前は若い方が「熱を出した」と救急車で来ることについて、不思議に思うことがありました。しかし、あるとき気がついたのですが、若い方はどこにどのような病院があるかということをあまり知らないようなのです。

ご年配の方は、よく電話のそばに病院やタクシー会社の連絡先などを貼っていたりするのですが、若い方は普段そのようなことを考える機会があまりないからでしょう。そこでやむを得ず救急車で来るということが起こるのです。

しかし、多数の患者さんが来院するとなると、来院順に診ていると重症の方が後回しになりさらに重症化してしまうこともあるので、緊急性の高い患者さんを優先的に診療するために、トリアージという重症度判定を行っています。救急・総合診療センターでは2010年度からJTASという系統的な選別システムを導入しました。これにより、より重症の患者さんを早く診られるようにしています。

なかには夜間ではなく日中に来ていただければもっとスムーズに診療につなげられたのに、というケースもありますが、患者さんにもそれぞれ事情というものがあります。たとえば、小児科でよく聞く話として、日中にお子さんの具合が悪くなり、共働きの両親が帰宅してからそのことに気づいて夜間に病院に来るということも少なくありません。これと同様に、介護している親の具合が悪いことに気づかず、夜になって帰ってきてから気がついて連れて来るということもあります。あるいは、「仕事を休めないから日中の勤務を終えてから来ました」という方や、「土日しか来られない」という方もいらっしゃいます。ある意味、社会の縮図ともいえるのではないでしょうか。

お子さんの場合には、親御さんが心配してすぐに連れて来られることが多いのですが、ご高齢の方は自分で我慢してしまう傾向があります。ご家族が救急車を呼ぼうとしても、着替えてタクシーで病院へ行こうとする方がおられます。私の親もそうでしたからお気持ちは分かるのですが、時と場合によりますので、それこそ心筋梗塞のときにタクシーで病院に行くようなことは絶対におすすめできません。しかし、そういっても遠慮や気兼ねをしてしまう高齢の方は少なくないのです。今後高齢化が進むと、こういったことも社会的に問題となる可能性があります。

救急といっても、人的リソースなどの医療資源は無限ではありません。重症の患者さんをいかに早く診るかということがもっとも優先されます。救急で受診すべきかどうかということは、患者さん自身ではわかりにくいとは思いますが、もし可能であれば最初の段階で近くの医療機関を受診していただくことが望ましいと考えています。

夜間、急に具合が悪くなったときなどは、もちろん救急に来ていただいて構いません。しかし、自分が重症になったときに、患者さんで溢れている救急外来で、長時間順番を待つことを考えてみてください。さまざまな状況を抱えた方がいらっしゃるとはいえ、そこはお互いさまですので、うまく利用していただきたいところでもあります。

ただし、ご自分で判断するのは難しいことです。決して軽く見ないで、迷ったらまずはERに電話でご相談いただければと思います。

 

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