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全身性エリテマトーデス(SLE)の内科的治療―寛解導入療法と維持療法とは
全身性エリテマトーデス(SLE)は全身に症状が現れる自己免疫疾患であり、治療には全身的な管理が必要とされます。著しいのは皮膚症状・中枢神経症状・腎障害・消化器症状などで、皮膚科や神経内科・消化器...
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全身性エリテマトーデス(SLE)の内科的治療―寛解導入療法と維持療法とは

公開日 2016 年 02 月 02 日 | 更新日 2018 年 10 月 22 日

全身性エリテマトーデス(SLE)の内科的治療―寛解導入療法と維持療法とは
山本 一彦 先生

東京大学大学院 医学系研究科内科学専攻アレルギー・リウマチ学 教授

山本 一彦 先生

全身性エリテマトーデス(SLE)は全身に症状が現れる自己免疫疾患であり、治療には全身的な管理が必要とされます。著しいのは皮膚症状・中枢神経症状・腎障害・消化器症状などで、皮膚科や神経内科・消化器内科・リウマチ内科が共同して治療にあたることが求められます。

内科的治療には、主に寛解導入療法と維持療法の2つがあるといいます。全身性エリテマトーデス(SLE)に対する内科的治療について、東京大学医学部附属病院 アレルギー・リウマチ内科教授の山本一彦先生にお話を伺いました。

全身性エリテマトーデス(SLE)における内科的治療としての寛解導入療法と維持療法

全身性エリテマトーデス(SLE)の治療は、自己免疫が活動性のある状態の全身性エリテマトーデス(SLE)を寛解(症状が現れず、生活に支障がなくなった状態)まで持ってくる寛解導入療法と、寛解状態となってから、その状態を維持する維持療法に分けられます。

寛解導入療法

寛解導入療法も維持療法も、現在の治療の中心はステロイドです。

まずは患者さんの容態に応じて、ステロイドをどの程度の用量で使うかを決めます。ステロイドは全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんにとってなくてはならない薬ですが、その副作用も多いことは確かです。ですから、副作用が出る前になるべく早く減量することを想定し、慎重に投与量を調整していきます。また、ステロイドに加えて免疫抑制剤を用いることも多く、具体的にはサイクロホスファミドやサイクロスポリンなどが使われます。

検査時にたんぱく尿が出ていた場合は、腎炎に注意する必要があります。また、CNSループス(全身性エリテマトーデス(SLE)による中枢神経症状)や胸膜炎、心膜炎など全身に多彩な症状が現れるため、どこの臓器が侵されているかによって寛解導入療法で投与される薬の強さは異なってきます。症状が皮膚だけに限定される皮膚エリテマトーデスの場合であれば、ハイドロオキシクロロキン(詳細は記事3『全身性エリテマトーデス(SLE)の薬物療法。ハイドロオキシクロロキンの登場で何が変わるのか』)でも治ることがあります。

またSLEでは関節リウマチで使われている生物学的製剤(詳細は『生物学的製剤とは何か 関節リウマチなどに用いられる製剤』)が使えず、生物学的製剤を治療に導入できていないという課題も残っています。

維持療法

寛解導入療法ではステロイドによる治療が第一となりますが、前述のとおり寛解を維持したままステロイドを減量して、最低限の維持量まで持っていくことが長期的な目標となります。

維持量とは、全身性エリテマトーデス(SLE)の再燃(一度治まった症状がぶり返してしまうこと)が起こらないようにするギリギリの服用量のことです。再燃するとまた寛解導入に戻って治療を始めなければなりませんし、寛解導入と再燃を繰り返すと腎機能が落ちたり、中枢神経に病変が蓄積したりする可能性が高くなってしまいます。

ですから、寛解導入が落ち着いたら最低限の量までステロイドを減量し、そこを維持することが大事です。一切服用をやめることは危険なため、維持療法は続けていく必要があります。具体的には5~10ミリのステロイドが維持量として妥当な量とされています。

この5~10ミリという範囲の調整も慎重にする必要があり、10ミリだと少々副作用が出る可能性がありますが、5ミリ以下だと再燃の危険が高まるといわれます。5ミリの場合、骨粗しょう症の副作用は生じることがありますが、感染症に罹患する影響はほとんどないと考えられています。

 

東京大学医学部を卒業後、聖マリアンナ医科大学准教授、九州大学教授などを経て東京大学大学院 医学系研究科内科学専攻アレルギー・リウマチ学 教授。自己免疫疾患に対する全身管理という側面から患者を支え、多くの膠原病患者を治療してきた。現在は新しい治療法の開発にも取り組んでいる。日本を代表する自己免疫疾患専門医の一人であり、日本リウマチ学会の理事長も務める。

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