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インタビュー

転移性肝がんに対する手術治療、腹腔鏡下肝切除術

転移性肝がんに対する手術治療、腹腔鏡下肝切除術
高西 喜重郎 先生

東京都立多摩総合医療センター 外科部長、日本臨床外科学会 会員

高西 喜重郎 先生

肝臓のがんに対する手術では、肝臓で発生する原発性肝がんよりも他の臓器からの転移による転移性肝がんの占める割合が高く、全体の4分の3に当たるともいわれています。この転移性肝がんの手術について、腹腔鏡下での肝切除術で高い実績を持つ東京都立多摩総合医療センター外科部長の髙西喜重郎先生にお話をうかがいました。

転移性肝がんとは、胃がん大腸がんなど他の臓器に発生したがん細胞が血液の流れに乗って肝臓に転移したものをいいます。肝臓から発生した肝細胞がんや肝内胆管がんなどとは異なり、原発がん(別の臓器に発生した、元となるがん)と同じ性質を持っています。したがって、大腸がんからの転移による転移性肝がんには、大腸がんの抗がん剤が効くという特徴があります。

転移性肝がんでもっとも多くみられる大腸がんの肝転移の治療方針については、「大腸癌治療ガイドライン2014年版」で以下のように示されています。

●肝転移の治療には、肝切除・全身化学療法・肝動注療法および熱凝固療法がある

●根治切除可能な肝転移には肝切除が推奨される

●肝切除術には系統的切除と部分(非系統的)切除がある

大腸がんの場合、手術の効果が確立されており、まずは手術治療を検討します。これはその他の治療では治ることが難しいからです。手術できないほど大きくなっているがんに対しては、抗がん剤による術前化学療法を行います。抗がん剤でがんを小さくすることによって手術が可能になるチャンスを作れる場合があるからです。しかし、この抗がん剤治療は肝臓にダメージを与えてしまいます。そこで、転移性肝がんの手術に際しては、術前化学療法の回数は十分に考慮して、手術が可能になったらすみやかに手術を行うことが重要になります。

また、肝切除の効果が確立しているものとして、神経内分泌腫瘍からの肝転移があります。進行が比較的ゆっくりな場合には、手術によって良好な成績が期待されます。

肝切除術は基本的に部分切除で行われます。腫瘍の周りをギリギリで取るとがん細胞を取り残してしまうおそれがあるため、少し余裕を持って取るのです。肝臓の端のほうにあれば、そこだけを取ればよいのですが、肝臓の中には重要な血管が通っているため、がんが血管に接しているときには血管ごとブロックで取るような系統的切除を行います。つまり、肝臓に転移しているがんの位置や状態によって、部分切除と系統的切除を使い分けているのです。

肝炎肝硬変などの病気がない正常な肝臓であれば、全体の7割までは切除しても問題ありません。それ以上の大きな範囲で切除が必要な場合は、切り取る部分に流れる門脈(もんみゃく)と呼ばれる血管を閉塞・萎縮させます。すると残りの部分がそれを補って大きくなります。このような方法で肝臓を大きくしておいて手術するという方法があります。

手術はポートと呼ばれる小さな傷を数か所設け、そこからカメラと鉗子を腹腔内に挿入して行われます。術者はモニターに大写しにされた画面を見て操作をします。

二酸化炭素でお腹を膨らませているために肝臓からの出血は少なくなります。また、低侵襲(手術に伴う肉体的負担が少ない)であることから、肝機能が悪い患者さんにも手術を行えるチャンスがもたらされました。最大の利点は大きく必要だった手術の創をかなり小さく出来ることにあります。

 

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