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インタビュー

アメリカでの研究と帰国後に感じたこと―成島健二先生のあゆみ(2)

アメリカでの研究と帰国後に感じたこと―成島健二先生のあゆみ(2)
成島 健二 先生

東京都立多摩総合医療センター 精神神経科 部長、東京医科歯科大学 臨床教授

成島 健二 先生

東京都立多摩総合医療センター精神神経科部長の成島健二先生は、アメリカで臨床の診療だけでなく、脳梗塞後に発症するうつ病の研究をされていました。帰国されてから、東京都立多摩総合医療センターの精神科救急部長としてもっとも大切にしておられることなどを含め、記事1『アメリカでの診療経験―成島健二先生のあゆみ(1)』に引き続きお話をうかがいました。

私がアメリカで所属した研究グループでは、長年脳梗塞の後にうつ病を発症する患者さんのことを研究しておりました。当時の研究で、脳梗塞を発症したうち、なんと4割もの患者さんがうつ病になることがわかっていました。内科と精神科の臨床に両方関わっていくことは、自分のやってみたいことのひとつでしたから、内科的疾患が精神的な症状を引き起こす脳梗塞後のうつ病は、私にとって非常に魅力的なテーマでした。

実際、脳梗塞を経験すると、かなり割合の方がうつ病になります。しかしそういった事実が一般に知られていないので、治療が行われずに放置されることが多かったのです。研究の結果、適切な治療を行えば生命予後が良くなるということがわかりましたし、脳梗塞後のうつ病に対する予防が有効であることも確立されてきています。

この研究分野の今後の流れとしては、私たちのような切り口でもやり残された領域がありますし、脳神経外科や神経内科からも、興味を持った研究者たちが次々と入ってくることを期待しています。

私がこの場所で一番大切にしていることは、身体合併症と精神科救急という困難な要求に妥協することなく、「心を診る」という精神科医療の本質的な部分を守り、なおかつ総合病院の精神科らしさを失わないことです。

総合病院の精神科らしさとうはどういうことか、私自身はブレのない明確なイメージを持っているのですが、正確に表現するのはなかなか難しい仕事です。一言でいえばおそらく、チームで行う医療(看護師やソーシャルワーカーなどの他職種と一緒になって患者さんと近い目線で行う医療)ということになるでしょう。

東京都立多摩総合医療センター精神科の病棟の在り方に異論を唱える方もいらっしゃいます。例えば、「救急病院なのだから救急に徹すればいいのではないか」という声も聞こえてきます。しかし私はこの点について妥協するつもりはありません。

「総合病院の精神科らしさを伝え、残していきたい」というのが現在の自分にとっても、これからの自分にとっても、一番大切なことなのかもしれません。

 

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  • 東京都立多摩総合医療センター 精神神経科 部長、東京医科歯科大学 臨床教授

    成島 健二 先生

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