インタビュー

アトピー性皮膚炎の治療方法〜外用薬の種類と使い方〜

アトピー性皮膚炎の治療方法〜外用薬の種類と使い方〜
江藤 隆史 先生

あたご皮フ科 副院長

江藤 隆史 先生

この記事の最終更新は2016年03月09日です。

「記事3:アトピー性皮膚炎の治療方法 スキンケア」では正しいスキンケア方法について東京逓信病院 副院長の江藤隆史先生にお話し頂きました。ここでは引き続き、アトピー性皮膚炎治療の3本柱のひとつである薬物療法についてお伺いしました。

また、かゆみを抑えるために抗ヒスタミン薬や、抗アレルギー薬の内服を行うこともあります。内服治療はアトピー性皮膚炎の根本治療ではありませんが、「掻いて皮膚のバリア機能を低下させない・さらに皮膚炎を悪化させない」ためにはとても重要な治療法でもあります。

ステロイド外用薬については誤解も多く、一時期「ステロイドは重大な副作用がありリバウンド症状もひどいから怖い」という理由で「ステロイドを怖がって使わない」「ステロイドを使ってもほんの少量しか使わない」という患者さんが増えてしまいました。これにより、治療が不十分なままの患者さんが増え、さらに症状が悪化する患者さんも多く見受けられました。そこで皮膚科学会ではこのような状況に対応するため、2000年に「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」を発表し、標準的な治療の普及に努めています。

タクロリムス水和物軟膏は特に、顔や首など皮膚が薄い部位の症状に使用する薬剤です。リンパ腫や皮膚がんの原因になるなどの情報が飛び交い患者さんが混乱したことがありますが、医師の指導のもと適切な使い方をすればそのようなことは起こらないので、安心して使用してください。

塗る量の目安は、「Finger Tip Unit(FTU):フィンガーチップユニット」です。これは、成人の人差し指の先から第1関節部まで外用薬をのせた量のことをいいます。1FTUは約0.5gです。ローションの場合には、1円玉の大きさが1FTUになります。この量を成人の手のひら2枚分の面積に塗ることが基本であり、実際に塗ってみるとかなりべとべととした塗り方になります。

塗るときは外用薬を皮膚にすり込まず「のせる」ように塗り、やさしく手のひらで広げます。ティッシュがくっつく位のべとつきが基本です。

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