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インタビュー

公開日 : 2016 年 05 月 16 日
更新日 : 2016 年 05 月 19 日

京都府立医科大学のがん治療 「がん征圧センター」

「がん」は日本人の死因トップです。いまや2人に1人ががんになるといわれています。がんを予防することはもちろん大切ですが、罹ってしまったときにどういったケアを受けられるかということはとても重要です。京都府立医科大学のがん治療への取り組みについて同大学学長の吉川敏一先生にお話を伺いました。

 「がん」に対する緩和ケアとは

がんに罹った患者さんに必要なのは身体的な意味での治療だけではありません。

患者さんはがんによる疼痛(強い痛み)、倦怠感などの症状、治療に伴う副作用や予後(病気そのもの、または治療後の経過)、またステージによっては家族や周囲の人との関わり、治癒後の社会復帰への不安など肉体的にも精神的にも大きな負担を抱えています。

痛みや不快感などの身体的症状だけでなく、精神的不安なども含めたすべての愁訴(身体的な不具合や不安を訴えること)を和らげ軽減することが「緩和医療」の目的です。

京都府立医科大学の取り組みー緩和ケアの啓蒙と実践

京都府立医科大学では平成10年から「京都府立医科大学緩和医療研究会」を発足し、緩和ケアの啓蒙と実践を行ってきました。その活動をベースに本学の中央部門のひとつとして「疼痛緩和医療部」を設置。平成20年には緩和ケア教育の充実を図るために「京都府立医科大学疼痛緩和医療学講座」を開講しました。そして翌平成21年に『愛と思いやり』をモットーとした「緩和ケア外来」を開設し、がんの患者さんに対し身体的なケアだけでなく精神面も含めた全人的ケアを行っています。

京都府立医科大学は平成18年8月、「都道府県がん診療連携拠点病院」の指定病院になりました。これは医療の地域格差をなくし、全国どこでも高い水準のがん治療を受けられる体制をつくるため、平成18年に厚生労働省によって制度化されたものです。

「都道府県がん診療連携拠点病院」と「地域がん診療連携拠点病院」とがあり、都道府県がん診療連携拠点病院の役割として大きく以下の4点が挙げられます。

1 専門的ながん医療の提供

外科療法(手術)、放射線療法、化学療法などを効果的に組み合わせた集学的治療の提供

2 がん医療を支える人材の育成

がん医療に携わる医師、看護師等に対する研修の実施

3 がん医療の情報提供

がん相談支援センターの設置、がん医療に関する情報提供及び院内がん登録の実施

4 都道府県がん診療連携協議会の設置

専門医師らによる「緩和ケア外来」チーム

京都府立医科大学の「緩和ケア外来」では、がんの克服のために最新の知識、技術また機器を使って手術、化学療法、放射線治療等を行っています。

痛みの緩和を目的とするペインクリニック専門の医師、不眠・不安やうつなどの精神的症状をケアする精神科医、疼痛症状緩和のための放射線治療を行う放射線科医師、緩和ケアについての専門的知識を持つホスピスケア認定看護師、がん性疼痛看護認定看護師(がんによる痛みの総合的評価や個別ケア、薬剤による疼痛緩和を行える専門的知識を持つという認定を受けた看護師)、服薬指導を行う薬剤師などがチームとなり患者さんの治療・相談にあたっています。

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