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インタビュー

公開日 : 2016 年 07 月 11 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

腎移植の手術方法と術後の拒絶反応について-東京女子医科大学病院における生着率と生存率

東京女子医科大学病院 病院長/東京女子医科大学病院 泌尿器科 主任教授
田邉 一成先生

糖尿病や慢性腎炎などにより腎臓の機能が著しく低下してしまったとき、「腎移植」がひとつの選択肢となります。数多くの腎移植手術のご経験を持つ東京女子医科大学病院・病院長の田邉一成先生は、2016年現在、腎移植後の拒絶反応やドナーが負うリスクは各段に減少し、腎臓の生着率は大きく向上したとおっしゃいます。本記事では、腎移植手術の具体的な方法や手術時間、費用やリスクについて、田邉先生にお話しいただきました。

腎移植とは? 末期の腎臓病の唯一の根治的治療法

末期の賢不全の治療法には、血液透析、CAPD(腹膜透析)そして、腎臓移植(以下、「腎移植」)の3つがあります。  

腎移植とは、病気により機能しなくなった腎臓を、手術により健康な腎臓ととりかえる治療法です。

提供される腎臓には、ご家族などから提供されるケースが多い「生体腎」と、ドナーとなる意思を示して亡くなられた方から提供される「献腎」の二種類があります。

腎移植は、現時点では末期の腎臓病(腎不全)に対する「唯一の根治療法」といえる治療法です。

腎移植の手術方法-本来の腎臓の位置より下部に移植するメリット

腎移植の手術では、移植する側の下腹部に約15cmの切開を加え、本来腎臓が位置する場所よりも下部に、提供された腎臓を移植します。本来の位置よりも下部に腎臓を移植する理由は、手術をより簡単かつ安全に行うことができ、さらに腎臓と膀胱を繋ぐ尿管も短く済ませられるためです。

腎移植手術

これは、約60年前に世界で初めて腎移植に成功したジョセフ・マレー氏が考案した方法でもあります。当時は医療レベルも当然ながら今ほど高くはなく、移植した腎臓が体内で破裂を起こして大出血することもありました。

もしもこのようなことが起こったとき、本来位置する上腹部に腎臓を移植してしまっていると、処置が間に合わず手遅れになる危険もあります。しかし、下腹部に移植していれば、皮膚の上から腎臓をおさえつつ手術室に向かうことも可能ですし、開腹すればすぐに腎臓があるため生命を救う処置を迅速に行うこともできるのです。

現在は、移植した腎臓が腫れたり出血を起こすようなことはありませんが、このような背景と膀胱との近さというメリットなどがあるため、創部の位置や腎臓を移植する位置には工夫がなされているのです。

また、機能しなくなってしまった自己腎は、原則としてそのまま体内に残します。

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