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公開日 : 2016 年 08 月 02 日
更新日 : 2017 年 07 月 12 日

前立腺がんとは?原因・検査・診断・ステージごとの治療とPSA検診

前立腺がんの治療

限局性がんの低リスク群の治療

限局性がんの低リスク群には、PSA監視療法のほか手術療法・放射線療法・ホルモン療法など、さまざまな治療のオプションがあります。

限局性がんの中間・高リスク群の治療

限局性がんの中間リスク群および高リスク群に対しては、手術療法と放射線療法が中心です。ただし、放射線療法を行う場合、放射線療法単独よりもホルモン療法を併用したほうが生化学的再発率や遠隔転移発症率が低いとされています。これらのリスク群の患者さんにおいては各治療を組み合わせることも必要です。

局所進行がん・転移したがんの治療

局所進行がんでは今のところ放射線療法とホルモン療法の併用療法が標準的な治療法とされています。しかし、症例によっては局所進行がんでも手術療法が選択肢のひとつとなりえます。

骨盤内のリンパ節への転移がみられる症例では、単独の治療手段では進行を抑えることが難しく、複数の治療法を組み合わせた集学的治療が必要です。

他臓器への遠隔転移がある場合は、ホルモン治療が標準的な初期治療となります。前立腺がんの進行はアンドロゲンという男性ホルモンの影響を受けています。ホルモン療法は精巣や副腎からのアンドロゲンの分泌を抑え、その働きを妨げることによって、前立腺がんの増殖を抑える治療法です。

前立腺がんの早期発見のためのPSA検診

前立腺がんは、早期に発見できれば十分に治療ができるがんです。そのため、早期発見・治療が肝要です。

前立腺がんの検査として用いられるPSA検査は、前立腺がんの検診のひとつとして多くの自治体で50歳以上の方を対象に実施されています。しかし、50歳未満の時点でのPSAの基礎値が将来の前立腺がん発症リスクの予測因子となることが報告されており、検査を希望される方が人間ドックなどで40歳代のうちにPSA検診を受診することが望ましいでしょう。

一般的に多くの検診で用いられるPSAの基準値は、4.0 ng/mL 以下が正常とされています。

年齢階層別PSA基準値として

50~64歳:0.0~3.0 ng/mL

65~69歳:0.0~3.5 ng/mL

70歳以上:0.0~4.0 ng/mL

とする検診も行われています。

PSA検診の有効性と今後の課題

日本では前立腺がんを早期のうちに見つけるためにPSA検診を実施してきました。横須賀市でも2001年からPSA検診を導入しており、現在も多くの自治体でPSA検診を含む前立腺がん検診を行っています。

横須賀市におけるPSA検診の意義を検証するため、市の PSA 検診を受けたことから前立腺がんと診断された患者さんと、それ以外をきっかけに診断された患者さんの 2 群を比較した研究が行われました。その結果、統計学的に明らかな有意差があったことが報告されています。このことから、横須賀市ではPSA検診が前立腺がん死亡率の低下に役立っているといえます。

しかしながら、検診の受診率が10%に満たないという問題があり、本当の意味でのPSA検診の有効性はまだわからないという面もあります。また、治療の対象とならない方がPSA検査によって見つかってしまい、不必要な治療につながる可能性も否定できません。

前立腺がんとして治療の対象とすべき方たちなのか、それとも治療しなくても余命に対して問題がない方たちなのか、それは現在私たちが持っている手段では100%診断することができません。その点が前立腺がん診療の難しいところでもあります。

しかし、PSA検診の結果、早期がんだけではなく、がんが進行してしまった状態で見つかる方が相当数いることも事実です。そういった患者さんたちをどのように救済していくかということが、実は一番問題なのです。

ですから、PSA検診のあり方や有効性については議論のわかれるところがありますが、泌尿器科学会としてはPSA検診を推進する立場をとっていますし、私自身もそうすべきであると考えています。

私たち泌尿器科医としては、前立腺がんが進行した状態で寿命が短くなってしまうということをなんとか食い止めたいと考えています。今はよい治療薬も出てきていますし、手術の適応にならない患者さんに対しても、さまざまな治療法をうまく組み合わせることで治療効果を上げることができるようになりました。

しかし、できることならば、かなり進行してしまった超高リスクの状態でがんが見つかる患者さんをその前の段階で見つけ、なんとかしてそこで食い止めたいという思いがあります。それがこれからの前立腺がん診療の課題であり、検診をどのように役立てていくのかという意味でも重要なポイントであると考えています。

 

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