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脳腫瘍の放射線治療について

脳腫瘍の放射線治療について
周藤 高 先生

横浜労災病院 副院長・脳定位放射線治療センター長

周藤 高 先生

目次
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この記事の最終更新は2016年10月16日です。

脳腫瘍の治療法として代表的な放射線治療。その放射線治療において、ある装置によって革新が起きようとしています。それが、定位放射線治療装置「ノバリス」です。今回はノバリスによる脳腫瘍治療の特徴について、横浜労災病院脳定位放射線治療センター長兼脳神経外科部長の周藤(しゅうとう)(たかし)先生に解説していただきました。

脳腫瘍の代表的な治療法である放射線治療において、近年各病院で導入されている装置が定位放射線治療装置「ノバリス」です。

良性・悪性ともにノバリスに適している脳腫瘍は、3cmを超える比較的大きな脳腫瘍です。放射線治療装置でもっともメジャーなガンマナイフでも3cmを超える腫瘍の治療は可能ですが、ガンマナイフは本来比較的小さな腫瘍が適しています。一方、ノバリスは分割照射が容易にできるため比較的大きな腫瘍の治療に向いています。

ガンマナイフによる脳腫瘍の治療については、『ガンマナイフの適応疾患と治療方針』をご覧ください。

ノバリスは、視神経や脳幹など重要な神経組織に接している脳腫瘍の治療にも最適です。周辺組織に多大な影響を及ぼさない、少ない線量での分割照射が可能なためです。

当院では視神経近くの髄膜腫に対しては、1回につき1.8Gyで30回に分割して照射することがよくあります。これは重要な機能をつかさどる視神経の安全性を重視した照射法です。本法による合併症が生じたことは今のところありません。従来では慎重に治療する必要のあった重要な神経付近の脳腫瘍もより安全に治療できます。

このように大きな脳腫瘍や重要な神経に接する脳腫瘍にも安全で高い治療効果を実現できるノバリスですが、一方でノバリスよりもガンマナイフのほうが適している脳腫瘍もあります。

転移性脳腫瘍では、数個〜数十個単位で同時多発的に発生する多発性脳腫瘍が起こる場合があります。人によっては20〜30個できることもあります。ノバリスは1回につき最大2〜3個程度の治療が現実的には限界ですが、ガンマナイフは1回につき10個程度の脳腫瘍を容易に治療できます。そのため、多発性脳腫瘍の治療ではガンマナイフのほうが適しているといえます。

ノバリスが比較的大きな脳腫瘍の治療を得意とする一方、ガンマナイフは数mm程度の小さな脳腫瘍の治療を得意とします。それは両者の照射精度に違いがあるからです。

ノバリスも精度の高い定位放射線治療装置ですが、精度においてはガンマナイフに一歩譲ります。その違いは頭部固定の方法の差です。ノバリスは顔面から頭部にマスクを被せるマスク固定、ガンマナイフは局所麻酔下に、専用フレームを頭蓋骨にピンで留めるピン固定です。ピン固定のほうがより強固に頭部を固定できるため頭部が動く心配がなく、照射時のズレがほとんどありません。そのため、ガンマナイフのほうがより確実に小さな病変に照射することが可能なのです。

当院では、通常の汎用機による放射線治療とノバリスによる治療、ガンマナイフによる治療という3つの放射線治療の選択肢を用意しています。2016年10月から脳定位放射線治療センターが設置され、脳腫瘍をはじめとした頭蓋内病変に対する放射線治療の更なる充実を図っています。2016年10月現在、ノバリスとガンマナイフの双方を有している病院は、当院を含めて全国で3施設しかありません。このように当院では患者さんの脳腫瘍に適した放射線治療装置の選択が可能です。

たとえば数mm単位の小さな腫瘍はガンマナイフで一括照射、数cm程度の大きな腫瘍はノバリスで分割照射、というふうに使用する装置を変えながら、より治療効果が高く、患者さんに負担の少ない治療をすることが可能です。

私は今までガンマナイフによって数多くの脳腫瘍の患者さんの治療を行ってきましたが、ノバリスの導入によって治療の選択肢が大きく広がりました。これからもより多くの患者さんがノバリスのメリットを享受できるよう、ノバリスが適応可能な脳腫瘍にはノバリスでの治療を積極的に行っていきたいと考えています。

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