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日本医療の国際化−国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)の挑戦①

  • #細菌・寄生虫・ウイルスの感染症
  • #人間ドック
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  • 公開日:2017/02/16
  • 更新日:2017/02/16
日本医療の国際化−国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)の挑戦①

東京都新宿区に位置する国立国際医療研究センター病院は日本に6つしかない国立高度専門医療センターの1つです。感染症や糖尿病・代謝性疾患の診療や研究を国の中心となって行う他、国籍を問わず多種多様な患者さんを受け入れ、診察しています。

今回は、国立国際医療研究センター病院で行われている幅広いとりくみの中から、医療の国際化に向けた動きや、リニューアルしたばかりの人間ドックについて院長の大西真先生に伺いました。

国立国際医療研究センター病院とは

起源は陸軍のための病院

国立国際医療研究センター病院は、兵隊假病院として1868年に創立しました。もともとは明治維新の時代に、官軍の負傷兵を手当てする陸軍の病院として発足しました。東京医療センターは海軍の病院を起源としていますので、成り立ちはよく似ています。

また、国立国際医療研究センター病院は文豪の森鴎外が勤務していたことでも知られています。それを記念し、今でも展示室には森鴎外が使用した机などの備品を展示しています。

創立後は、東京陸軍病院(1881年)、東京第一衛戍病院(1906年)、東京第一陸軍病院(1936年)と、形態や名称をさまざまに変えながら運営してきましたが、1945年に国立病院として国立東京第一病院という名称でスタートしました。国立病院となった後も、国立病院医療センター(1974年)、国立国際医療センター戸山病院(2008年)と名称が変わっています。2015年から新たに国立研究開発法人となり、今後は研究の分野でもさらなる飛躍を志していくつもりです。

日本で唯一の総合医療を展開するナショナルセンター

日本には、国立高度専門医療センター(通称:ナショナルセンター)が6つあります。国立がん研究センター(がん専門)、国立循環器病研究センター(循環器専門)、国立精神・神経医療研究センター(精神神経専門)、国立成育医療研究センター(小児専門)、国立長寿医療研究センター(高齢者専門)、そして唯一の総合病院である国立国際医療研究センター病院です。

それぞれ、国民の健康に重大な影響を与えうる疾患等について、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことを目的としており、がんや小児など、それぞれ専門分野が分かれています。

しかしナショナルセンターのうち当院のみ、総合医療を基盤とした病院になっています。幅広い高度の総合医療を基盤として、感染症や糖尿病・代謝疾患などのミッションを実践することが国立国際医療研究センター病院の大きな特色のひとつだと考えています。

感染症の研究−国立国際医療研究センター病院のミッションの1つ

感染症

国立国際医療研究センター病院は、感染症の診療と研究を大きなミッションの1つとして位置付けています。最近エボラ熱が大きく取り上げられましたが、MERSやデング熱などの感染症が流行すると当院に搬送されます。

世界各国への渡航が身近になり始めている今、日本でも国際的な感染症への対応策をしっかりと行い、みなさまに安心して過ごしていただくことが非常に重要だと考えています。

外国人にも質の良い医療を−言葉の壁を取り除く

外国人と医者

国立国際医療研究センター病院では、外国人も安心して受けられる医療を心がけ、その名の通り国際化に力を入れています。その第一歩が「言語」の壁を取り払うことです。

現在すでに様々な外国語を習得している職員が活躍しています。しかし、実際に来院する外国人が、英語など、日本でメジャーな言語を話すとは限りません。実際診療を受ける方には中国人が多く、またモンゴル語やベトナム語などの言語を話す方がやって来ることも珍しくありません。しかし、全ての言語に対応できるスタッフを配備、常駐させることはなかなかできません。そのため対面通訳や電話通訳以外に自動音声翻訳機の導入なども検討しています。

外国人にも人気−国立国際医療研究センター病院の人間ドックとは

人間ドック

国立国際医療研究センター病院は聖路加国際病院より二ヶ月早くそして日本で初めて人間ドックを行なった病院です。2016年5月、大々的にリニューアル致しました。

国立国際医療研究センター病院では、最先端の検査機器を導入し、総合病院の特性を生かし、結果に応じたアフターケアまできちんと受け持つことを信条にしています。

もともと外国人を診ることの多い病院である特性上、最近外国人の検査希望者も増加しています。とりわけ中国人には人間ドックのオプションのひとつであるPET(=「ポジトロン」と呼ばれる放射性薬剤を体内に入れ、広がり方や集積について画像化して病期診断する検査)が人気です。

日本の人間ドックは海外の方にも定評があり、希望する方が多いのですが、外国人希望者の受け入れができない病院がほとんどです。

国立国際医療研究センター病院では日帰り・宿泊ドック基本コース(23項目)と、既往症や家族歴などリスクの高さに応じてオプションコース(20項目)を追加することが可能です。

このように、外国人にも積極的に門戸を開いていると同時に、各分野の専門医が最新の検査を行い、検査結果によってはより詳しい検査や治療につなげることが可能な国立国際医療研究センター病院は、大変貴重な存在といえるでしょう。

 

大西 真

大西 真先生

国立国際医療研究センター病院 院長

1980年より内科医師としてキャリアをはじめる。消化器病、肝臓病の診療と研究に従事する。東京大学医学部附属病院では、約13年間、病院執行部の一員として病院改革に取り組む。2014年からは国立国際医療研究センター病院で、副院長、ついで院長として、病院のさらなる改革に取り組んでいる。

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