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食物アレルギーとは? 反応の原因・症状の種類・検査方法をまとめて紹介
日本で食物アレルギーは、乳児で約10%、3歳児で5%、学童以降で1.3~4.5%が発症していると報告されており※1、小さなお子さんで有症率が高い病態です。お子さんが食べ物を食べたときの反応から、...
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食物アレルギーとは? 反応の原因・症状の種類・検査方法をまとめて紹介

公開日 2016 年 12 月 20 日 | 更新日 2018 年 09 月 20 日

食物アレルギーとは? 反応の原因・症状の種類・検査方法をまとめて紹介
奥 典宏  先生

十日市場こどもクリニック 院長

奥 典宏 先生

日本で食物アレルギーは、乳児で約10%、3歳児で5%、学童以降で1.3~4.5%が発症していると報告されており※1、小さなお子さんで有症率が高い病態です。お子さんが食べ物を食べたときの反応から、食物アレルギーを心配される方もいらっしゃると思いますが、食物アレルギーとはどのような原因によって引き起こされ、どのような症状が現れるのでしょうか。「アレルギー外来」を設立し、食物アレルギーの診療に力を入れている十日市場こどもクリニックの奥典宏院長に食物アレルギーの基礎知識を解説いただきました。

※1 食物アレルギーの診療の手引き2014より(http://foodallergy.jp/manual2014.pdf

この記事で書かれていること

  • 食物アレルギーとは、食物によりアレルギー反応を起こすこと
  • 多くの場合、食物アレルギーの原因を食べてから2時間以内に症状が現れる
  • 呼吸器症状・ショック症状があるときは要注意
  • 食物アレルギーの診断・検査について

食物アレルギーとは

「食物アレルギー」という言葉を知っている方は多いと思いますが、それがどのようなものであるかを具体的に説明できる方は少ないかもしれません。そもそもアレルギーと食物アレルギーとはどのようなものなのでしょうか。

簡単に説明すると次のようになります。

アレルギー

本来体を守るべき仕組み(免疫)が必要以上に働き不利益を起こすこと

食物アレルギー

食物によりアレルギー反応を起こすこと

食物アレルギーといっても、アレルギー反応が起きるきっかけは「食べる」という行為だけにあるわけではありません。例えば手で生卵を触ったらその部分が腫れた、そば粉を吸い込んだら咳が出て止まらなくなったなど、食物を触ったり、吸い込んだりするだけでも症状があらわれることがあります。

アレルギーの原因となる食品

食物アレルギーを持つ方は、日常生活においてアレルギーの原因となる食べ物に気を付けなくてはなりません。そこで、食物アレルギーをもつ患者さんの健康を守るために、消費者庁では容器包装された加工食品へ食物アレルギーとなる原材料の表示を義務づけています。

アレルギー表示には「表示義務」「任意表示」の2つがあります。

【表示義務】食品過去のデータから、多くの方が発症して、重症になりやすいと判断したもの

【任意表示】表示義務の食品と比べると発症する方も少なく重症になりくいが一定数の患者さんがアレルギーを起こすもの

消費者庁が定めるアレルギー表示ー特定原材料等の名称

表示義務

卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに

表示を推奨(任意表示)

いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、やまいも、カシューナッツ、もも、ごま、さば、さけ、いか、鶏肉、りんご、まつたけ、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉

消費者庁 アレルギー表示に関する情報より(http://www.caa.go.jp/foods/index8.html)※特定原材料等の名称は、平成23~24年全国実態調査における発症数の多い順に記載しています

食品の種類だけではなく「食品を買うときのシチュエーション」も重要

記載の義務はあくまでも「容器包装された加工食品」に対してですので、例えば屋台、レストランで提供される食品については、この表示の義務・推奨は適応されません。食品が提供されているシーンによっては、原材料を慎重に確認することが必要でしょう。

食物アレルギーの症状と注意点

食物アレルギーの5つの症状

食物アレルギーの特徴となる症状は大きく5つに分けられます。

食物アレルギーの5つの症状

皮膚症状

アレルギーの原因となるものを食べてしばらく経ってから口の周りが紅くなり、次第に顔や体の方に広がっていきます。じんましんのような症状や、皮膚の赤みがみられます。食物アレルギーの症状の中で最も頻度が多い症状です。

粘膜症状

アレルギーの原因となるものを食べてすぐに口の中がかゆくなり、のどがイガイガしてくることがあります。鼻水が出てくることもあります。

消化器症状

アレルギーの原因となるものを食べてしばらくしておなかが痛くなる、嘔吐する、下痢をする、といった症状がみられます。消化器症状は、何度も何度も吐くなどの重症なケースでなければ命に関わる可能性は低いといえます。

呼吸器症状

アレルギーの原因となるものを食べたあと、咳が出て止まらなくなることがあります。症状が進むと苦しくてゼーゼーすることもあります。これは気管支が狭くなり、喘息と同様の症状が出ている状態です。

また、声がかすれてゼーゼーすることもあります。この場合はのどが狭くなっており、クループ症候群(喉頭という声を出す部位周辺が炎症のために腫れる病気)と同様の症状が出ています。

ショック症状

体が赤くなり、かなりつらい症状が出ているはずなのに、ぐったりして動かない状態です。このような場合、血圧が落ちている場合があるので要注意です。血圧が落ちると頭に十分な血液、特に酸素が行き渡らないため非常に危険です。

呼吸器症状、ショック症状は要注意

皮膚症状や粘膜症状はそれ自体で命に関わる可能性は低いですが、呼吸器症状、ショック症状がみられる場合には非常に危険な状態です。「ゼーゼー、ぐったりは要注意」という形で覚えておくとよいでしょう。

ちなみにこれら一つ一つの症状だけが出るわけではなく、2つ以上の症状が同時に、もしくは立て続けに出てくる場合も決して珍しくありません。

2時間以内に症状が出現

多くの場合は食物アレルギーの原因になる食品を食べてから2時間以内に症状が出現します。体調が悪いときや疲れているときには比較的食物アレルギーの症状が出やすくなるので、そのような場合は普段以上に注意が必要です。 

アレルギーのせいで「頭痛」や「熱」の症状が出ることはほとんどない

よく患者さんや保護者の方から「食物アレルギーで頭痛は出ますか?熱は出ますか?」と質問されることがあります。しかし、アレルギー反応のメカニズムから考えると、アレルギーのせいで頭痛や熱といった症状が出ることはほとんどみられないと考えてよいでしょう。ただし、風邪のひき始めで調子が悪いときに食物アレルギーの症状が出てしまい、その後から熱が出たという患者さんを診察したことがあります。

食物アレルギーの診断・検査

先述のとおり食物アレルギーには様々な症状がありますが、実際にどのような症状がでるかは患者さんによって異なります。そのため、どのような反応が出てしまうのか事前に正しく確認しておくことが大切です。

では、食物アレルギーを正しく診断するためには、どのような検査が必要なのでしょうか。下記に食物アレルギーを診断するための方法を5つ紹介します。

1.問診

問診

問診とは、診察室で患者さんから症状などを伺うことです。これが食物アレルギーの判断において最も大事なことです。

問診では、患者さんが食物アレルギーと思われる症状を感じたときの話をしっかり伺います。食物アレルギーの問診にはいくつかポイントがあります。

・「何」を食べたか

・「どのくらいの量」食べたか

・「どのくらいの時間」で症状があらわれたか

・「どんな症状」があらわれたか

・「過去」に同様の症状が出たことがあるか

上記のポイントをしっかりと確認しながら原因の食物を推測します。

アレルギー専門医はまずこのような「患者さんに起こった症状(病歴)」から食物アレルギーの診断をします。そしてこの問診による診断を受けて、以下の2~5の検査等を行っていきます。

2.血液検査

血液検査

患者さんの血液を調べることで、アレルギーの判断に役立ちます。

血液中にはアレルギー反応を起こさせる「免疫グロブリン(IgE)」という物質があります。このIgEの数値が高いほど「アレルギー体質である」といえるでしょう。このIgEには、卵白専用のIgE、牛乳専用のIgEなど、いろいろなタイプが存在します。血液検査では全タイプのIgE量と、それぞれのタイプのアレルギーのIgEを特定します。

◎IgEが高い=アレルギー反応を起こすではない

IgEはアレルギー反応が起きるかどうかの指標にはなりますが、実際にIgEが高いからといって、本当に患者さんがアレルギー反応を起こすかどうかはわかりません。

例えば、IgEが「クラス1」という低い値でも症状が出る人は多数いますし、逆に「クラス6」であっても症状が出なかった患者さんもいらっしゃいます。

症状が出るかどうかはIgEの高さだけではなく、食品への火の通り具合や、患者さんの体調などいろいろな要素が絡んできます。IgEはあくまでもアレルギーを判断するためのひとつの目安と捉えましょう。

3.皮膚テスト(プリックテスト)

人の肌

皮膚テストとは、皮膚に食べ物のエキスを垂らし反応を見ることで、アレルギーの判断をする方法です。食べ物のエキスを皮膚にのせた後、その上を専用の浅く皮膚に刺さる針で突っついて皮膚に食べ物のエキスを少ししみこませます。15~30分後に症状を判定し、その部分が腫れていれば陽性、腫れていなければ陰性と判断します。

4.食物除去試験

卵・小麦・牛乳

食物除去試験は、アレルギーの原因だと疑う食品の摂取を控えてもらう方法です。何かを食べると赤くなる、ないし皮膚が荒れた場合などに実施します。

この方法から症状が明らかに改善する場合は、その食べ物が原因だったと判断できる場合があります。ただし、卵や牛乳、小麦などを中止するのは患者さん自身や、ご家族の方に大きな負担がかかります。当院では2週間程度の中止としていますが、期間を設定していない場合はさらに大きな負担となってきます。そのような負担が生じるデメリットと、しっかり診断をつけられる可能性があるというメリットはどちらが大きいかを考慮したうえで検査に臨むとよいでしょう。

5.経口食物負荷試験

経口食物負荷試験

これまで紹介した検査の結果によって、症状の度合いをある程度予測できればよいのですが、現時点では決め手となる検査法がありません。そこでより正確な診断をしたい場合に行われるのが「経口食物負荷試験」です。

経口食物負荷試験とは、食物アレルギーの原因として疑わしい食べ物を実際に食べてもらい、食べたあと体の症状の変化を観察することで食物アレルギーの診断をする方法です。この査を実施することで実際に食品を「食べた時」の症状や、反応の程度を確認することができます。ただし、経口食物負荷試験では、重症のアレルギー反応が出現する可能性があります。よってあらかじめ主治医と保護者の間で文書による十分な説明と同意のもと、緊急対応が可能な体制を整えて行う必要があります。

現在、これらの5つの検査法から食物アレルギーを判断していきますが、将来的にはもっと簡便に、正確な結果を予測できる検査・目安ができることが望まれています。現状の検査法で正しい食物アレルギーの診断をつけるためには、アレルギー専門家の知識と経験による適切な判断が重要です。食物アレルギーでお困りの場合には、専門性の高い医師のもとを受診し、診断や治療を進めていきましょう。

食物アレルギーの治療法についてはこちらをご参照ください。記事2「食物アレルギーの体質改善は可能? 食物アレルギーの治療法「経口免疫療法」とは
 

食物アレルギー(奥 典弘先生)の連載記事

「食物アレルギー」についての相談が9件あります

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