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食物アレルギーの体質改善は可能? 食物アレルギーの治療法「経口免疫療法」とは
食物アレルギーは近年研究が進み治療の方針が定まってきています。そのような状況のなか、食物アレルギーの治療法として「経口免疫療法」が注目されるようになってきました。経口免疫療法とはどのような治療法...
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食物アレルギーの体質改善は可能? 食物アレルギーの治療法「経口免疫療法」とは

公開日 2016 年 12 月 20 日 | 更新日 2017 年 10 月 18 日

食物アレルギーの体質改善は可能? 食物アレルギーの治療法「経口免疫療法」とは
奥 典宏  先生

十日市場こどもクリニック 院長

奥 典宏 先生

食物アレルギーは近年研究が進み治療の方針が定まってきています。そのような状況のなか、食物アレルギーの治療法として「経口免疫療法」が注目されるようになってきました。経口免疫療法とはどのような治療法なのでしょうか。記事1で食物アレルギーについて解説いただいた十日市場こどもクリニックの奥典宏院長に、経口免疫療法について解説いただきました。

*食物アレルギーについてはこちらをご参照ください。

記事1「食物アレルギーとは? 反応の原因・症状の種類・検査方法をまとめて紹介

アレルギー疾患治療の難しさ

食物アレルギーの負担

食物アレルギーとは、食品を食べる・触る・吸い込むことによってアレルギー反応をおこしてしまうことです。食物アレルギーを持っていると、食べたいものが食べられない、日常生活で食べる物が制限されるといった負担が生じ、患者さんご本人やそのご家族、そして学校や保育園といった就学施設でもアレルギーを起こさないための配慮が必要となります。

食物アレルギーの治療法

食物アレルギーの診断や、症状が出たときの対処法にはいくつかの方法がありますが、根本的な治療法はまだ確立されていません。食物アレルギーの原因についても、今のところわかっていない部分が多くあります。そのため、これまで食物アレルギーの患者さんには、アレルギーの引き金となる食品の摂取を控えるように指導するのが一般的でした。

しかし2007年秋に神奈川県立こども医療センターアレルギー科で重症の卵アレルギー患者に対し、日本初の急速経口免疫療法が施行され成功を収めました。この結果をきっかけに注目されるようになったのが、アレルギーの原因となる食品を可能な範囲で摂取していく「経口免疫療法」という治療法でした。

卵 小麦 牛乳

経口免疫療法とは

経口免疫療法とは、アレルギーの原因となる食品を医師の指導のもと計画的に経口摂取(食べる)し、摂取量を徐々に増やすことでアレルギー耐性を獲得する治療法です。経口免疫療法はとても新しい治療法であるため、これまで食物アレルギー診療ガイドラインに記載されていませんでした。しかし2016年、この治療法の進め方や治療成績のデータが新たにガイドラインに追記されました。このように経口免疫療法がアレルギーの診療に関するガイドラインに記載されたのは世界でも日本が初めてのことです。

経口免疫療法のメリット

経口免疫療法によって食物アレルギーが起こらなくなれば、食べられるもの、食べられる量が増えていき、気兼ねなく食事ができるようになります。これは患者さんにとっても、周囲の方にとっても大きなメリットとなります。

この治療法では「完治」だけが目的ではありません。治療しなければ、少量食べるだけで重い症状を引き起こしてしまうところが、ある程度の量までは症状を出さずに食べられる状況になる。そのような「症状の軽減」だけでも患者さんの生活の負担を軽くすることができます。可能な範囲で、可能な量を摂取する、という考え方が重要であり、「食べられるものの範囲が広がる」ということはとても意義のあることだといえます。

経口免疫療法を行う上で注意すること

この治療法は、食物アレルギーを熟知したアレルギー専門医が十分に説明を行ったうえで実施し、患者さんと保護者の方が十分に理解をいただき、同意をいただくことが必要不可欠です。また、アレルギーの症状が現れたときには救急の対応がとれるように万全を期したうえで慎重に取り組まなくてはなりません。

このように慎重に治療を進めなくてはいけない理由には「アレルギー症状の予測の難しさ」があります。アレルギーの症状が実際に出るかどうかは、専門の医師でも予測が難しいとされています。そのため経口免疫療法を行う際には必ず専門の医師のもとで、決められた治療計画に従って進めていく必要があります。

経口免疫療法の奏効率

経口免疫療法は、治療を行うことですべての患者さんの食物アレルギーが必ず改善されるわけではありません。どれくらい改善できるかは、患者さんの体質、食物アレルギーの重症度、アレルギーとなる食品の種類などによって異なります。

また、経口免疫療法によってアレルギーがでない状態まで改善できたとしても、一定期間食べるのをやめる期間があると、再び症状が誘発されてしまうケースも多くあります。

経口免疫療法を行う際には、これらのことを念頭におきながら取り組む必要があるでしょう。

経口免疫療法の対象患者

経口免疫療法を受けられる患者さんは下記の2つに該当する方です。

・食物負荷試験(食物アレルギーの検査)を行い、診断がついている方

・食物アレルギーが自然に治ることが期待できない方

また上記に加えて、十日市場こどもクリニックではもう一つ条件を加えています。それは「経口免疫療法を実施することで生じる負担を患者さんや保護者の方がよく理解できているか」というところです。

経口免疫療法は計画的に、少しずつ食べる量を調整していくため、治療に長い期間を要し、なかなか成果がみられないケースも多くあります。そのことから途中で治療をやめられる方もいらっしゃいます。治療に数年を要することを了承いただける方のみ、この治療法を選択肢の一つとして提案しています。

 

おいしそうにご飯を食べる子ども

経口免疫療法を行うことで、日々の生活がとても楽になる患者さんもいらっしゃいます。この治療法を検討されている方は食物アレルギーを熟知し、診療経験が豊富なアレルギー専門医のもとを受診するのがよいでしょう。食物アレルギーに関する正しい知識の普及や情報交換を目的として運営している「食物アレルギー研究会」では食物アレルギーの検査法である経口食物負荷試験を行っている施設を紹介しています。どの施設でどれくらい検査を行っているかを☆の数で表していますので、食物アレルギーの診療がどれほど行われているかを知ることができます。年間200症例以上(☆☆)の施設であるとよく食物アレルギーを診察している施設だといえると思いますので、このような情報も「食物アレルギーを専門にしている病院」を知るひとつの手掛かりになるかと思います。

※食物アレルギー研究会 http://www.foodallergy.jp/

経口免疫療法はまだ新しい治療概念です。これからさらに研究データや治療成績が積み重なっていくと考えられます。研究がより進んでいくことで、さらに患者さんの負担を楽にできる治療方法が確立されていくことが望まれます。

 

*十日市場こどもクリニックについてはこちらをご参照ください。

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