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画像で見る粉瘤の手術治療

画像で見る粉瘤の手術治療
花房 火月 先生

はなふさ皮膚科 理事長

花房 火月 先生

記事1『粉瘤ができる原因とは――実は細菌感染でないことも』では、粉瘤の特徴やメカニズム、治療法であるへそ抜き法(くり抜き法)の手術についてご紹介しました。今回は、へそ抜き法について画像を交えながらより詳しいお話を、はなふさ皮膚科理事長の花房 火月先生にお伺いしました。

従来の粉瘤手術は、初めに皮膚を少し切開し、角質や皮脂などの内容物を取り出します。その後、傷が落ち着いてからさらに切開し、袋を取り除き縫合をするというものでした。切開をするため、傷あとが大きく残ってしまうというデメリットがありました。また、炎症性粉瘤の場合は、炎症を鎮めてからでないと切開ができませんでした。

へそ抜き法とは、局所麻酔を行った後、切開ではなくパンチで小さな穴を開け、そこから蓄積された内容物と袋を同時に取り除くというものです。へそ抜き法の場合は、炎症性粉瘤でも炎症の改善を待たずに手術ができます。そして、傷あともほとんど目立たないというメリットがあるため、露出部にできた粉瘤でもきれいに取り除けます。

手術中の痛みは、麻酔の注射時のみです。また、5mm~3cmほどの大きさで、皮膚の他の組織との癒着がない場合は、5分程度の短時間で手術が終了します。

粉瘤の治療法

 

ダウンタイムも必要がないため、術後はそのまま、通勤や通学をしていただくことが可能です。また、パンチで開けた穴はほとんどの場合、縫合する必要はありません。

粉瘤手術前の写真

提供:はなふさ皮膚科

へそ抜き法を行う前の粉瘤です。まずは皮膚に局所麻酔を注射します。この際は、予防接種と同等の軽い痛みを伴います。

粉瘤 パンチで穴を開ける

提供:はなふさ皮膚科

次に、粉瘤の中央にパンチで穴を開けます。麻酔を行っているため、痛みはほとんど感じません。

粉瘤 内部のものを取り出す

提供:はなふさ皮膚科

パンチで穴を開けた後は、粉瘤の内部に溜まっている皮脂や角質などの内容物を取り出します。

粉瘤 袋を取り出す

提供:はなふさ皮膚科

そして、粉瘤の袋を取り出します。袋が皮膚の正常な組織と癒着をしていない場合は、すぐに取り出すことができます。また、袋を取り残してしまうと、再発の可能性が高くなってしまうため、細心の注意を払いながら取り除いていきます。

粉瘤 手術後の写真

提供:はなふさ皮膚科

粉瘤の内容物と袋を全て取り除き終わった後の状態です。当院では多くの場合、開けた穴を縫合しません。理由として、粉瘤は表皮嚢腫のため真皮の上にでき、へそ抜き法を行い、内容物と袋を除去した状態でも、真皮は完全に残ったままの状態です。そのため、一見深い傷に見えますが、擦り傷と同レベルの傷なのです。

また、炎症を起こしている場合は、皮膚内に細菌が侵入している可能性もあります。そういったケースでは、縫合してしまうと内部に細菌を閉じ込めてしまう危険性があるため、縫合は行いません。

粉瘤 保護後の写真

提供:はなふさ皮膚科

最後に止血材、テープで保護をし、手術終了です。粉瘤の大きさや、癒着の程度にもよりますが、大体の方が5分程度で完了します。また、当院では、術後の感染予防のために、患者さん全員に抗生物質を処方しています。

  • 粉瘤の手術を行った後は、以下の点に気を付けてください。
  • 手術当日は傷口を洗わないでください。
  • 術後1週間は傷口を湯船に浸けてはいけないため、シャワー浴を行ってください。
  • 術後48時間は、運動、飲酒は控えてください。出血をしてしまう恐れがあるためです。
  • 術後1週間は激しい運動を控えてください。また、患部が関節にある場合は、その関節を極力動かさないようにしてください。
  • 臀部の粉瘤手術を行った方は、長時間座る際に、30分に1度、10秒ほどお尻を浮かせてください。

粉瘤の診断、検査、手術は全てが保険対象内です。通常の3割負担の方ですと治療費は以下の通りです。粉瘤の大きさ(切除した粉瘤の直径の合計)と、露出部分か非露出部分かで治療費が変わってきます。

露出部(顔、首、肘から指先まで、肘から足先まで)の場合

  • 2cm未満  5,310~5,910円程度
  • 2cm~4cm未満  11,340~11,940円程度
  • 4cm以上  13,410~14,010円程度

非露出部(露出部以外)の場合

  • 3cm未満  4,170~4,780円程度
  • 3~6cm未満  10,020~10,630円程度
  • 6cm以上  12,810~13,420円程度

さらに病理検査代金が別途3,000円ほどかかります。

(はなふさ皮膚科HPから引用)

粉瘤の治療は全てにおいて保険が効きます。しかし、中には自費負担で粉瘤の治療を行っている医療機関も存在し、高額な治療費を請求される場合もあります。そのため、事前に確認することが必要です。

当院では、ほとんど全員の粉瘤患者さんに、へそ抜き法での手術を行っています。しかし、ほかの正常な皮膚組織との癒着が極めて強い場合は、へそ抜き法では対応できず、切開による手術になってしまうこともあります。粉瘤の袋の癒着は、腫れたり戻ったりを幾度も繰り返しているのに、治療を行わず放置したことによって起こります。

患者さんにとって負担の少ない、へそ抜き法での手術を行うためにも、粉瘤ができた場合は、腫れたり引いたりを繰り返してしまう前に、速やかに皮膚科を受診してください。

基本的に粉瘤は、手術を行えば完治する病気です。しかし、炎症を何度も繰り返している粉瘤は、病変がさまざまな箇所に散布されています。そのため、まれに、手術をしても取り残しがあり、再発してしまうというケースがあります。

また、何度治療を行っても治らないという方は、膿皮症という病気と誤診されている可能性があります。膿皮症とは、細菌感染と体質が原因となる病気で、粉瘤とは異なる手術や、体質改善などの治療が必要となります。

花房火月先生

粉瘤はそのままにしていても、さほど人体に影響がないため、放置してしまう患者さんが多いのが現状です。しかし、粉瘤が自然治癒することはほとんどありません。また、皮脂や角質は、次第に蓄積されていき大きく腫れてしまいます。そして、腫れを繰り返すことによって、正常な組織と粉瘤が癒着してしまい、切除したいと考えたときには、へそ抜き法での手術が行えない場合もあるのです。

へそ抜き法は患者さんにとって、とても負担の少ない手術です。粉瘤ができたらすぐに皮膚科へ行き手術を受けることをおすすめします。

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