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公開日 : 2017 年 04 月 21 日
更新日 : 2017 年 08 月 16 日

混合性結合組織病(MCTD)の検査・治療・予後とは? ‐全身性エリテマトーデス・強皮症・多発性筋炎/皮膚筋炎の症状が混在する疾患の検査と治療法

目次

混合性結合組織病(MCTD)とは、全身性エリテマトーデス強皮症多発性筋炎/皮膚筋炎の症状が混在する疾患です。この疾患は全身に渡って多様な症状が現れます。そして時には命に影響を及ぼす肺高血圧症間質性肺炎などを引き起こすリスクがあるため、早期に発見し、治療を開始することが必要です。この混合性結合組織病の検査方法や治療法、予後について、記事3に引き続き桜十字病院院長補佐 リウマチ膠原病内科の中村正先生にお話を伺いました。

混合性結合組織病の症状・原因については記事3『混合性結合組織病(MCTD)とは?』をご参照ください。

混合性結合組織病の検査方法

診断には血液検査による「抗U1-RNP抗体」の存在確認が必須

混合性結合組織病は自己免疫疾患(体の免疫システムに異常が生じている疾患)であるため、血中に自己抗体が産生されています。そのためこの自己抗体の有無を調べることが混合性結合組織病を診断する上で助けになります。

混合性結合組織病は抗U1-RNP抗体が陽性であることが必要です。また、全身性エリテマトーデスや全身性強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎に伴う疾患標識自己抗体が陽性になった場合には、混合性結合組織病の可能性を調べる手掛かりとなります。そのほか血液検査の結果から、補体や血球の減少、筋酵素増加などがみられる場合もあります。

混合性結合組織病では「肺高血圧症の合併の有無」を必ず確認する

また、混合性結合組織病では肺高血圧症の発症を調べることが重要です。肺高血圧症は、混合性結合組織病患者の10%程度に合併する病態です。発症すると死亡リスクが高まることから、発症早期に診断し、適切な治療を開始することが必要です。

肺高血圧症は、心臓超音波検査や心臓カテーテル検査などにより、心臓肥大や右心室の機能を調べることで診断可能です。

多様な症状を手掛かりに診断を行っていく

混合性結合組織病には、よく知られるレイノー症状や手足の指の腫れ以外にも、発熱、急性髄膜炎、三叉神経痛、顔面神経痛など、数多くの症状が現れます。こうした様々な症候を手掛かりに診断をつけてきます。混合性結合組織病で息切れの症状を呈することがありますが、こういった症状がみられる場合には肺高血圧症を併発している可能性が高く、かなり症状が進んでいる状態と考えられます。

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混合性結合組織病の治療

では混合性結合組織病と診断された場合には、どのように治療を進めるのでしょうか。

それぞれの症状に対する、患者さん個々に合った治療が行われる

混合性結合組織病は発症要因がまだ解明されていないため根治療法は見出されていません。それぞれの症状を緩和・進行抑制するための治療法(主に薬物療法)が選択されます。混合性結合組織病の治療方針については、厚労省研究班より発表されている混合性結合組織病の診療ガイドライン(改訂第3版)に記載されています。

肺高血圧症を発症する患者さんでは、肺血管拡張薬による治療を行う

混合性結合組織病による肺高血圧症では肺の血管を広げる肺血管拡張薬が用いられます。近年、肺高血圧症治療薬として多くの新薬が登場し、これまでにはなかった作用機序の薬剤による治療が可能になりました。そうした作用機序の異なる薬剤を併用することで治療成績が向上することが報告されています。

肺高血圧症の症状が混合性結合組織病自体の活動性に伴う場合や、肺高血圧症が発症して間もない場合には、ステロイド薬や免疫抑制薬が効果を示す場合もあります。

今後、根本的な治療法が開発される可能性がある

混合性結合組織病を含めリウマチ膠原病の多くは根本治療法がありません。そのようななか近年、リウマチ膠原病のなかで最も有名な関節リウマチの治療法に大きな進歩がありました。関節リウマチに対する新たな治療法が登場し、大幅な症状改善を見込めるようになったのです。この新案治療法とは病態の原因に基づいた作用機序を有する新規治療薬を使用するものであり、この治療法が登場したことでリウマチ治療は大きく変化しています。

関節リウマチの病態に基づいた新たな治療法の登場はリウマチ膠原病領域に非常に大きなインパクトをもたらしました。そしてこの変化を受け同じリウマチ膠原病である他の疾患にも同様の治療アプローチが奏効するのではないかと考えられるようになり、現在研究が進められています。そうした治療が進むことで今後、混合性結合組織病の予後は大きく変わってくる可能性があるといえるでしょう。

新たな治療方法の開発については、同じリウマチ膠原病の一つシェーグレン症候群の記事『シェーグレン症候群の治療は今後大きく変わる可能性がある』もご参照ください。

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