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公開日 : 2017 年 05 月 18 日
更新日 : 2017 年 05 月 19 日

慢性胃炎の薬物治療 市販薬と処方薬の効果の違い、ピロリ菌の除菌とは?

医療法人邦友会竹中医院 院長
山本 剛先生

記事1『チクチクした胃の痛み「慢性胃炎」の症状と原因 放置してはいけないピロリ菌』では、慢性胃炎の原因から胃炎の放置により発症する病気、また検査方法についてご紹介しました。

慢性胃炎は治療をせずに放置すると、胃潰瘍や胃がんなどの重症な疾患に進行してしまう可能性があります。そのため、慢性胃炎を引き起こしている原因を知り、それぞれにあわせた治療を早期に行うことが大切です。

慢性胃炎の原因の多くはヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)によるものであるといわれています。記事1に引き続き、ピロリ菌の除去を中心に、慢性胃炎の治療方法や治療上の注意点について、川崎市宮前区にある竹中医院院長の山本剛先生にお話をいただきました。

ピロリ菌が原因の場合は、まずピロリ菌の除菌を

ピロリ菌

ピロリ菌の1次除菌療法の成功率は約90%

慢性胃炎の原因の多くは、ピロリ菌の持続感染によるものです。そのため検査でピロリ菌の存在が確認されたら、まずはピロリ菌を除菌します。

当院では、胃酸分泌抑制薬であるボノプラザン、ペニシリン系抗生物質であるアモキシシリン、マクロライド系抗生物質であるクラリスロマイシンの3種類の薬剤が1セットになっているボノサップパック®をピロリ菌の除菌に使用しています。

当院の患者さんにはこの薬剤を1日2回7日間、正しく服用していただいており、この治療によって約90%の方が除菌に成功しています。

除菌療法後に胃カメラで胃の内部を確認すると赤みや浮腫み(むくみ)が取れていて、胃の炎症が明らかに改善していることがわかります。

1次除菌療法で除菌できなかった場合には2次除菌療法を

上記の薬剤を7日間服用してもピロリ菌の除菌ができなかった場合には、再度7日間の服薬による除菌療法を行います。

幼少期からなんらかの薬剤を常用していると、ある程度薬剤への耐性化ができてしまっている場合があります。この影響から抗生物質の効きが悪く、1次除菌療法で除菌できないことがあるのです。

そのため、1次除菌療法で使用したクラリスロマイシンという抗生物質をメトロニダゾールという抗原虫薬(細菌や原虫による感染症を治療する薬)に変えて服用してもらいます。メトロニダゾールは日本ではあまり頻用されていない薬剤なので、本薬剤への耐性ができている方が少なく、当院で2次除菌療法を行った方のほとんどが除菌に成功しています。

ピロリ菌除菌後に再感染することはある?

一度除菌に成功したら、再びピロリ菌に感染する可能性は少ないといわれています。

しかし、記事1『チクチクした胃の痛み「慢性胃炎」の症状と原因 放置してはいけないピロリ菌』でお話ししたような尿や血液、呼気による検査の場合、稀に偽陰性(実際にはピロリ菌が残っているにも関わらず、ピロリ菌がいないと判断されてしまうこと)となることがあります。ですからピロリ菌除菌後の感染の判断においては、1次除菌療法を行ったからといって安易に陰性と診断しないよう十分注意しています。

除菌薬の副作用

ピロリ菌除菌薬の服用中には下記のような副作用が現れることがあります。

薬疹

薬に対するアレルギー反応によって皮膚に発疹が現れることがあります。

過度の下痢、血便

食事を摂るごとの下痢や1日3回程度の下痢であれば大きな心配はありませんが、1日10回を超えるような下痢や、便の中に血が混じることがある場合は除菌薬をすぐに中止して医療機関を受診することをお勧めします。

味覚障害

食べ物の味がいつもと違って感じることがあります。これは7日間除菌薬を飲みきれば治るので、当院では味覚障害が現れても服用は中止せず飲みきるようにお伝えしています。

慢性胃炎には症状に合わせた薬を処方

薬

慢性胃炎の原因がピロリ菌ではない場合はもちろん、ピロリ菌を除菌した後でもまれに、慢性胃炎の症状が残ってしまうことがあります。この場合、それぞれの方の症状に合わせた薬剤を処方しています。

薬剤の種類は主に以下の3種類です。

  • 胃粘膜保護薬・・胃の粘膜を保護して、胃粘膜の修復力を高める薬
  • 胃酸分泌抑制薬・・胃酸の分泌を抑える薬
  • 運動機能改善薬・・胃の動きを促進する薬

また胃の痛みや不快感に対しては漢方薬を処方することもあります。代表的なものは六君子湯(りっくんしとう)という漢方で、服用することで胃の症状を緩和させることができます。

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医療法人邦友会竹中医院 院長

山本 剛先生

消化器内科医として神奈川県を中心とした基幹病院で勤務したのちに、2016年に川崎市宮前区にある竹中医院の院長として勤務。竹中医院は地元で50年近くかかりつけ医としての役割を果たしてきた診療所で、一人一人の患者さんに寄り添った医療を実践している。地域のピロリ菌撲滅のために、内視鏡検査も積極的に行っている

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