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がんのPET検査とは?
PET検査とは、特殊な放射性薬剤を注射した後に専用の装置(PET-CT)で撮影することで、病気の状態を調べる検査のことです。栃木県宇都宮市にある宇都宮セントラルクリニックは、がんや認知症、パーキ...
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がんのPET検査とは?

公開日 2017 年 07 月 21 日 | 更新日 2018 年 03 月 13 日

がんのPET検査とは?
佐藤 俊彦 先生

宇都宮セントラルクリニック 理事

佐藤 俊彦 先生

目次

PET検査とは、特殊な放射性薬剤を注射した後に専用の装置(PET-CT)で撮影することで、病気の状態を調べる検査のことです。栃木県宇都宮市にある宇都宮セントラルクリニックは、がんや認知症、パーキンソン病に対する検査にこのPET検査を導入しています。

宇都宮セントラルクリニック理事の佐藤俊彦先生に、がんの検査や診断に対するPET検査の有用性について教えていただきました。

※本記事内では、冒頭の解説を除きPET検査で使用する薬剤のことをFDGに統一して表記しています。

※本記事内でご紹介するPET検査とは、18F-FDGを用いたFDG-PET検査のことです。

がんに対するPET検査とは-PET検査でわかること

がんに対するPET検査の仕組み

がん細胞は非常に活発なため、正常な細胞や良性腫瘍よりも多くのブドウ糖を消費します。PET検査とは、がん細胞のこの性質を利用してがんの発見を試みます。

具体的には静脈から放射性薬剤を注射し、それを専用の装置で撮影・検出することで、その放射性薬剤がどのように移動するかを確認します。がんが発現するとその部位に放射性薬剤が集積するので、これを発見・確認できるという仕組みです。

PET検査では、ブドウ糖に放射性同位元素(18F)で印をつけた(印をつけることを標識といいます)FDGがよく利用されます(FDGを使用したPET検査のことを、FDG-PETと呼びます)。現在PET検査といえば大半はFDG-PETを指しますが、検査目的に応じてC(炭素)N(窒素)O(酸素)などで標識した放射性薬剤を使用する場合もあります。

PET検査のメリット-ブドウ糖の集積をみるため CTやMRIでは発見できない小さながんも発見可能!

お話ししたようにPET検査はブドウ糖の代謝を利用した検査です。そのため、人体へX線を当てるCT、磁気を利用するMRIといった画像診断にはないメリットがいくつかあります。

PET検査なら早期がんも発見が期待できる

PET検査での早期がん画像

宇都宮セントラルクリニックご提供

PET検査では、小さながん組織を発見可能です。

一般的な進行がんの場合、1cmの大きさになるまで10~20年かけてゆっくりと成長し、その後急激に大きくなります。そのため、がんの治療には早期発見が非常に重要になりますが、がん組織は小さければ小さいほど判別が困難で、発見率は低くなります。PET検査では小さながんをも発見できることもあるので、がんの早期発見・早期治療には有効だといえるでしょう。

PET検査なら腫瘍の悪性・良性を判定できる

宇都宮セントラルクリニックご提供

CTやMRIで見つかった病変が良性か悪性かを調べられるのも、PET検査の特長といえるでしょう。

ある女性患者さんに対しCT・MRIを実施したところ、CTでは子宮筋腫を、MRIでは子宮内膜の肥厚と子宮筋腫を認めると同時に、子宮底部に腫瘍があることから、当初は変形した子宮筋腫あるいは肉腫との所見でした。

ところが、この患者さんにPET検査を実施した結果、子宮にFDGの集積を認めたのです。これは子宮にがん細胞があることを意味しています。特にMRIとPETの合成画像では、子宮内膜の肥厚した部分に強い集積を認めました。

この検査結果が決め手となり、この患者さんは子宮体がんと判断されました。後日この方が手術を受けたところ、7mmの子宮体がんを確認されたとのことです。

PET検査は不要な検査を避けることにつながる

がんが疑われる場合、CTやMRIなどを使用して組織や腫瘍の形を調べる形態診断を行ないます。それでもがんの疑いが残るときは、生検組織診断を実施して組織の病理的な変化の有無を確認し、総合的に診断を下します。

PET検査は通常の画像診断ではわからないブドウ糖代謝を調べる検査すなわちがんの代謝を調べる検査であることが特徴です。つまり、形態診断だけでは判別が難しいケースでも、ブドウ糖の集積具合を調べることで生検組織診断をすべきか判断できるのです。

また生検組織診断は、検査を受ける方の体に針を刺して組織を採るため痛みを伴うだけでなく、検査自体にもリスクがあります。

なるべく不要な検査を避けつつ、組織診が必要な方を見逃さないようにするためにも、PET検査は有用だといえるでしょう。

PET検査では1回の検査で全身をチェックできる

PET検査で使用するFDGは全身に行き渡るため、1回の検査で全身を調べることが可能で、がん細胞の全身への転移の有無も確認できます。

がんは、他の部位への転移が確認されるとその時点でステージ4と診断されます。一方、PET検査でがんの転移がないことが確認されればステージ2(ときにはステージ1)へと、ダウンステージングすることもあります。

がんと診断された患者さんがPET検査を受けると施術方法や治療方法が変化するケースが多く、全体の約40%にのぼるともいわれています。

がんのステージングは、その後の治療計画や方針に大きな影響を与えるので、正確な診断が重要です。がんと診断されたすべての患者さんがその後、適切な治療を受けるためにも、PET検査を是非受けていただきたいと考えています。

PET検査では、がんの再発も監視可能

宇都宮セントラルクリニックご提供

PET検査は、再発の可能性を調べる検査としても非常に有用です。

がんの再発を目的とする場合、半年に1回程度の頻度で検査することが望ましいです。再発やがんの進行が見られないときは異常なしと判断しますが、半年後で状況が変わることもあるので、油断は禁物です。

検査で使用するFDGにアレルギー症状を起こす可能性はほぼない

一部の画像診断で使用する造影剤に対してアレルギー反応をおこす方がいらっしゃいます。しかし、PET検査で使用する薬剤でアレルギー反応が生じることはなく、安心して検査を受けていただけます。

このようにPET検査には様々なメリットがありますが、どれが1番ということはなく、いずれも特筆すべきものと考えています。

PET検査は非常に精度の高い検査ですが、検査について熟知している医師がそれほど多くないことに加え、検査を受ける側の方々の知識不足が重なり、PET検査の有用性が十分に理解されているとはいえません。

そのため、医師をはじめとする医療従事者だけでなく一般生活者にもPET検査について正しく理解していただくことが、PET検査の有用性を伝える第一歩であると考えています。

PET検査だけではうまく見つけられないPET陰性がんとは?

PET検査はがん細胞のブドウ糖代謝量、つまり細胞の悪性度に依存するため、原発がん・転移性がんといった違いは結果に影響しません。

先にご紹介した子宮がんや卵巣がんなど、多くのがんはPET検査で発見できるともいわれています。

しかし下記のがんはPET陰性がんと呼ばれ、PET検査単独では見つけることが困難です。

  • 前立腺がん
  • 膀胱がん
  • 肝臓がん(※転移性肝臓がんは見つけることができます)
  • 腎臓がん
  • 食道がん
  • 胃がん

がんを早期に発見して治療につなげるためには、PET検査のメリットだけでなく弱点もしっかり把握して、CTやMRIなど他の検査と組み合わせて検査することが望ましいでしょう。

PET検査を受ける際の注意点

PET検査は検査装置のグレードと、読影する医師の診る目に左右される

PET検査では、画像の作り込みと医師の読影レベルが担保されることではじめて、よい検査が可能になると考えています。

FDGの集積状況を撮影するPETカメラは数種類あり、装置の進展は早いことから、常に後続機種が登場してきます。当然、初期のものと最新鋭のものとでは装置の精度が大きく異なるため、描出される画像データの質も異なります。

そして画像データから病気を見つけるのには、画像診断をする医師にも一定以上の読影能力が求められます。優秀な医師とは、手術の技量が優れているだけでなく、検査画像から病変や異常を見抜く力も備わっている人だと考えています。

がん発見率向上のためPET検査を受けるときの費用

PET検査の費用は、CTやMRIより高額です。しかし、日本で行われているPET検査の費用は、世界でも安い部類に入ることをご存知でしょうか。

たとえば宇都宮セントラルクリニックでは2017年4月現在、がんPETという名目で頭部から大腿部までのPET-CT検査と各種基本検査を150,000円(税抜き)でご案内しています。同じ内容の検査をアメリカで受けると2,000ドル(約226,000円)、中国では一万元(約160,000円)ほどかかります。

福島県立医科大学を卒業後、日本医科大学第一病院、獨協医科大学病院などの放射線科で研鑽を積み、画像診断に不可欠な読影技術を磨く。
2003年には栃木県内初となるPETセンターを、宇都宮セントラルクリニック内に開設。以来、最新鋭の検査機器を駆使して、「小さく見つけて切らずになおす」を目標に高度な診療を提供し続けている。
近年ではPET検査をがんの発見だけでなく、パーキンソン病や遺伝子疾患のAADC欠損症、認知症の早期発見のためにも活用している。

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