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公開日 : 2017 年 07 月 24 日
更新日 : 2017 年 10 月 24 日

認知症やMCI(軽度認知障害)発見率の高い認知症PET検査とは?認知症の基礎から検査の流れまで

日本では高齢化の進展とともに認知症が大きな社会問題となりつつあります。認知症の検査に、記事1『PET検査を活用してがんの早期発見に役立てよう!』でご紹介したPET検査が大いに役立つことをご存じでしょうか。

本記事では宇都宮セントラルクリニック理事の佐藤俊彦先生に、認知症の発見と診断に対するPET検査実施の有用性について教えていただきました。

※本記事内では、PET検査で使用する薬剤のことをFDGに統一して表記しています。

日本の高齢化と認知症患者増加は無関係ではない

日本では3人に1人が高齢者の時代がやってくる



宇都宮セントラルクリニックご提供

総務省統計系局の発表によると、2015年における65歳以上の方は約3384万人で全人口の26.7%、80歳以上の方は約1002万人で、これは全人口のうち7.9%に相当します。こうした数値から、日本では約4人に1人が高齢者といえるでしょう。

しかし20年後の2035年では、高齢者数と全人口における割合はさらに増加し、65歳以上は3741万人で33.4%、80歳以上は1627万人で14.5%と、約3人に1人が高齢という社会を迎えるだろうと予測されています。

増え続ける認知症患者

高齢化が進展すると、認知症は現在よりも大きな社会問題になります。これは厚生労働省の発表ですが、2012年の時点で65歳以上の高齢者人口は約3079万人、このうち認知症の方は約462万人、そして認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の方は約400万人とのことです。この発表により2013年の段階で、高齢者のうち4人に1人の方が認知症もしくは認知症予備軍と診断されていることがおわかりいただけると思います。

これから高齢化社会を迎える日本では、認知症を発症する、もしくは軽度認知症と診断される方は激増すると考えられるため、高齢化対策だけでなく認知症対策も大きな課題なのです。

認知症と物忘れは別物!

認知症とは

宇都宮セントラルクリニックご提供

認知症とは今まで正常に機能していた脳神経細胞が、何かしらの理由で働きが悪くなる・もしくは死んでしまうことで、認知機能が低下する病気です。

認知症には、脳神経細胞の減少や変化が原因の変性性認知症と、外傷や疾患の影響が原因の二次性認知症があります。

・変性性認知症(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、パーキンソン病が引き起こす認知症、前頭側頭型認知症)

・二次性認知症(血管性認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫)

認知症の症状は、中核症状行動・心理症状(周辺症状)の2種類に大きく分けることができます。中核症状とは脳内の神経細胞が障害されたことで生じる症状のことで、認知機能が低下した方であればどなたにも生じます。中核症状の代表的な例として、

  • 記憶障害(新しい事柄を覚えられない)
  • 見当識障害(時間や場所、人物の顔がわからない)
  • 判断力障害(論理的思考ができなくなる)
  • 実効機能障害(順序だって物事を進められない)

などが挙げられます。

もう1つの行動・心理症状(周辺症状)の程度は、先にご紹介した中核症状の進行状態やその方の本来の性格、身体症状や生活環境など複数の要素に左右されるため、かなり個人差があるといえるでしょう。代表的な症状としては、妄想・失禁や不潔行為・幻覚・異食・不安、焦燥・睡眠障害・抑うつ・介護抵抗などがあります。

認知症が進行すると中核症状や行動・心理症状も悪化するため、次第に日常生活にも支障をきたすようになります。

物忘れと認知症の違い

認知症は、健忘(けんぼう)と呼ばれる老化現象のひとつである良性の物忘れと混同されがちです。

しかし物忘れはきっかけがあれば思い出せるのに対し、認知症はきっかけがあっても思い出せないという違いがあります。たとえば、何を食べたか思い出せないのを物忘れ、食事をしたこと自体を思い出せないのを認知症と区別することができるでしょう。

 

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軽度認知症(MCI)とは

軽度認知症とは、記憶や意思決定に関する5つの定義すべてにあてはまるものの日常生活には支障をきたしていない、いわば健常者と認知症の中間にあたるグレーゾーンのことです。

軽度認知症であれば発見後の対応の仕方によって、症状の回復や認知症発症を遅くできる可能性もあります。しかし軽度認知症をそのままにしてしまうと脳の認知機能はさらに低下するため、5年間で約50%の方は認知症へ進行するともいわれています。

 

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早期の段階で「認知症の芽」を見つけることがQOL(生活の質)改善につながる

認知症では、脳神経細胞が完全に死滅してない早期の段階で発見して治療を開始できれば、病気の進行をある程度遅らせることができます。特に進行抑制剤を使用した薬物療法は、進行度が軽い段階で実施すればその分効果を発揮しやすいため、認知症治療では、いかにして認知症の芽を見つけ、これ以上大きくならないようにするかが重要視されています。

 

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