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女性不妊症の原因は何科で診断できるの?
不妊症には男性不妊と女性不妊があります。男性不妊・女性不妊は不妊症としてまとめられがちですが、両者は原因も方法も全く異なります。ここでは女性不妊とはどのようなものなのか、トラブルが生じやすい部位...
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女性不妊症の原因は何科で診断できるの?

公開日 2017 年 07 月 21 日 | 更新日 2017 年 10 月 23 日

女性不妊症の原因は何科で診断できるの?
メディカルノート編集部 [医師監修]

メディカルノート編集部 [医師監修]

不妊症には男性不妊女性不妊があります。男性不妊・女性不妊は不妊症としてまとめられがちですが、両者は原因も方法も全く異なります。

ここでは女性不妊とはどのようなものなのか、トラブルが生じやすい部位、原因として考えられる病気、女性不妊のリスク、不妊症かもしれないと感じたとき何科を受診したらよいのかご紹介します。

不妊症の定義

不妊症は、

一定期間,避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という.その一定期間については1年というのが一般的である.なお,妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない.

と定義されています。つまり不妊症とは、何かしらの治療を受けなければ妊娠がほぼ見込めない状態といえるでしょう。

不妊症の方の割合は、調査した年代や国によって大きく開きがありますが、カップル全体で15%、女性側で8-9%程度と考えられています。特に近年は晩婚化などの影響を受けて、女性の第一子出生時平均年齢が上昇しつつあります。女性が高齢になると、その分妊娠しにくくなることがわかっています。そのため今後は、子どもが欲しくてもなかなかできない方がさらに増えていくと予想されています。

不妊症には種類がある

不妊症は3パターンあります。

男性不妊:男性側の問題による不妊症

女性不妊:女性側の問題による不妊症

原因不明:検査をしても、これといった原因が見当たらない不妊症

不妊症はいくつかの要素が重なり合って生じることもあります。そのため男性・女性双方を検査しても不妊の原因を特定できないこともあるのです。

男性不妊について詳しくはこちらもご覧ください

『男性不妊外来でやることー問診と検査の概要』

女性不妊について詳しくはこちらもご覧ください

『不妊の定義・主な原因と病院での一連の検査』

女性の生理サイクルは早すぎても遅すぎてもダメ!

女性の体は25~38日を1周期としたとき、

卵胞期:卵巣の中で卵胞(らんぽう:卵子のもと)が成長する期間

排卵期:成熟した卵子が排出され、子宮へ向かう

分泌期(黄体期):体温が高くなる・子宮内膜が厚くなるなど、妊娠しやすい環境が整う

生理期:厚くなった子宮内膜が剥がれ、次の妊娠に備えた出血が生じる

を迎えます。1周期あたりの日数にはある程度の個人差があるものの、24日以下の周期でくる生理を頻発月経、39日以上の周期の生理は稀発月経(きはつげっけい)と呼ばれています。

女性不妊で考えられる原因①排卵因子

卵巣そのものや卵胞のトラブルで、排卵障害とも呼ばれます。

排卵因子の原因ですが、プロラクチンという脳の下垂体から分泌されるホルモンが多く分泌される高プロラクチン血症や、男性ホルモン過多が特徴の多嚢胞性卵巣症候群が多いです。

特に多嚢胞性卵巣症候群は、無排卵のうち最も多くみられる原因といわれていることをご存知でしょうか。多嚢胞性卵巣症候群では生理期に通常通り出血するため多くの方は、「今月も問題なく生理が来た」と勘違いしてしまいます。そのため、いざ子どもが欲しくなった段階でなかなか妊娠できなくて検査を受けたところ、多嚢胞性卵巣症候群が発覚したという方が多いのです。

多嚢胞性卵鞘症候群について詳しくはこちらもご覧ください

『多嚢胞性卵巣症候群とは―卵子が卵巣から出られなくなる疾患』

精神的ストレスや過剰なダイエットが排卵障害の原因になることも

排卵障害による不妊症(排卵障害)は、高プロラクチン血症や多嚢胞性卵巣症候群といった病気だけでなく、環境変化などで精神的ストレスにさらされる、短期間で急激なダイエットをした経験がある方にもおこりやすいです。

そのため、過剰なストレスやダイエットを経験した方のなかには、20~30歳で排卵が止まる早発閉経をおこしている方もいます。

女性不妊で考えられる原因②卵管因子

卵管因子とは卵管の癒着や狭窄、つまり卵子の通路である卵管が狭くなっていたり塞がっていたりして、卵子が子宮まで到達できない状態のことです。

卵管狭窄や閉塞の多くは性器クラミジアという性感染症によるものですが、この病気は症状が現れにくいため、たとえ感染しても気づかないことが多いです。

他にも、過去に虫垂炎(盲腸)の手術を受けたことがある方や子宮内膜症の方が、卵管癒着や狭窄を起こすこともあります。

女性不妊で考えられる原因③子宮因子

子宮因子とは、受精卵の着床する子宮内部に関するトラブルです。代表的な病気としては、子宮筋腫・子宮内膜症などがあります。

子宮筋腫

子宮内部にコブができる、20~30歳以上の女性なら20~30%と比較的よくみられる病気です。コブは複数できるのも珍しいことでなく、コブが沢山できる、もしくはコブが大きくなると、月経量の増加や頻尿・乏尿、腰痛の原因になることがあります。

子宮内膜症

子宮内膜症では、本来なら子宮の内側にできる組織が子宮内膜以外に発生し、女性ホルモンの影響を受けて発育することにより、強い月経痛などの症状を引き起こします。

子宮内膜症について詳しくはこちらもご覧ください

『生理痛がひどかったら子宮内膜症かも?―その原因と症状』

子宮の形が生まれつき変形している子宮奇形ですが、これは反復流産の原因になることから、不妊症より不育症の原因になることが多いとされています。

子宮奇形について詳しくはこちらもご覧ください

『子宮奇形とは? 女性の5%ほどにみられる病気』

不育症について詳しくはこちらもご覧ください

『不育症の検査と費用、有効性の高い治療法-保険適用で受けられる治療とは?』

女性不妊で考えられる原因④頸管因子

子宮と腟をつなぐ器官を子宮頸管といい、子宮頸管のトラブルによる不妊症のことを頸管因子といいます。頸管因子の具体例としては、頸管粘液の減少があります。

排卵期になると、女性の体は頸管粘液と呼ばれる透明のオリモノを多く分泌して精子が子宮に到達しやすい環境を整えるのですが、子宮頸管の炎症や奇形、子宮頸がんの手術(子宮頸部円錐切除術)、などにより、頸管粘液の分泌量が減少することがあります。

女性不妊で考えられる原因⑤免疫因子

ヒトの体には、体内に侵入した異物を排除する免役機構(免疫機能)が備わっています。女性不妊における免疫因子とは、精子を異物とみなした女性の免疫機能が抗体と呼ばれるタンパク質を作り出して精子を排除しようとすることをいいます。

精子に対する抗体は頸管粘液や卵管内にも分泌されているため、子宮の中に精子を注入しても卵子まで到達できないことが多いです。また精子不動化抗体(精子の運動機能を無効化する抗体)が分泌されている場合は、卵子との結合そのものがうまくいきません。

女性不妊の原因はわからないことが多い

検査をしても原因を特定できない不妊症のことを原因不明不妊症といい、不妊症の原因の3割程度を占めています。原因不明不妊症は本当に原因がない・原因がわからないというのではなく、そのときの検査では、たまたま原因を見つけられなかったというケースも含まれてると考えられます。

ただ、実際には医療機関で検査をすれば必ず原因が特定できる、というわけではないことを知っておくべきでしょう。

どういう症状があると女性不妊症のリスクが高いの?

不妊症は1年間たっても子どもができない状態を指しますが、35歳以上の方や、以下の3つの条件に当てはまる場合には、はやめに医療機関を受診して、検査や治療を受けることをおすすめします。

月経そのものに異常がある

生理サイクルが早すぎる・もしくは遅すぎる

生理周期が24日以内と短すぎる、もしくは39日以上と長すぎる方は、排卵異常をおこしている可能性があります。排卵異常は、特に極端な痩せすぎ・太りすぎの方に生じることがあります。

月経量が多い・もしくは少ない

月経量が多い、もしくは出血期間が長い場合は、子宮筋腫などの影響により子宮内部が変形している可能性があります。

月経量が少ない方の場合には、子宮内部の癒着が考えらます。特に人工妊娠中絶や流産の処置をうけた経験がある方は注意が必要です。

腹痛や下痢をおこしがち

生理痛が年々ひどくなる、生理中は下痢になることが多い、性交痛があるといったような諸症状は子宮内膜症のサインかもしれません。

子宮内膜症は不妊の原因になることも多いので、もしこれら諸症状があるときは婦人科を受診するようにしましょう。

性感染症・骨盤腹膜炎や腹部の手術を受けたことがある

淋菌感染症やクラミジアなどの性感染症に感染している(もしくは診断されたことがある)方は、骨盤腹膜炎と呼ばれる炎症をおこしている可能性があります。骨盤腹膜炎になると、子宮や卵管に癒着をおこしやすいため、性感染症は不妊症検査の必須項目としている医療機関がほとんどです。

また癒着をおこしやすいという点では、腹部の手術を受けた後に腸閉塞や腹膜炎をおこした経験がある方も注意が必要です。

子宮筋腫や子宮内膜症

子宮筋腫や子宮内膜症は不妊症の大きなリスクとなるため、健康診断や婦人科検診で指摘されたことがある方は、医療機関を受診するようにしてください。

女性不妊かもしれないと感じたら婦人科を受診しよう!

不妊症には年齢が大きく関係しているということは、今や多くの方が知るところとなりました。妊孕性(にんようせい:妊娠する力)は、年齢の上昇とともに低下します。特に女性が持つ卵子は40歳を超えた頃にはなくなってしまうため、一生のうちで妊娠・出産できる期間は限られています。

現在の医学では、いちど消失してしまった妊孕性はもとに戻せません。将来子どもがほしいけどなかなかできない場合や、先にご紹介した『不妊症の3つの条件』に該当する項目がある方は、なるべく早めに婦人科もしくは不妊治療の専門機関を受診して、検査・治療を受けるようにしてください。

 

周産期医療の連載記事

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