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日帰りの心臓カテーテル検査。検査後の注意点や合併症について
心臓カテーテル検査は、従来入院をして行うことが一般的でしたが、最近は日帰り(外来)で行う医療機関が増えてきました。日帰り心臓カテーテル検査の流れや注意点は医療機関ごとに異なりますが、上尾中央総合...
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日帰りの心臓カテーテル検査。検査後の注意点や合併症について

公開日 2017 年 10 月 31 日 | 更新日 2017 年 11 月 02 日

日帰りの心臓カテーテル検査。検査後の注意点や合併症について
緒方 信彦 先生

医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院 循環器内科 科長

緒方 信彦 先生

目次

心臓カテーテル検査は、従来入院をして行うことが一般的でしたが、最近は日帰り(外来)で行う医療機関が増えてきました。日帰り心臓カテーテル検査の流れや注意点は医療機関ごとに異なりますが、上尾中央総合病院では来院からおよそ7時間で帰宅ができるスケジュールになっています。

本記事では、上尾中央総合病院の循環器内科科長・緒方信彦先生に、上尾中央総合病院における日帰り心臓カテーテル検査の注意点や1日の流れについてお話を伺いました。

日帰り心臓カテーテル検査当日の朝に気をつけること

固形物やカフェインの摂取を避ける

注意点は医療機関によって規定が異なりますが、検査当日の朝は当院では心臓カテーテル検査のような造影剤を用いる検査を行う場合、固形物の朝食(パンや果物など)は食べないように来院していただくことをお願いしています。

コーヒー、緑茶、紅茶などのカフェインを含むものも、心臓カテーテル検査で使用する薬剤との飲み合わせがよくないことがあるので、検査当日は摂取しないようにお話をしています。また、カフェインを含んでいない水分に関しては普段通り摂取していただいて構いません。

糖尿病治療薬である血糖値を下げる薬は服用しない

糖尿病の患者さんで経口血糖降下薬(血糖値を下げる経口薬)を飲んでいる方は、当日の朝は薬を服用しないようにしていただいています。検査当日は朝食で糖分の摂取ができていませんので、その状態で血糖値を下げる薬を飲むと、血糖値が下がりすぎてしまい検査中に低血糖発作(急激な血糖値低下で動悸やふるえ、意識消失などが起こる)を発症する恐れがあります。

日帰り心臓カテーテル検査当日の流れ

心臓カテーテル検査前には点滴などの処置を行う

点滴をする看護師

上尾中央総合病院では、9時から日帰り心臓カテーテル検査が開始できるように8時半までに来院していただいています。当院では朝1番目と2番目の時間枠で日帰り心臓カテーテル検査を行い、それ以降の時間枠で入院患者さんの心臓カテーテル検査を行います。

これは検査終了後に時間的な余裕を持つことで、たとえ止血に時間がかかったとしても入院する必要がないようにするためです。

来院後は心臓カテーテル検査までの間に、看護師が患者さんの当日の様子を確認したり、点滴などの処置を行ったりします。検査前に点滴を行う理由は、十分に水分を確保することで、造影剤による副作用である造影剤腎症(造影剤により腎機能が低下すること)の発症リスクを最小限に抑えるためです。

また、検査中に血管を拡張する薬や血圧をコントロールする薬が必要になった際に、速やかに投薬をするためにも、検査前に点滴を行っています。心臓カテーテル検査は血管のなかに造影剤を注入する検査なので、まれに造影剤の副作用で血圧が下がってしまう方がいます。あらかじめ点滴のラインを確保しておくことで、緊急時にも速やかに対応ができるようにしています。

心臓カテーテル検査は約30分で終了

臓カテーテル検査室

検査前の処置が終了したら、患者さんは徒歩もしくは車椅子でカテーテル検査室に移動します。心臓カテーテル検査前には医療安全の観点から、医師、看護師、放射線技師、臨床工学技師などその場にいるスタッフ全員でタイムアウトという検査前の最終確認を行います。

当日どのような検査を行うのかを患者さんも含めて情報共有を行い、患者さんご自身にも名前を名乗ってもらうことで、患者さんと検査内容に相違がないかどうかを確認します。

タイムアウト完了後に、カテーテルを挿入する橈骨(とうこつ)動脈(手首にある動脈)の消毒を十分に行い、皮下に局所麻酔を注射したうえで心臓カテーテル検査を開始します。

局所麻酔で行われるため、検査中も患者さんは意識がある状態です。そのため医師や看護師が「不快な症状はないか」「痛みが強くないか」などの声がけを行いながら検査をします。

検査にかかる時間は通常およそ30分です。

検査終了後はおよそ4時間安静を保つ

検査後観察室

検査終了後には、穿刺した部位を専用の止血バンドで固定をしながら患者さんを「検査後観察室」にご案内します。止血が完了するまでの間はこちらで安静にしていただき、検査終了からおよそ4時間〜6時間後には帰宅可能です。

検査後観察室にはリクライニング式のソファがありますので、テレビ鑑賞や読書をしながらリラックスしてお過ごしいただくことができます。また、この時間を利用して管理栄養士や薬剤師が患者さんのもとに伺い、栄養指導や薬剤指導などを行うこともあります。

また検査後観察室は中央処置室に隣接した場所にありますので、出血が起きた際にも看護師が迅速に対応することが可能です。観察室には万が一に備えて電気的除細動器(心停止時などに電気刺激を与えることで心臓の動きを復帰させるもの)も常備するなど、体調の変化があった場合には早急に対応できるようにしています。

心臓カテーテル検査に伴う痛みを軽減するために

心臓カテーテル検査に伴う痛みに対して、不安をお持ちの患者さんは多くいらっしゃいます。上尾中央総合病院では、検査中や検査後の痛みを少しでも軽減できるようさまざまな工夫をしています。

検査前の局所麻酔を十分に行うのはもちろんのこと、検査後に装着する止血バンドを少しずつ緩めていくことが痛みの予防にはとても重要です。

検査終了直後は麻酔が十分に効いた状態なので、強い圧迫でも穿刺部の痛みはほとんどありませんが、麻酔が少しずつ切れていくなかで同じ強さで圧迫し続ければ、痛みは増強するばかりです。そのため当院では看護師の観察のもとで、止血がきちんとできているかを十分に確認しながら、止血バンドを少しずつ緩めるようにしています。

些細なことではありますが、この工夫が患者さんの検査後の痛みを予防するためには大切であると考えます。

心臓カテーテル検査後に気をつけることは?

出血を予防するために手首に負担がかかることは避ける

検査当日から翌日にかけては、穿刺部位(手首の橈骨動脈)からの出血が起こらないように注意していただきたいと思います。たとえば、穿刺した側の腕で重いものを持ったり、強く腕をついたりして手首に力を入れないように、と患者さんに指導しています。また、手首に負担のかかるような仕事や運動は控えていただきたいと思います。

これらのことに注意していただければ、心臓カテーテル検査後でも普段通りの日常生活を送っていただくことが可能です。

心臓カテーテル検査後に治療方針の決定

心臓カテーテル検査の結果、心臓にどのような疾患があり、どのような状態であるのかはカテーテル検査中に確認することができます。検査結果は、検査終了直後に患者さんとご家族に動画を見せながらご説明します。

また、その後の治療ついては主治医だけで決めることはせず、後日複数の医師によるカンファレンスで決定します。たとえば狭心症の場合、カテーテルを使って冠動脈をステントで広げる冠動脈インターベンションか、冠動脈バイパス移植術などの外科的治療か、あるいは薬物療法だけで良いのか、などを心臓血管外科医と循環器内科医とで話し合い、治療方針の検討を行うようにしています。

カンファレンスでの検討の結果を踏まえたうえで、外来受診の際に患者さんと治療方針の決定を行います。

日帰り心臓カテーテル検査の合併症やリスクについて

まれにカテーテル操作の過程で血管が損傷する可能性がある

心臓カテーテル検査では、橈骨動脈から心臓までの血管内をカテーテルが通過します。その過程において血管が損傷したり解離したりする可能性がありますが、発生の頻度はごくまれであると考えます。

こういった合併症を防ぐために、検査を行う医師は細心の注意を払いながらカテーテル操作を行い、検査中にも患者さんにトラブルが起きていないか、患者さんの様子や表情をよく確認するようにしています。検査は局所麻酔で行いますので、痛みなど不快感がある場合にすぐに様子を伺うことが可能です。

日帰り心臓カテーテル検査は入院する場合と比べてリスクはあるの?

前述したような合併症の発生頻度は、日帰りで行う場合でも、入院で行う場合でも変わりはありません。

気をつけるべきポイントは帰宅後の出血です。検査後の止血を十分に行い、帰宅後も穿刺部からの出血に気をつけていただければ、日帰り心臓カテーテル検査だからといって、入院での心臓カテーテル検査と比べてリスクが高くなるということはないでしょう。

引き続き、記事3『心臓カテーテル検査を日帰りで行うことの費用やメリット・デメリットについて』では、入院をせずに日帰りで行う心臓カテーテル検査の費用や具体的なメリットについてお話しします。

 

心臓カテーテルの連載記事

熊本大学医学部卒業後、熊本労災病院、東京北社会保険病院、東海大学付属病院、自治医科大学附属病院などで循環器内科医としての臨床経験を積む。高度な技術を要するエキシマレーザー冠動脈形成術を得意とし、2017年現在は上尾中央総合病院循環器内科科長として循環器疾患を持つ多くの患者さんからの信頼を得ている。
また、2017年4月から自治医科大学医学部循環器内科の非常勤講師を兼任している。

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