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日帰りでできる心臓カテーテル検査のメリット・デメリット
入院して行うことの多い心臓カテーテル検査ですが、心臓カテーテル検査を日帰りで行えば、医療費や検査に伴う拘束時間を抑えられるなどのメリットがあります。一方で出血時の対応などデメリットもあります。本...
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日帰りでできる心臓カテーテル検査のメリット・デメリット

公開日 2017 年 10 月 31 日 | 更新日 2018 年 09 月 19 日

日帰りでできる心臓カテーテル検査のメリット・デメリット
緒方 信彦 先生

医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院 循環器内科 科長

緒方 信彦 先生

目次

入院して行うことの多い心臓カテーテル検査ですが、心臓カテーテル検査を日帰りで行えば、医療費や検査に伴う拘束時間を抑えられるなどのメリットがあります。一方で出血時の対応などデメリットもあります。本記事では、上尾中央総合病院の循環器内科科長・緒方信彦先生に、日帰り心臓カテーテル検査の費用やメリット・デメリットについてお話を伺いました。

日帰り心臓カテーテル検査のメリット

医療費を抑えられる

患者さんにとって、日帰り心臓カテーテル検査の最大のメリットは医療費の自己負担額を抑えることができる点でしょう。

患者さんの自己負担割合が3割負担の場合、上尾中央総合病院での日帰り心臓カテーテル検査の費用は以下の通りです。

 

日帰り心臓カテーテル検査にかかる費用(3割負担の患者さんの場合)

・左心カテーテル検査(一般的な冠動脈造影の検査):約25,000円(入院:約63,000円)

・左心カテーテル検査+冠血流予備能検査(FFR):約80,000円(入院:約123,000円)

・左心カテーテル検査+血管内超音波検査(IVUS):約60,000円(入院:約123,000円)

(当日使用した薬剤やカテーテルの本数によって費用は多少変動することがあります。)

 

このように、日帰り心臓カテーテル検査では入院料などが発生しないため、入院した場合と比較して窓口での支払い金額を抑えることができます。

また患者さんのなかには、冠動脈の狭窄を確認するために左心カテーテル検査を行い、追加で狭心症の重症度などを評価する冠血流予備能検査や血管内超音波検査が必要となることがあります。その場合、これらの追加検査に必要な材料(プレッシャーワイヤーや超音波カテーテルなど)が高額であるため、通常の心臓カテーテル検査に比べて費用は高くなります。

(心臓カテーテル検査の種類についての詳細は記事1『日帰り心臓カテーテル検査とは?検査の種類や適応疾患、適応条件について』をご覧ください。)

また、上記はあくまでも上尾中央総合病院で3割負担の患者さんに行う日帰り心臓カテーテル検査の金額です。支払い金額はご自身の自己負担金額や、検査をする医療機関ごとに異なる場合がありますので、費用の詳細は実際に検査を受けられる医療機関へお問い合わせください。

心臓カテーテル検査に伴う拘束時間が短い

スーツを着ている人

また、心臓カテーテル検査のために必要な時間を最小限に抑えることができる点も患者さんにとっては大きなメリットではないかと考えます。

記事2『日帰り心臓カテーテル検査の当日の流れや注意点−痛みの心配やリスクは?』でも述べたように、上尾中央総合病院の日帰り心臓カテーテル検査は当日のお昼過ぎには帰宅可能です。検査翌日もカテーテルを穿刺した部位から出血しないように注意をしていただければ、手首に負担がかからないような仕事や家事は行なっていただくことができます。

日帰り心臓カテーテル検査を受けられる患者さんには、いわゆる「働き盛り世代」とよばれる30〜50歳代の患者さんが多くいらっしゃいます。ですから、入院をせずに心臓カテーテル検査を行うことで仕事などの日常生活への影響をできるだけ少なくすることができることは大きな利点であるといえるでしょう。

日帰り心臓カテーテル検査のデメリット

帰宅後の出血に注意

日帰り心臓カテーテル検査のデメリットとしては、万が一帰宅後に自宅で出血が起きた場合に患者さん本人もしくはご家族が対処する必要があることです。

医療従事者でなくても容易に止血を得るために、日帰り心臓カテーテル検査は必ず橈骨動脈(とうこつどうみゃく:手首の部分)からのアプローチで行っていますが、出血を起こさないように患者さんには手首に負担がかかるような動作は控えていただくようにお話ししています。

適応には一定の条件がある

上記のような理由から、日帰り心臓カテーテル検査は橈骨動脈からのアプローチが可能な方に限り行うようにしています。高齢の方は、橈骨動脈から心臓に向かう肩の腕頭動脈に高度な蛇行がみられることがあり、カテーテル操作が困難な場合があるので橈骨動脈からアプローチできないことがあります。

(日帰り心臓カテーテル検査の適応条件の詳細については記事1『日帰り心臓カテーテル検査とは?検査の種類や適応疾患、適応条件について』をご覧ください)

心臓カテーテル検査と冠動脈CTとの違いは?

冠動脈CTではみつからない狭窄も心臓カテーテル検査では発見できる

心臓カテーテル検査と同様、冠動脈の狭窄の有無を確認できる検査に「冠動脈CT」があります。冠動脈CTとは、静脈から造影剤を注入して体外からX線を照射することで、冠動脈の様子を立体的に確認することができる検査です。

冠動脈CTも外来で行うことができる検査ですし、心臓カテーテル検査に比べて患者さんの身体的負担が少ないです。

しかし冠動脈CTでは、冠動脈が石灰化している患者さんや不整脈を持つ患者さんの場合には、細かく病変の描出をすることが困難であるというデメリットも併せ持っています。

また、冠動脈をステントで拡張する治療(冠動脈インターベンション)後に、ステント内の再狭窄を確認するフォローアップの検査の際にも、ステントの材質によっては冠動脈CTでは評価が難しいことがあります。

心臓カテーテル検査であれば、冠動脈CTでは発見できないような狭窄も見つけることができます。ですから、冠動脈CTで冠動脈の狭窄や閉塞を疑った場合や、十分な評価が困難である患者さんでは、より精密な検査を行うためにカテーテル検査がよいでしょう。

今後は都市部を中心に日帰りカテーテル検査が普及すると考える

日帰り心臓カテーテル検査を行う医療機関はまだ多くはありませんが、今後は都市部の医療機関を中心に普及していくと考えます。先にも述べましたが、日帰り心臓カテーテル検査を受ける患者さんには、忙しくて検査に時間をかけられない働き盛り世代の方が多くいらっしゃいます。

都市部では、日帰り心臓カテーテル検査のニーズが今後高まってくるのではないかと考えます。

日帰り心臓カテーテル検査に対する上尾中央総合病院の取り組み

緒方信彦先生

上尾中央総合病院では「検査にかかる患者さんの負担を少しでも軽減したい」という気持ちと、「入院ベッドを入院が必要な方のために効率よく運用したい」という考えから2017年4月より、日帰り心臓カテーテル検査を開始しています。

日帰り心臓カテーテル検査を実現させるにあたり、医師・看護師・診療技術部・事務などの多職種が連携したワーキンググループを結成し、約1年間かけて準備を行いました。

その際にお手本とさせていただいたのが、私が2008年から2014年まで勤務をしていた東海大学医学部付属病院です。同院では全国的にも早い段階で日帰り心臓カテーテルを実施しており、私自身もそのノウハウやシステムについて熟知していました。そして施設見学などを行いながら、検査後観察室の機械設備や療養環境の整備、検査のフローなどを整え、ようやく日帰り心臓カテーテル検査の実現に至りました。

当院ではこの日帰り心臓カテーテル検査のプロジェクトにかかわらず、患者さんのために次々と新しい取り組みに挑戦しています。その際には、必ず今回のように多職種が協働してワーキンググループを立ち上げ、日々情報共有や議論を積み重ねていくつもりです。
 

熊本大学医学部卒業後、熊本労災病院、東京北社会保険病院、東海大学付属病院、自治医科大学附属病院などで循環器内科医としての臨床経験を積む。高度な技術を要するエキシマレーザー冠動脈形成術を得意とし、2017年現在は上尾中央総合病院循環器内科科長として循環器疾患を持つ多くの患者さんからの信頼を得ている。
また、2017年4月から自治医科大学医学部循環器内科の非常勤講師を兼任している。

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