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大腸がんの原因・症状ー発症しやすい年齢とは
日本人が最も命を落とす原因となる疾患は「がん」だといわれています。なかでも以前までは、日本人では胃がんによる死亡が多いとされていました。しかし近年では、「大腸がん」による死亡数が増えてきていると...
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大腸がんの原因・症状ー発症しやすい年齢とは

公開日 2018 年 01 月 11 日 | 更新日 2018 年 09 月 19 日

大腸がんの原因・症状ー発症しやすい年齢とは
關野 考史 先生

松波総合病院 副院長兼外科・消化器外科部長

關野 考史 先生

日本人が最も命を落とす原因となる疾患は「がん」だといわれています。なかでも以前までは、日本人では胃がんによる死亡が多いとされていました。

しかし近年では、「大腸がん」による死亡数が増えてきているといわれています。厚生労働省が発表している「人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、大腸がんによる死亡数は年々増加傾向にあり、女性では平成15年以降、「大腸がん」が胃がんを抜いてがん死亡数の第1位となりました。これは、日本に起こったある変化により、大腸がんを発症する患者さんが増加していると考えられています。

なぜ大腸がんの患者さんが増えているのでしょうか。大腸がんの原因、そして症状について、社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院 副院長・外科部長・消化器外科部長 關野考史(せきの たかふみ)先生にお話を伺いました。

死亡数・患者数が増加し続ける「大腸がん」 患者数や好発年齢は?

死亡数も患者数も増加し続けている「大腸がん」

現在、日本人の死因の第1位は「がん(悪性新生物)」です。平成27年の人口動態統計月報年計(概数)の概況によると、死亡数全体のうち28.7%はがんが原因による死亡であることが示されています。

日本人最大の死因であるがんのなかでも、どの部位のがんによる死亡数が多いかをみてみると、下記のような順位になります。

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男性 1位「肺がん」  2位「胃がん」 3位「大腸がん」

女性 1位「大腸がん」 2位「肺がん」 3位「胃がん」

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大腸がんは女性の1位、また男性でも第3位になっています。特に女性では平成15年以降、大腸がんによる死亡数が最多となっています。また、がんの部位別死亡率の推移を示したデータでは、年々大腸がんによる死亡率が右肩上がりに高まっていることが明らかになっています。こうしたことから、大腸がんは日本人の多くの人の命に影響を及ぼす疾患であることがわかります。

また大腸がんの「患者数」も増加の一途を辿っています。

厚生労働省の平成26年患者調査の概況によると、大腸がんが含まれる「結腸及び直腸の悪性新生物」の患者数は約26万1,000人であると発表されており、この患者数を、3年前に行われた平成23年患者調査の発表時(約23万3,000人)と比べてみると、約3万人も増加していることがわかっています。

このように大腸がんは日本人の多くの方の死因となり、患者数も増加し続けている疾患といえます。

どの年代の方が発症しやすい?

がんは一般的に高齢の方が発症しやすい疾患です。ですから、大腸がんも高齢になるほど罹患者の割合は高くなります。

約20年前までは、40代で大腸がんを発症する方は非常にまれで、私が病院で診療をしていてもそうした比較的若い大腸がん患者さんはほとんどいらっしゃいませんでした。しかし近年では大腸がん全体の罹患者数が増加しており、40代で大腸がんを発症されていても、めずらしいことではなくなりました。高齢であるほど罹患するリスクが高まることには変わりませんが、以前よりも若年(40~50代)で発症される方が増えている状況があるといえるでしょう。

大腸がんの原因 食生活・遺伝との関連は?

比較的若い年代で発症する方が増えた原因は「食習慣の欧米化」

若年で大腸がんを発症するというケースというのは、以前であれば「遺伝」が原因であることが多くありました。たとえば祖父母や親戚など、患者さんご自身の家系の方の死亡原因を調べてみるとがんで亡くなった方が多いことがわかり、遺伝性のがんであることが疑われました。

しかし近年では、遺伝の関連が疑われないにもかかわらず、若い方で大腸がんを発症するケースが増えてきています。この大腸がん増加の要因として考えられているのが「食生活の欧米化」です。

以前までは、日本をはじめとしたアジア地域では胃がんの患者さんが多く、一方で欧米では大腸がんの患者さんが多いということが一般的とされてきました。しかし、近年における日本人の食の欧米化に伴い割合が変わってきており、現在では日本・アジアにおける胃がんの患者数は減少し、一方で大腸がん患者数は増加しています。その結果、冒頭でもご紹介したように、女性のがんでは大腸がんが胃がんを抜いて1位に、また男性のがんでも3位にまで順位を上げてきました。食の欧米化は大腸がんの発症と関連があることがわかっており、近年における大腸がん患者数増加の大きな要因となっていることは明らかだと考えられています。

大腸がんの分類 直腸がん・結腸がん~発症部位ごとでみる分類~

大腸は「結腸」と「直腸」にわけられる

ひとことに「大腸がん」といっても、大腸のどこの部分に発生するのかによって、その分類や症状は異なります。まずは大腸の区分について解説しましょう。

大腸は、「結腸」と「直腸」のふたつに大別されます。

これらの大腸の区分によって、がんのできやすさも変わってきます。

がんができやすいのは「直腸」と「S状結腸」

これらの大腸の区分のなかでも、最もがんができやすいのは直腸です。大腸がんのうちの約40%は直腸がんといわれています。また次にがんができやすい部分はS状結腸です。S状結腸がんは大腸がん全体の約30%を占めます。

このように大腸がんでは直腸がんとS状結腸がんが多く、この肛門側に近い部位のがんが、大腸がん全体の約70%を占めています。

大腸がんの症状 ―腹痛・腸閉塞・貧血などがあらわれやすい部位とは

がんの部位によって症状は異なる

大腸がんであらわれやすい症状には下記のようなものがあります。

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  • がん腫瘍による狭窄(通過障害・腸閉塞・腹痛・膨満感・便秘)
  • がんからの出血(血便・貧血)
  • 軟便や下痢

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これらの症状のあらわれかたは、どの部位の大腸がんであるかによって変わります。

たとえば盲腸がん、上行結腸がん、横行結腸がんなどは、症状があらわれにくいという特徴があります。これは、これらのがんが比較的肛門からはなれた位置にあるためです。

がんの発症部位から肛門までの距離が長いと、たとえばがんから出血があったとしても腸のなかを移動するうちに食べ物と混じり合ってしまい、排泄時出血に患者さんが気づきにくくなります。

また大腸の主な役割は食べ物の水分を吸収することですので、小腸から大腸へと内容物が移行してきたあたりの部分では、内容物が水分を多く含んだ状態です。ですので、そうした大腸のはじまりのあたりでは、がんができて腸が狭窄してとしても、内容物はするりと流れていくことができます。そのため、肛門からはなれた部位の大腸がんは、狭窄による症状(通過障害や便秘など)があらわれにくくなります。その結果、盲腸がん、上行結腸がん、横行結腸がんなどでは、症状に気付きにくく、がんが大きくなってからみつかるケースも多くなります。

一方、S状結腸がんや直腸がんなど、肛門から近い部位にあるがんは、症状があらわれやすいといえます。

たとえば、がんから出血があった場合には、血便として患者さんが気づきやすいです。また大腸を通過する内容物も水分が吸収されてきており、より固形の状態になってきているため、がんによる狭窄があれば内容物が通過しにくくなり、便秘などの通過障害があらわれやすくなります。こうしたことからS状結腸がんや直腸がんなどは比較的発症に気付きやすくなります。

引き続き記事2では「大腸がんの手術」、記事3では「大腸がんの腹腔鏡手術」について關野先生にご解説いただきます。

記事2 『大腸がんの手術とは?  適応や手術方法についてくわしく解説 術後の合併症・治療についても解説』

記事3 『大腸がん治療で行われる内視鏡・腹腔鏡手術とは?』
 

大腸がん(關野 考史先生)の連載記事

岐阜大学第1外科、国立東静病院外科、国立循環器病センターなどで研修医として経験を積んだのち、1996年に岐阜大学第1外科医員、羽島市民病院外科医師として勤務する。その後1997年に木曽川病院外科医長、2001年に郡上中央病院外科医長をつとめる。
2003年より岐阜大学第1外科助手、2006年岐阜大学高度先進外科助手・第1外科併任講師、2007年岐阜大学高度先進外科助教・第1外科併任講師、2011年岐阜大学付属病院 第1外科講師、2012年岐阜大学付属病院 第1外科講師・高度先進外科 臨床准教授、2014年岐阜大学付属病院 第1外科准教授をつとめる。
そして2017年松波総合病院副院長に就任し、外科部長・消化器外科部長となる。

「大腸がん」についての相談が9件あります

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