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レスパイト入院とは?種類や受け入れ条件について
 在宅でご家族の介護をする場合、その期間が長くなると介護者の方の負担は非常に大きくなっていきます。すこしの間休憩をとることができればよいですが、介護はなかなか周囲の方へ代わってもらえるものではな...
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レスパイト入院とは?種類や受け入れ条件について

公開日 2018 年 01 月 11 日 | 更新日 2018 年 09 月 21 日

レスパイト入院とは?種類や受け入れ条件について
川村 一彦 先生

医療法人財団愛慈会 相和病院 理事長・院長

川村 一彦 先生

目次

 

在宅でご家族の介護をする場合、その期間が長くなると介護者の方の負担は非常に大きくなっていきます。すこしの間休憩をとることができればよいですが、介護はなかなか周囲の方へ代わってもらえるものではなく、周りに頼れず抱え込んでしまう方も少なくありません。

そうしたなか、国を挙げて介護を支え合おうという動きが活発になってきます。そうして生まれたサービスが「レスパイトケア」です。これまでさまざまな形のレスパイトケアが確立してきましたが、近年では医療機関へ患者さんに一定期間入院していただくことで介護者の負担を軽減させる「レスパイト入院」も広まってきました。

レスパイト入院とはいったいどのようなものなのか、医療法人財団愛慈会 相和病院 理事長・院長 川村 一彦先生にお話を伺いました。

レスパイト入院とは? ~レスパイトの意味・目的~

レスパイトケアとは

レスパイトとは「一時中断」「小休止」「一時預かり」といった意味を持つ言葉です。

日本ではレスパイトケアという医療用語で用いられることが多いです。レスパイトケアとは、一時的に一定の期間、病気をもつ患者さんの介護やケアにあたる介護者の方を開放して、介護者の方の日ごろの精神的・身体的な負担を回復させることを目的とした援助のことをいいます。

レスパイト入院とは

レスパイト入院はこうしたレスパイトケアの一環として、一部の医療機関で行われている入院のことです。介護者の方の休息以外にも、冠婚葬祭への出席、入院、出産など介護が続けられない状況になった際にも活用していくことができます。

レスパイトケアの種類 -ショートステイとの違いは?

レスパイトケアの種類

レスパイトケアにはさまざまな種類があります。

訪問系サービス

  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 訪問入浴介護・居宅介護支援
  • 地域定期巡回・随時対応型訪問介護看護  など

通所系サービス

  • 通所介護(デイサービス)
  • 通所リハビリテーション など

短期滞在系サービス

  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • レスパイト入院            など

居住系サービス

  • 特定施設入居生活介護
  • 認知症共同生活介護   など

入所系サービス

  • 介護老人福祉施設
  • 老人保健施設
  • 有料老人ホーム   など

レスパイト入院とショートステイの違い

介護サービスでは「ショートステイ」という言葉もよく耳にするかと思います。ショートステイとレスパイト入院は一見同じようなものにみえるかもしれませんが、厳密にいうとその内容は異なります。この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。

①宿泊先が異なる

それぞれ宿泊先となる施設が異なります。

ショートステイ:特別養護老人ホーム・介護老人保健施設などに併設されている施設

もしくは単独でショートステイ専用につくられた施設

レスパイト入院:医療機関(病院など)

②宿泊時の対応(看護や治療)が異なる

ショートステイとレスパイト入院では、治療の体制が異なります。

ショートステイでは多くの要介護の方を受け入れていますが、専門的な治療を提供できる場ではないため、入院加療、通院治療、高度な医療が必要となる方を受け入れることはできません。そうした方が一時的に宿泊するには、診療体制の整った医療機関を選択する必要があります。そうした医療機関への入院が「レスパイト入院」とよばれるものです。

レスパイト入院では、それぞれの病院にもよりますが、下記のような場合でも患者さんを受け入れることが可能になってきます。

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  • 入院・通院が必要な方
  • 高度な医療処置が必要な方
  • 24時間体制の看護が必要な方
  • 精神疾患に対する治療が必要な方 など

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こうした患者さんの介護を担う介護者の方々が休息できるように、レスパイト入院が存在しているのです。

レスパイト入院の受け入れ条件 ―難病患者さんや人工呼吸器(気道切開)装着中の方でも大丈夫?

レスパイト入院の受け入れ条件は病院によって異なる

介護者の方にとっては大きな助けとなるレスパイト入院ですが、現状、レスパイト入院を受け入れている病院は少ないといえます。またレスパイト入院を行っている医療機関であっても、施設によっては下記のような患者さんではなかなか受け入れが困難になるケースがあります。

---

  • 人工呼吸器を使用している患者さん
  • 難病を抱えている患者さん         
  • ドレーン(体内に溜まってしまう消化液・膿・血液・浸出液などを排出するための医療用チューブ)を体内に留置されている方 など

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こうした患者さんではなかなかレスパイト入院を活用することが難しく、こうしたシステムの利用を諦めてしまう方もいらっしゃいます。

どのような患者さんを受け入れているかどうかは、病院との相談になってきます。それぞれの病院へ相談し、患者さんの状態や入院中の対応などを話し合っていくことが必要です。

レスパイト入院のケアプラン -入院期間や申し込みの流れ

入院は1~2週間ほど

レスパイト入院の期間は、介護者の方のご希望や、患者さんの状態によって検討していきます。相和病院ではだいたい1~2週間ほどの方が多く、繰り返し定期的にご利用される方が多くいらっしゃいます。

また医療機関によっては、レスパイト入院が病気の検査を兼ねているケースもあります。そうした病院では患者さんにレスパイト入院していただく期間を決め、定期的に検査を行うとともに、介護者の方に休息をとっていただく仕組みになっています。

申し込みは各医療機関への相談が必要

レスパイト入院を行う場合、まずはレスパイト入院を行っている医療機関をみつけ、直接問い合わせるか、現在の主治医へ相談していくことが望ましいでしょう。受け入れ先の候補となる医療機関が見つかったら、患者さんの状態や入院費用などを相談していきます。

レスパイト入院の費用 -介護保険・医療保険の適用は?

レスパイト入院では介護保険ではなく、医療保険が適用されます。

レスパイト入院の費用は、入院中の患者さんへの診療と、入院期間で決定されますので、各病院と相談していきましょう。入院をするとなると、たとえ大きな医療費がかからなくとも、部屋、食事、看護などに対する費用が生じてきます。費用面も考えつつ、レスパイト入院の期間や利用頻度を検討していきましょう。

レスパイトケアの必要性 -介護疲れを癒すこともできる

日本の高齢化を受け「介護の支え合い」が注目されている

2017年現在の今日、高齢者の介護をサポートしていくことの重要性に注目が集まってきています。

日本では急速な高齢化が進み、要介護高齢者の増加や、介護期間が長期化していくことで、介護のニーズはさらに増大しています。しかしその一方で、核家族化、介護する家族の高齢化といった「要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況」も大きく変化してきています。こうしたことから、高齢者の介護を社会全体で支えていくための仕組みづくりに力が入れられるようになってきました。

こうして2000年代からは社会全体で介護を支え合う仕組みづくりを示した「介護保険制度」の施行や、地域で医療や介護を支え合う支援・サービス提供体制である「地域包括ケアシステム」が提唱され、「介護を支え合っていく体制」づくりに対する国をあげた対策が進められています。

必要性が高まるレスパイトケア

こうした流れのなかで、介護者の方々の休養や生活の質(QOL)の確保を目的に、さまざまなレスパイトケアが広く提供されるようになってきました。なかでもショートステイ(短期入所生活介護など)やレスパイト入院などのように、入施設におけるレスパイトケアは、要介護者等が長く地域や在宅での生活を継続していくうえで、大きな役割を担っています。

レスパイト入院によって、これまで介護にあたられてきたご家族の方々などは、介護から解放され休養を取ることができます。そうした休養をはさむことで今後も継続的に介護を続けていく活力を維持することにもつながっていきます。こうした取り組みによって、患者さんにとっても、介護者の方にとっても、よりよい最期までの治療が続けられることがとても大切だと考えています。

 

医療法人財団愛慈会 相和病院の理事長・院長をつとめる。慢性期の重症な患者さん、救命救急センター病院や一般病院で急性期の治療を終えた患者さんの長期療養が可能となる療養病院をつくるべく、相和病院の経営に力を入れてきた。安心安全な医療提供を目指し、日々患者さんと向き合っている。

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