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前立腺肥大症の症状。自覚症状はある?
前立腺肥大症は加齢によって肥大化した前立腺が尿路を阻害し、尿路症状をもたらす疾患です。尿路症状には尿が出にくい、何度もトイレに行きたくなる、排尿後も残尿感を感じるなどさまざまな症状が挙げられます...
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前立腺肥大症の症状。自覚症状はある?

公開日 2017 年 12 月 07 日 | 更新日 2018 年 09 月 21 日

前立腺肥大症の症状。自覚症状はある?
小林 一樹 先生

横須賀共済病院 泌尿器科部長

小林 一樹 先生

目次

前立腺肥大症は加齢によって肥大化した前立腺が尿路を阻害し、尿路症状をもたらす疾患です。尿路症状には尿が出にくい、何度もトイレに行きたくなる、排尿後も残尿感を感じるなどさまざまな症状が挙げられます。

また、前立腺肥大症は進行すると尿閉や肉眼的血尿、腎機能障害など重篤な合併症を招くことがあります。このような合併症を引き起こすと、より多くの治療が必要となり、治療後の生活にも影響が出るため、早期の治療介入が大切です。

さらに上記のような症状・合併症は前立腺がんの症状と類似しています。そのためこうした症状から前立腺肥大症と前立腺がんを鑑別することはできず、どちらの疾患であるかを明らかにするためには検査を行う必要があります。

今回は前立腺肥大症の症状や合併症、鑑別すべき疾患について横須賀共済病院 泌尿器科部長 小林一樹先生にお話を伺いました。

前立腺肥大症、自覚症状はあるの?

トイレ

さまざまな尿路症状をもたらす

前立腺肥大症は排尿に関する自覚症状をもたらします。記事1『前立腺肥大症とはどんな病気?その原因となりやすい人について』でも申し上げましたが、前立腺は多くの場合、男性であれば誰しも加齢とともに肥大化していきます。しかし、症状がなければそれは単なる「前立腺肥大」という状態であり、「前立腺肥大症」という疾患ではありません。前立腺肥大症は前立腺の肥大によって尿路症状があって初めて診断される疾患です。

ですから従来10cc程度である前立腺のサイズが、その3倍以上にまで肥大していたとしても、排尿障害がなければ前立腺肥大症と診断されることはありません。一方で前立腺のサイズは20〜30ccとそこまで大きく肥大していない場合でも強い尿路症状が生じる方もおり、その場合には前立腺肥大症と診断され治療が検討されます。

前立腺肥大症の症状は?

排尿に関する症状が代表的

前立腺肥大症では尿路症状、つまり尿に関するさまざまな症状が現れます。代表的な症状は下記のとおりです。

<前立腺肥大症の主な症状>

  • 残尿感……排尿後、まだ尿が残っているように感じる
  • 頻尿……短時間に何度もトイレに行きたくなる
  • 尿線途絶……排尿中、尿が途中で途切れる
  • 尿意切迫感……突然尿意を感じ、我慢ができない
  • 尿勢低下……尿の勢いが弱い
  • 腹圧排尿……お腹に力を入れないと、排尿できない
  • 夜間頻尿……夜中に何度もトイレに起きる

前立腺肥大症で懸念される合併症

腹痛

繰り返しとなりますが前立腺は加齢とともに徐々に肥大化していきます。そのため上記のような症状があっても長い年月そのまま治療を行わないでいると、さらなる前立腺の肥大によって症状が次第に悪化し、重篤な合併症を引き起こすことがあります。

主な前立腺肥大症の合併症として挙げられるのは下記のとおりです。

<前立腺肥大症の主な合併症>

  • 尿閉
  • 肉眼的血尿
  • 膀胱結石
  • 尿路感染
  • 腎機能障害
  • 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁* など

溢流性尿失禁……意識的な排尿ができず、少しずつ尿が漏れてしまうこと

代表的な前立腺肥大症の合併症は尿閉

風邪薬

前立腺肥大症の代表的な合併症として知られているのが尿閉です。尿閉とは尿路が完全に塞がってしまい、排尿が全くできなくなってしまうことです。尿閉が起きると、腹部に苦しさを感じ、食事などが難しくなることがあります。更に腎臓や尿路に尿が溜まり淀むことで、結石や尿路感染を引き起こす危険性があります。

また日頃から尿路障害があり、日常的に排尿に問題を抱えている方ですと、本人が尿閉に気が付かないこともあります。しかし尿閉を放置している時間がながければ長いほど、膀胱の筋肉が伸び切ってしまったり、水腎症を始めとする腎機能障害を引き起こしたりとさらなる合併症を招く危険性がありますので、注意が必要です。

飲酒後、風邪薬の服用後は特に注意

一時的な尿閉は特に体のむくみやすい飲酒後や「抗コリン作用*」のある風邪薬を服用後に起こりやすく、日頃前立腺肥大症の症状を自覚していない方でも突然排尿できなくなってしまうこともあります。

抗コリン作用……脳や体に影響を及ぼす「アセチルコリン」のはたらきを抑える作用のこと

前立腺肥大症が進行すると血尿が生じることも

前立腺肥大症によって肉眼でわかるほどの血尿が出ることもあります。人によっては一度きりではなく、繰り返し血尿が出ることもあります。これはもともと前立腺が血流の多い臓器であり、肥大化することによって出血しやすくなってしまうからです。

また肉眼的血尿は結石、膀胱がんなどにも共通する症状であるため、より詳しい検査での判別が必要です。

前立腺肥大症と前立腺がん、症状の違いは?

症状に違いはない!

前立腺肥大症にはいくつか鑑別すべき疾患がありますが、特に前立腺がんとの鑑別が必要です。前立腺肥大症と前立腺がんはどちらも同じ前立腺の疾患です。前立腺肥大症に罹患しているからといって前立腺がんを発症するリスクが高まるというデータはありませんが、罹患する原因や好発年齢が一致するため同時に、あるいは並行して発症することもあります。

前立腺肥大症と前立腺がんの根本的な違いは、良性疾患であるか悪性疾患であるかです。前立腺肥大症は良性疾患なので転移の恐れはありません。一方で前立腺がんは進行すると他の臓器に転移する恐れがあります。

 

前立腺肥大症と前立腺がんを症状で見分けることはまずできません。そのためいつくかの検査によって鑑別します。前立腺がんと鑑別するための検査については記事3『前立腺肥大症の検査方法は?』でお話しています。

鑑別されるべき疾患

また、前立腺肥大症には前立腺がん以外にもいくつか鑑別すべき疾患があります。前立腺肥大症の症状である尿路障害は前立腺の異常だけでなく膀胱の異常によってもたらされることもあります。

<前立腺肥大症と鑑別されるべき主な疾患>

  • 前立腺がん
  • 過活動膀胱
  • 膀胱結石
  • 膀胱がん など

どんな症状があったら病院を受診すべき?

小林一樹先生

早期の治療介入が大切

前立腺肥大症による尿路障害は他の疾患同様、早期に医師が介入し、治療や症状のコントロールを行えることが望ましいです。尿路障害を長期に渡って放置してしまうと、尿が過剰にたまり膀胱の筋肉が伸び切ってしまったり、水腎症などの腎機能障害を引き起こしたりしてしまいます。このような合併症を引き起こすと、前立腺肥大症の治療だけでは解決できなくなってしまいます。たとえば尿道に管を入れっぱなしにしなければならなくなったり、排尿時に自分で管を入れて排泄する「自己導尿」が必要になってしまったりします。

50歳代以降で尿に関する悩みがあれば一度受診を

上記の通り、前立腺肥大症は排尿に関するさまざまな症状を引き起こします。前立腺肥大症に罹患しやすい50歳以上の男性で心当たりのある方は、ぜひ一度泌尿器科を受診されることをおすすめします。前立腺肥大症に関していえば下記のような症状で受診される方がほとんどです。

<こんな症状があれば泌尿器科へ>

  • 排尿後、まだ尿が残っているように感じる
  • 短時間に何度もトイレに行きたくなる
  • 排尿中、尿が途中で途切れる
  • 突然尿意を感じ、我慢ができない
  • 尿の勢いが弱い
  • お腹に力を入れないと、排尿できない
  • 夜中に何度もトイレに起きる
  • 尿が出ない
  • 血尿が出る

また排尿に関する問題は、前立腺肥大症だけでなくさまざまな疾患が潜んでいる可能性があります。泌尿器科ではそれらの鑑別、治療も行えます。

 

1992年山形大学医学部卒業。2017年現在、横須賀共済病院泌尿器科部長。専門領域は泌尿器科がん、前立腺肥大症。特に腎がん、前立腺がん、膀胱がんの抗がん剤や手術治療を積極的に行っている。

「前立腺肥大」についての相談が7件あります

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