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負担が少ない腎結石の治療法「ESWL(体外衝撃波結石破砕術)」とは?

負担が少ない腎結石の治療法「ESWL(体外衝撃波結石破砕術)」とは?
小林 一樹 先生

国家公務員共済組合連合会 横須賀共済病院 診療部長・泌尿器科部長

小林 一樹 先生

30代男性を中心に患者数が年々増加している「腎結石」。その腎結石を外科的手術なしに除去できる「ESWL(体外衝撃波結石破砕術)」という治療法があります。ESWLは外来治療で行うことができ、治療中に強い痛みを感じることもないため患者さんにかかる負担が少ない治療法です。今回は横須賀共済病院泌尿器科部長である小林一樹先生に腎結石に対するESWLについてお話を伺いました。

結石の種類

腎結石とは腎臓内にできた結石のことです。腎結石の多くはシュウ酸とカルシウムの結晶(シュウ酸カルシウム)でできています。

また腎結石は「尿路結石」の一つです。尿路結石は結石ができる場所によって以下の4つに分類されます。

  • 腎結石…腎臓にできた結石
  • 尿管結石…尿管にできた結石
  • 膀胱結石…膀胱にできた結石
  • 尿道結石…尿道にできた結石

腎結石と尿管結石は「上部尿路結石」、膀胱結石と尿道結石は「下部尿路結石」とよばれています。尿管結石の多くは、腎結石と尿管結石の上部尿路結石であるといわれています。

「結石=痛い」というイメージをお持ちの方は多いかもしれませんが、腎結石では痛みの症状は現れません。

結石による痛みが現れるのは腎臓にある結石が尿管へ下がってきて尿管結石となったときです。尿管結石になると細い尿管に結石が詰まることで尿が膀胱に流れにくくなり、腎臓内部の圧力が上昇し、腎臓のある側腹部(わき腹)に激しい痛みが現れます。

一方、腎結石は痛みなどの特徴的な症状がでないため、自覚症状からは発見されにくいといえます。

腎結石の発生にはいくつかの原因がありますが、特に肉などに含まれる動物性タンパク質

の過剰摂取が大きな原因となることがあります。

動物性タンパク質を摂取すると体内でシュウ酸が作られます。シュウ酸はカルシウムと結合しやすい性質を持っており、通常は腸内で結合し、結合したシュウ酸カルシウムは便として排泄されます。

しかし、シュウ酸の量が増えすぎると、腸内で結合しきれなかったシュウ酸は尿中にでてきます。尿中で結合してできたシュウ酸カルシウムは石のようになり排泄が難しくなるため、結石として腎臓などの尿路に残ってしまうのです。

またコーヒー・紅茶やココア、ビールなどアルコールにはシュウ酸が多く含まれているといわれているためこれらの過剰摂取にも注意が必要です。

腎結石は5mm以下の小さなものであれば、多くは尿と一緒に自然排石されるといわれています。自然排石を促すためには、水分摂取により尿量を増加させたり、運動で結石を下降させたりすることが有効であると考えます。

では自然排石されない腎結石はどのような治療で排石するのでしょうか。次に腎結石の治療法について解説いたします。

腎結石の治療にはいくつかの方法があり主に以下の3つの治療法から選択されます。

  • ESWL(体外衝撃波結石破砕術)

体外から衝撃波を当てて結石を砕く治療法

  • TUL(経尿道的結石破砕術)

尿道から内視鏡を尿管に挿入し結石をレーザーで破砕して取り出す治療法

  • PNL(経皮的腎結石砕石術)

全身麻酔下で背中に小さな穴を開けて内視鏡を直接腎臓に挿入し、結石を破砕し取り出す治療法

結石のサイズが比較的小さい場合にはESWL又はTULが治療の第一選択になります。ESWLは外来で行うことができますし、麻酔をかける必要もないので患者さんにかかる負担を少ないです。しかし治療効果はESWLより直接レーザーで破砕するTULの方が高いです。

ESWLだけでは結石が除去できない場合はTULを追加することもあります。最近ではTULの方が1回で結石を全部取り除ける可能性が高いため最初からTUL行う患者さんが増えてきています。

PNLはおよそ2cm以上の大きな結石に対して行われる治療法です。全身麻酔下で行う侵襲性の高い治療ですが、直接結石を破砕することができるため効果の高い治療法です。

次項ではESWLの治療法について解説いたします。

 

ESWLの治療方法

ESWLは患者さんが治療ベッドに仰向けに横になった状態で、体外から腎結石に対して衝撃波をあてることで結石を破砕します。治療前に痛み止めの点滴を行うことがありますが強い痛みはなく、背中を叩かれているような感覚です。

衝撃波をあてる回数は約3000回で、およそ1時間で終了します。

ESWLの治療後、破砕された結石は尿管を通じて、尿と一緒に自然と排出されます。結石が完全に排出されるまでの時間には個人差があり、治療当日に排出される方もいれば、1〜2週間ほどの時間をかけて排出される方もいます。

また、患者さんのなかには結石が排出される際に痛みを感じる方もいらっしゃいます。

横須賀共済病院ではESWLを受けた患者さんの多くは一度の治療で結石を排出することができますが、一度で排出できなかった場合にはTULで内視鏡による治療を受けることをお勧めしています。

ESWL治療後、まれに破砕された結石が尿管に詰まってしまい腎臓が炎症を起こす「閉塞性腎盂腎炎(結石性腎盂腎炎)」を起こすことがあります。

細菌感染などが原因で起こる「急性腎盂腎炎」の場合、多くは抗生剤の点滴を行うことで症状が治ります。しかし、尿管結石による閉塞性腎盂腎炎は命にかかわる危険性があるため、早急に尿管内腔に内視鏡でステントを挿入して、尿の流れの閉塞を解除する必要があります。

また短時間で重症化しやすい疾患であるため、夜間に患者さんが救急搬送されてきた場合でも直ちに処置を行う必要があるケースがあります。

小林先生

腎結石の再発を予防するためには、十分な水分摂取を心がけることが大切です。ただし、先にも述べたようなシュウ酸が多く含まれているコーヒーや紅茶などの過剰摂取は控えましょう。また、肉類中心の食生活ではなく野菜を積極的に摂取することも重要です。腎結石は偏った食生活が発症の原因となることが多い疾患ですので、食生活を見直して腎結石の予防に努めていただきたいと思います。

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    小林 一樹 先生

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