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人工膝関節置換術を受けた後の注意点。日常生活で気をつけること
 変形性膝関節症や関節リウマチが原因となり変形した膝に対して「人工膝関節置換術」を実施することにより、膝の痛みが緩和され日常生活への支障を軽減することが可能です。しかし、人工膝関節を装着している...
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人工膝関節置換術を受けた後の注意点。日常生活で気をつけること

公開日 2018 年 02 月 07 日 | 更新日 2018 年 04 月 23 日

人工膝関節置換術を受けた後の注意点。日常生活で気をつけること
山下 博樹 先生

社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 座間総合病院 人工関節・リウマチセンター 医長

山下 博樹 先生

目次

 

変形性膝関節症や関節リウマチが原因となり変形した膝に対して「人工膝関節置換術」を実施することにより、膝の痛みが緩和され日常生活への支障を軽減することが可能です。しかし、人工膝関節を装着しているため、膝に負担のかかる激しい運動や姿勢、脚(あし)の傷や口腔内からの細菌感染の予防はしっかりと管理していただく必要があります。

今回は記事2『人工膝関節置換術のリハビリ 方法や注意点とは』に引き続き、社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 座間総合病院 人工関節・リウマチセンター医長の山下博樹先生に、人工膝関節置換術を受けた患者さんが日常生活で気を付けるポイントについてお話しいただきました。

人工膝関節置換術後の日常生活で注意することとは 

散歩をしている高齢者

感染症の予防

体にとって人工膝関節は異物にあたるため、細菌への防御反応が働きにくくなります。特に記事1『人工膝関節置換術とは? 種類やメリット・デメリットについて詳しく解説』でも述べたように、歯茎の炎症や膝付近の傷からの細菌感染には、十分に注意する必要があります。普段から口腔環境には気を使い、定期的に歯科を受診し、歯槽膿漏などがあった場合はしっかりと治療をしてください。また、ご高齢の患者さんは乾燥肌の方が多くいらっしゃいます。乾燥した肌の表面は細かな傷だらけです。そこに掻きむしるなどして新たな傷が増えることで、細菌が感染し炎症を起こすケースもあります。お風呂上りには保湿クリームを塗るなど、皮膚の保湿ケアを習慣にしてください。

飛んだり跳ねたりする激しいスポーツでなければ可能

基本的にコンタクトスポーツ(格闘技やラグビーなど)や、飛んだり跳ねたり、飛び降りたりという膝に負担のかかる動作のないスポーツであれば行っていただくことが可能です。テニス(ダブルス)やゴルフ、登山、旅行などを楽しんでいる人工膝関節の患者さんはたくさんいらっしゃいます。

人工膝関節置換術を受けた患者さんのご家族が気を付けること

人工膝関節置換術を実施した患者さんと同居しているご家族に注意していただきたい点としては、以下のようなものがあります。

患者さんの動線や足の傷に注意

ご自宅のなかで人工膝関節の手術を受けている患者さんの動線に、段差や歩行の邪魔になると思われるものがある場合は、手すりを付けるなどの対策をすることをお勧めします。また患者さんの足や膝に傷はないか、乾燥はしていないかなどを日ごろから気にかけてあげてください。

訴えの少ない患者さんには定期的に痛みの確認を

ご高齢の患者さんの場合、膝に痛みを感じていたとしても、自分からあまり訴えない方もいらっしゃいます。しかし、もし細菌感染による炎症をそのまま放置してしまうと、内科的治療では対処できなくなり、人工関節自体を交換するなど外科的な処置が必要になることもあります。患者さんのご家族は定期的に痛みの有無を確認し、日常生活に支障をきたすような痛みを訴えた場合は早期に病院への受診を促してください。

人工膝関節置換術後の禁忌肢位とは 

正座をしている高齢者

人工膝関節の構造から正座は禁止

人工膝関節の構造的に、正座に対応してつくられているインプラント(部品)はほぼありません。そのため無理に正座をしてしまうと、人工関節が早くゆるんでしまうなどといった不具合が発生します。不具合が起きると膝に痛みを引き起こし、歩行障害へとつながるため、場合によっては人工関節を交換しなければならないこともあります。座間総合病院でも正座はしないようにと指導しており、畳の生活から椅子と机、布団からベッドへ変更することをお勧めしています。

ニーリング(膝立ち)はインプラントの種類によって注意が必要

患者さんからよくニーリング(膝立ち)はしても大丈夫なのかという質問をいただきます。ニーリング(膝立ち)をしても問題ないかどうかは、装着するインプラントの形によって異なります。

RS型

人工関節全置換術を受けた患者さんのなかで、上の図のように中心に角がでているPS型の人工関節を入れている場合は、ニーリング(膝立ち)をすることで人工関節部品への負担が強くなり、人工関節が壊れやすくなってしまいます。そのためPS型を付けている患者さんがニーリング(膝立ち)をすることはおすすめできません。またその他の形のインプラントを挿入している患者さんは、さほど気にする必要はないと思われます。

人工膝関節置換術やインプラント(部品)の種類については記事1『人工膝関節置換術とは? 種類やメリット・デメリットについて詳しく解説』をご参照ください。

少しでも長い時間自分の足で歩く手段が、人工膝関節置換術

山下先生

手術というと「怖い」というイメージを持つ方も多いと思います。しかし人工膝関節置換術の場合は、手術をすることで膝の痛みにより狭まっていた生活スタイルを広げられる可能性があります。注射などの薬物治療、リハビリなどを行えば歩けるという患者さんは、まだ人工膝関節置換術を実施するタイミングではないと思われます。ですが、そういった治療法を3か月から6か月ほど続けても痛みが解消されず、動いたり出かけたりできない状態をそのままにしておくと、次第に筋力が低下していきます。そして自分の足で歩けなくなる時期が早まってしまうこともあるのです。

そこで少しでも長くご自身の足で歩くための手段が、人工膝関節置換術という治療法です。人工膝関節置換術後3か月くらいまでの検診ではまだ痛みや腫れが残っているため、皆さん不安そうな顔をして私の元へ来られます。しかし術後1年や1年半後の検診では、不安だった顔が嘘のように笑顔で病院に来られます。手術をしたおかげで膝の痛みが解消され、また旅行に行けるようになったりスポーツを楽しめるようになったりする方も多くいらっしゃいます。このようなことを明るくお話しされる患者さんをみて、その姿にこちら側が元気をもらうほどです。

人工膝関節置換術には運動機能が回復するというメリットと同時に、術後の痛みや腫れ、細菌感染へのリスクが高まるといったデメリットも存在します。医師からきちんと説明を受けメリットとデメリットを考慮し、怖がらずに前向きな治療選択をしていただきたいと考えています。

人工膝関節置換術 (山下 博樹 先生)の連載記事

昭和大学医学部を卒業した後、数々の病院での経験を経て、現在は座間総合病院人工関節・リウマチセンターの医長を務める。「人にやさしく」を信条としており、患者さんに安心してもらえる医療を提供するために日々邁進している。

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