インタビュー

子どもの肺炎―熱について

子どもの肺炎―熱について
阿部 克昭 先生

鎌ヶ谷総合病院 小児科 部長

阿部 克昭 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

この記事の最終更新は2018年02月15日です。

子どもの熱の出方から肺炎を診断することは困難です。熱の高さだけをみるのではなく、呼吸が苦しそうでないか、発熱を繰り返していないか、痩せてきていないか、など発熱以外の症状と経過をみることが重要です。

今回は、子どもの肺炎の熱について、千葉市立海浜病院小児科の阿部克昭先生に詳しくお話を伺いました。

肺炎球菌肺炎の一部には、はじめは熱だけが出て、それ以外の症状がない場合があります。

しかし、基本的に熱の出方で、肺炎かどうかを診断することはできません。

熱を出している日本人の子ども

マイコプラズマ肺炎は、1日のなかで体温の変動が大きいという熱の出方に特徴があります。

朝や午前中は平熱近くまで解熱し、午後から発熱して夜には39〜40℃まで上がり、翌朝にはまた解熱しているという経過をとることもあります。

子どもの熱が下がったから保育園や学校に行けるだろうと思って行かせると、昼には園や学校から連絡が来て早退、というのもよくあるパターンです。

絶対にこのパターンになるわけではないですが、朝熱が低いからといって油断しないようにしてください。

繰り返しになりますが、マイコプラズマ肺炎では午前中は解熱、午後から夜にかけて発熱を繰り返すことがあります。マイコプラズマ以外でもこのような経過をとることもあります。午後から夜間にかけてのみであっても、発熱を毎日繰り返す場合には、「発熱が続いているもの」と考えて受診したほうがよいでしょう。

新生児~生後3か月までで38℃以上の発熱をした場合、千葉市立海浜病院では原則として入院しての検査・治療を行います。敗血症髄膜炎などの病気を見逃さないようにするためです。

熱が出ていなくとも、3か月未満の赤ちゃんがひどくせき込み、呼吸が苦しそうなときには病院受診が必要と考えましょう。

よく、発熱が続くと脳に障害が残ると心配される方がいますが、そのようなことはまずありません。解熱薬は「熱が高くてつらい」ときに使えば十分です。よく眠れている子を起こしてまで解熱薬を飲ませたり、座薬をいれる必要はありません。

熱は数字で出るため気を取られがちですが、呼吸が苦しそうでないか、水分はとれているか、意識もうろうとしていないかなどに注意しましょう。

 

受診について相談する
「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    関連記事

  • もっと見る

    関連の医療相談が14件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「肺炎(こども)」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。