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糖尿病は治る?−生活習慣病からくる2型糖尿病の場合「減量」が大切
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなってしまい、さまざまな合併症を招く病気です。糖尿病にもいくつかの種類があり、特に2型糖尿病の患者数が全体の95%以上を占めるといわれています。2型糖尿...
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糖尿病は治る?−生活習慣病からくる2型糖尿病の場合「減量」が大切

公開日 2018 年 03 月 12 日 | 更新日 2018 年 09 月 18 日

糖尿病は治る?−生活習慣病からくる2型糖尿病の場合「減量」が大切
浜野 久美子 先生

関東労災病院 糖尿病・内分泌内科 部長

浜野 久美子 先生

糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなってしまい、さまざまな合併症を招く病気です。糖尿病にもいくつかの種類があり、特に2型糖尿病の患者数が全体の95%以上を占めるといわれています。2型糖尿病はメタボリックシンドロームなどの生活習慣病と深い関わりがあります。そのため2017年に行われた欧州糖尿病学会では「2型糖尿病は減量によって寛解する可能性がある」と発表されました。

今回は、糖尿病の新しい研究発表や、病気をコントロールするためにどのようなことを心がけるべきかについて関東労災病院 糖尿病・内分泌内科部長の浜野久美子先生にお話を伺いました。

糖尿病は治るのか?

学会

2型糖尿病の場合、減量すれば「寛解」を望めることもある

2017年9月にポルトガル・リスボンにて開催された「第53回欧州糖尿病学会(EASD)」では、糖尿病は減量によって適正な体重に戻すことで寛解できる可能性が高いと発表されています。寛解とは病気があたかも治ったかのように、日常生活が送れるようになるということです。この論文では、具体的に「投薬なしで正常の血糖値を維持できること」が寛解の定義とされています。

糖尿病とは血液中のブドウ糖(血糖)が多くなってしまう病気です。2型糖尿病は糖尿病患者のなかでもっとも患者数が多く、全体の95%以上といわれています。メタボリックシンドロームが背景として発症する2型糖尿病の場合、適正な体重に戻すことによって投薬などの治療が不要になる患者さんもいます。

減量には医師の指導が加わることも

減量は自己管理だけで解決できないこともあります。そのため医師のもと、投薬も視野に入れた指導を行うことがあります。

糖尿病を放置するとどうなる?

膵臓

放置すれば悪化する恐れ

また、糖尿病は無自覚、無症状といわれていますが、実は、進行性の病気です。糖尿病が進行してしまう理由は大きく2つあります。

1つ目は、インスリンを分泌する臓器、膵臓の機能が加齢によって徐々に落ちてしまうからです。インスリンとは、主に、食事から摂取されたブドウ糖をエネルギーにかえるための唯一のホルモンです。インスリンが十分に分泌されない、あるいはその作用が十分に発揮されないと、ブドウ糖をエネルギーに変えることができません。その結果血液中のブドウ糖が高くなり、高血糖状態を招くことを糖尿病といいます。高血糖状態では、諸臓器、細胞は、十分なエネルギー供給、燃焼が行われず、機能不全に陥ります。

2つ目は、糖尿病で高血糖にさらされる時間が長ければ長いほど、膵臓のインスリン分泌細胞の機能そのものが悪化する(アポトーシス=細胞死)という特徴があるからです。つまり、糖尿病を治療せず高血糖状態が長期間に渡ると、さらに高血糖を助長するという悪循環を招いてしまいます。

糖尿病が進行すると……?

糖尿病が進行するとさまざまな合併症*が生じます。代表的な合併症は下記の通りです。

<糖尿病の主な合併症>

  • 糖尿病網膜症
  • 糖尿病腎症
  • 糖尿病神経障害
  • 脳梗塞
  • 狭心症・心筋梗塞
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 糖尿病性潰瘍・壊疽
  • 歯周病
  • 認知症
  • 糖尿病性ケトアシドーシス
  • 高浸透圧高血糖症候群
  • 感染症 など

合併症……ある病気や、手術や検査が原因となって起こる別の症状

糖尿病の再発

治癒ではなく寛解のため、再発することもある

2型糖尿病は体重の減量によって薬物療法が不要になる、いわゆる寛解状態になる患者さんも多くいます。しかし、体重が増加し元の体型に戻ってしまうと糖尿病が再発し、再度治療が必要になります。

そのため一度寛解した患者さんであっても、体重のコントロールや生活習慣の見直しを継続し、定期的に検査を受けることが大切です。

糖尿病の検査方法

採血

糖尿病の診断には血液検査が用いられます。血液から血糖値や、HbA1c*、Cペプチド*の数値を測定することで、血液中の糖の量やインスリンが正常に機能しているかどうかをみることができます。

HbA1c……ヘモグロビンA1C。ブドウ糖と結びついたヘモグロビンのことを指す。

Cペプチド……インスリンが合成される前段階の「プロインスリン」が分解されるときに発生する物質。Cペプチドを測定することによって膵臓から分泌されているインスリンの量を予測することができる。

どんな人が検査を受けるべき?

中高年の方、自覚症状がある方

糖尿病の検査は中高年の方であれば定期的に行うことが望ましいでしょう。会社の健康診断や、自治体の健康診断を利用するのでも構いません。特に糖尿病でよくみられる症状のある方は注意が必要です。

妊娠中、血液検査で高血糖があった方

妊娠中の高血糖は妊娠糖尿病*の可能性が疑われます。妊娠糖尿病にかかった方は、中高年になった際に2型糖尿病にかかるリスクが7.43倍も高くなることがわかっています。そのため出産後も定期的に検査を行うことが大切です。

妊娠糖尿病とは……妊娠中にはじめて発見または発症した、糖尿病に至っていない糖代謝異常のこと。詳しくは『妊娠糖尿病とはどのような病気?』も併せてご覧ください。

糖尿病をコントロールするために

ダイエット

減量の基本は食事・運動

前述の通り、糖尿病は適正な体重を保つことによって治療に薬が不要になるケースもあります。体重をコントロールするには、ご存知の通り食事・運動の管理が大切です。

カロリー、バランス、摂取時間を意識した食事

近年は健康に留意したさまざまな食事方法が発案されています。糖尿病の患者さんに指導する際は下記のような点に注意するように伝えています。

<健康的な食事のポイント>

・総摂取カロリー……食べすぎていないか

・栄養素バランス……さまざまな食材をバランスよく食べているか

・食事時間……朝食を抜いたり、深夜に食事をしたりしていないか

・食事の順序……野菜から先に食べるように心がけているか(ベジファースト)

・食事にかける時間……よく咀嚼(そしゃく)し、食事を楽しめているか

これらの注意点は幼少期からの習慣や職種、生活スタイルによって実践が難しいこともあります。しかし、少し心がけるだけでも生活リズムが整うため、健康的な生活につながるのではないでしょうか。

徒歩を取り入れるなど継続できる運動

運動療法もさまざまな手段がありますが、もっとも基本的な手段として歩くことが大切です。歩くことは下肢の筋肉を維持できるため、糖尿病だけでなくサルコペニア*などの予防にも役立ちます。車移動の多い方は特に意識的に歩くようにするとよいでしょう。

サルコペニア……筋肉量が低下し、身体機能が落ちてしまう状態。詳しくは『高齢者に現れるサルコペニアの原因と定義とは?』も併せてご覧ください。

食事と運動を心がけることで認知症の予防にも

糖尿病の合併症の1つに認知症が挙げられます。食事や運動に留意し、減量を達成することは糖尿病を寛解できるだけではなく、認知症を予防することにもつながります。

薬物療法

また、糖尿病の治療には薬物治療も有効です。薬物治療については記事2『糖尿病の改善方法は?-継続的な治療が功を奏す』も併せてご覧ください。
 

糖尿病(浜野久美子先生)の連載記事

東京大学医学部を卒業後、エール大学(アメリカ)内分泌代謝内科、東京大学病院やNTT関東病院などで経験を積む。糖尿病の治療に携わるなかで未治療や治療中断の実態を知り、糖尿病患者さんの就労支援に携わることを決意。患者さんに寄り添った診療とともに、糖尿病患者さんが治療を継続しやすい体制づくりに尽力している。

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