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糖尿病の改善方法は?-継続的な治療が功を奏す
糖尿病は進行性の慢性疾患で、放置しているとさまざまな合併症に結びつくことがあります。そのため継続的な治療が大切です。しかし、糖尿病患者さんは特に働き盛りの方が多いため、治療を中断してしまうことも...
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糖尿病の改善方法は?-継続的な治療が功を奏す

公開日 2018 年 03 月 12 日 | 更新日 2018 年 09 月 18 日

糖尿病の改善方法は?-継続的な治療が功を奏す
浜野 久美子 先生

関東労災病院 糖尿病・内分泌内科 部長

浜野 久美子 先生

糖尿病は進行性の慢性疾患で、放置しているとさまざまな合併症に結びつくことがあります。そのため継続的な治療が大切です。しかし、糖尿病患者さんは特に働き盛りの方が多いため、治療を中断してしまうことも多いといわれています。

今回は、糖尿病の種類や治療方法について関東労災病院 糖尿病・内分泌内科部長の浜野久美子先生にお話を伺いました。

糖尿病になりやすい人

糖尿病の種類によって異なる

糖尿病と一言にいってもいくつかの種類があり、それぞれ、かかりやすい人は異なります。糖尿病の種類は大きく分けて下記の4種です。

<糖尿病の種類>

  • 1型糖尿病
  • 2型糖尿病
  • その他の病気などからくる糖尿病
  • 妊娠糖尿病

ここでは、それぞれの糖尿病の患者さんの特徴についてご説明します。

1型糖尿病

1型糖尿病は遺伝や原因不明の糖尿病です。そのため、予防が難しいといわれています。また、かかる確率は人種的な差が大きく、日本人よりも北米・北欧の方に多いといわれています。

日本における1型糖尿病患者さんの割合は、糖尿病患者さん全体の5%以下といわれています。

2型糖尿病

2型糖尿病は、日本の糖尿病患者さん全体の95%以上を占めるといわれています。アジア人は欧米人と比較しても膵臓の機能が弱いため、2型糖尿病にかかりやすいという特徴があります。

その他の病気などからくる糖尿病

肝臓・膵臓の病気や感染症、さらには薬剤などが原因で糖尿病にかかるケースもあります。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見または発症した、糖尿病に至っていない糖代謝異常のことです。近年は高齢出産する女性が増えたこともあり、かかる患者さんが増加しています。海外のデータによると、妊娠糖尿病は特に30代以降で妊娠をする方に多く、これらの患者さんが中高年といわれる40〜50歳代になった際、2型糖尿病にかかる確率が通常の7.43倍にも上るという報告もあります。

糖尿病の改善方法は?

診療

継続的な治療が大切

糖尿病の診療における通院ペースは、重症度にもよりますがおよそ1か月〜3か月に1回程度です。糖尿病は自覚症状がないことも多く、患者さんご自身が軽視してしまうことがあります。検査などで糖尿病の疑いがみられても、放置してしまう方が後を絶ちません。年齢的に働き盛りの患者さんが多く、忙しいことも理由の1つでしょう。実際、40歳代の男性は糖尿病の罹患率が高いにもかかわらず、治療率がもっとも低いことがわかっています。

また、糖尿病は服薬管理が難しい病気であるともいえます。糖尿病のような慢性疾患*は、薬を飲んでも目に見えた効果が実感できないことから、受診や治療に必要性を感じづらいと思う患者さんもいらっしゃるようです。治療の最中に受診や薬の服用を中断してしまう患者さんが、10%程度いるといわれています。

しかし、記事1『糖尿病は治る?−生活習慣病からくる2型糖尿病の場合「減量」が大切』でも述べましたように、糖尿病は放置していれば進行してしまう病気です。長期的にみた際、治療を継続した場合と中断した場合とでは、健康状態に大きく差が開いてしまう可能性も考えられます。

『糖尿病の合併症を防ぐには継続的な治療が重要-未治療・治療中断の実態からみる糖尿病』も合わせてご覧ください。

慢性疾患……徐々に発症して治療も経過も長期におよぶ病気

治療中断を防ぐために

患者さんが治療を継続するために、関東労災病院でもさまざまな工夫を行っています。糖尿病の患者さんの多くは働き盛りの年齢なので、患者さんのライフスタイルに合わせた治療が求められます。

具体的には、まず他病院との連携です。当院は基幹病院*であるため、診療時間がかぎられてしまいます。そのため、平日の夕方や土日休日に受診できる病院を紹介し、患者さんが働きながら治療を受けやすいように心がけています。そのほか、処方する薬の種類にも注意しています。医師は服用の継続に無理のない薬物を選んで処方し、まずはとにかく継続してもらうことを意識します。薬を続けて効果が現れれば患者さんも「引き続き頑張ろう」と思ってくれることでしょう。

基幹病院……総合病院のなかでも地域医療の拠点となる病院のこと

糖尿病の治療薬とは?

飲み薬と、注射による薬がある

糖尿病の治療薬は飲み薬と注射による薬に大別されます。

患者さんの弱点を補正する飲み薬

薬

糖尿病の飲み薬にはさまざまな系統があります。

<糖尿病の薬剤>

  • SGLT2阻害薬
  • ビグアナイド薬
  • チアゾリジン薬
  • スルホニル尿素(SU)薬
  • 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
  • DPP‐4阻害薬
  • α‐グルコシダーゼ阻害(α‐Gl)薬

糖尿病の飲み薬による治療は、いわば患者さんの弱点を補正する治療です。糖尿病の患者さんには、それぞれの弱点があります。たとえば筋肉が少なく、脂肪が多い患者さんはインスリンの効き目が悪いことがあり、それが糖尿病にとっての弱点である可能性があります。そのため、そのような患者さんには薬剤で脂肪組織や筋肉、肝臓などへはたらきかけ、インスリンの効果が出やすいようにすることもあります。

インスリン注射療法

注射

糖尿病の治療といえば、インスリン注射をイメージする方も多いのではないでしょうか。インスリンとは血液中のブドウ糖(血糖)をエネルギーに変える役目を持つホルモンで、膵臓から分泌されます。糖尿病ではインスリンの分泌量が少なくなったり、働きが弱くなってしまったりします。そうした状態に対して、注射でインスリンを外から体に入れて、症状や進行を和らげていきます。

インスリン注射は、患者さんが自ら注射をしなければなりません。これは「注射が怖い」と思う方にとっては荷が重いため、糖尿病治療の最終手段と考える患者さんもいます。たしかに治療せず糖尿病が進行した結果、膵臓が機能しなくなったために必要と判断されたインスリン注射は継続せざるを得ません。しかし、早期に治療に取り掛かり、膵臓の回復が見込める場合、インスリン注射は一時的で、且つもっとも効果的な治療となることもあります。

「針からの開放」を目指して

糖尿病は診断のための血液検査や、治療のためのインスリン注射など、「針」との関わりが密接です。しかし、近年では注射が不要な検査方法や治療方法の開発が進められています。

先生からのメッセージ

先生

正しい情報を入手し、治療を検討する

厚生労働省による国民健康・栄養調査では、2016年の糖尿病患者数が約1,000万人にも上るといわれています。そのため、糖尿病の治療や改善方法について一般の方の関心も高く、さまざまな情報が見受けられます。患者さんやご家族には、ぜひ正しい情報を入手し、治療を選択してほしいと思います。

糖尿病は「病気」ではありますが、自覚症状が生じるまでに時間がかかり、合併症が生じてから治療を意識する方もいます。先々の人生を健康的に送るための備えとして、早めに対策するよう心がけていただきたいと思います。
 

糖尿病(浜野久美子先生)の連載記事

東京大学医学部を卒業後、エール大学(アメリカ)内分泌代謝内科、東京大学病院やNTT関東病院などで経験を積む。糖尿病の治療に携わるなかで未治療や治療中断の実態を知り、糖尿病患者さんの就労支援に携わることを決意。患者さんに寄り添った診療とともに、糖尿病患者さんが治療を継続しやすい体制づくりに尽力している。

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