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側弯症の原因。子どもと大人、それぞれの原因や種類について
私たちの背骨は本来、真っ直ぐな形をしています。この背骨が側方にカーブを描くように曲がっている場合、側弯症(そくわんしょう)の可能性があります。側弯症はどのような原因で発症するのでしょう。今回は社...
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側弯症の原因。子どもと大人、それぞれの原因や種類について

公開日 2018 年 03 月 07 日 | 更新日 2018 年 09 月 19 日

側弯症の原因。子どもと大人、それぞれの原因や種類について
小谷 善久 先生

社会医療法人 製鉄記念室蘭病院 副院長・理事、整形外科長 脊椎脊髄センター長 リハビリテーション部長

小谷 善久 先生

目次

私たちの背骨は本来、真っ直ぐな形をしています。この背骨が側方にカーブを描くように曲がっている場合、側弯症(そくわんしょう)の可能性があります。側弯症はどのような原因で発症するのでしょう。今回は社会医療法人製鉄記念室蘭病院 脊椎脊髄センター長・整形外科科長である小谷善久先生に側弯症の種類や原因についてお話を伺います。

側弯症とは?

側弯症

側弯症(そくわんしょう)とは、脊柱(背骨)が変形し、左右のどちらか側方に傾く疾患です。正常な脊柱は前や後ろからみると真っ直ぐな形をしていますが、何らかの原因で脊柱が側方に曲がってしまいます。側弯症の診断はその傾きの角度(コブ角)をみることで行います。

側弯症の種類

側弯症は小児に起こるものと成人に起こるものに大別されます。さらに、そこから発症原因によって以下のようにいくつかに分類されます。

小児・思春期側弯症

小児や思春期のお子さんが側弯症を発症する原因はさまざまです。そのため、今回は代表的な4つの小児側弯症についてお話ししていきます。

代表的な側弯症には以下の4つが挙げられます。

<代表的な小児側弯症>

特発性側弯症…原因不明

先天性側弯症…生まれつきの骨の形成異常によるもの

症候性側弯症…他疾患に付随して発症

神経・筋(麻痺性)側弯症…神経や筋の疾患に付随して発症

これらのなかでも小児・思春期側弯症の多くは、原因不明で発症する特発性側弯症であるといわれています。

成人側弯症(成人脊柱変形)

成人側弯症は成人脊柱変形とも呼ばれることがあります。この理由は、成人の場合脊柱が側方に傾く側弯症だけではなく、後弯症(脊柱が後ろに曲がり、前かがみの体勢になること)などのいくつかのタイプの脊柱変形を合併していることが多いためです。そのため、本記事では「成人側弯症(成人脊柱変形)」と表記して解説をさせていただきます。

成人側弯症(成人脊柱変形)は主に以下の2つに分類されます。

<成人側弯症(成人脊柱変形)>

成人側弯症(後弯症)…小児・思春期側弯症が加齢に伴い悪化したもの

変性側弯症…加齢による椎間板変性などで発症

小児・思春期側弯症の原因や特徴

それではまず、小児・思春期側弯症の原因についてお話しします。

特発性側弯症

特発性側弯症は明らかな原因なく発症する側弯症のことで、小児・思春期側弯症の多くはこの特発性側弯症であるといわれています。好発年齢は小学校高学年〜中学校高学年の成長期で、女児に多く発症することが特徴です。

また特発性側弯症については2017年現在、原因究明のための遺伝子研究も行われています。

前屈検査

特発性側弯症は、多くが小学校や中学校の学校検診で実施される前屈検査で診断されます。前屈検査では、膝を真っ直ぐに伸ばしたまま前かがみになってもらいます。上図のように、左右の背中の高低差がみられる場合には側弯症が強く疑われるので、医療機関での精密な検査が必要となります。

また学校検診以外では、日常生活のなかで親御さんがお子さんの肩の不均衡や背中・腰(ウエストライン)の左右差に気付き、診断に至るケースもあります。

先天性側弯症

先天性側弯症とは、生まれつきの椎骨(脊柱を構成している一つ一つの骨)の形成異常によって発症する側弯症です。たとえば、半椎(椎骨が半分しか形成されていない状態)や脊椎癒合(本来分離しているはずの椎骨がくっついてしまっている状態)が先天性側弯症の原因として挙げられます。

先天性側弯症の多くは小学校に入学するまでに診断されていて、風邪をひくなどして胸部や腹部レントゲンを撮影したときに、たまたまみつかるケースが多いです。

また、はじめから変形が強い場合や、他の先天性疾患(消化器疾患や脊髄疾患など)に罹患していたりする場合には、生後すぐに先天性側弯症がみつかることもあります。

症候性側弯症

症候性側弯症は、ほかの疾患に付随して起こる側弯症で、代表的な疾患としてマルファン症候群やヌーナン症候群が挙げられます。

マルファン症候群とは結合組織(細胞と細胞をつなぎとめる役割を持つ繊維成分)の障害により、全身の臓器や骨格系に異常をもたらす遺伝子疾患です。骨格系の異常として、側弯症や痩せ型高身長などの特徴がみられます。

ヌーナン症候群も遺伝子異常により全身の各部位の正常発達が妨げられる疾患で、骨格系に起こる異常には低身長や漏斗胸(ろうときょう:胸の中央部がへこむ変形)、側弯症などがあります。

神経・筋(麻痺性)側弯症

神経・筋(麻痺性)側弯症は神経や筋肉の疾患に付随して起こる側弯症で、代表的な原因疾患として脊髄空洞症が挙げられます。脊髄空洞症とは、脊髄のなかに脳脊髄液と呼ばれる液体が過剰に溜まることで脊髄の内部に空洞が生じる疾患です。その結果、神経線維の束である脊髄が内側から圧迫されることで、あらゆる神経障害や全身症状をもたらします。

そのほか、脳性まひによって生じる側弯症も神経・筋(麻痺性)側弯症に分類されます。

成人側弯症(成人脊柱変形)の原因と特徴

それでは、次に成人側弯症(成人脊柱変形)の原因についてお話しします。

成人側弯症(後弯症)

成人側弯症(後弯症)は、一旦治療が完了した小児・思春期側弯症が成人後加齢により悪化したものです。小児・思春期側弯症は装具治療などをしっかりと行っていれば、成長期の終了とともに進行は止まり、それと同時に治療も終了します。

しかし、脊柱にカーブが残っていると、カーブの上下が痛みやすかったり、バランスが崩れやすい状態にあります。そこに加齢変化が加わることで脊柱に強い痛みやさらなる変形が起こるのです。またこのとき脊柱が横に曲がる側弯だけでなく、脊柱が後ろに曲がる後弯症を伴うことがあります。

変性側弯症

腰が曲がった高齢女性

変性側弯症は、もともと小児側弯症に罹患していなかった方に起こる側弯症です。変性側弯症の主な原因は、加齢に伴う椎間板変性(椎骨と椎骨の間でクッションの役割をする椎間板の機能が低下すること)です。

変性側弯症は高齢女性に好発することが特徴で、これは椎間板変性が起きたときに脊柱を支えるための腹筋や背筋などの体幹筋が弱いためであるといわれています。
 

一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会ウェブサイトも併せてご覧ください。

http://www.jssr.gr.jp/index.html

北海道大学医学部を卒業後、米国留学や北海道大学を中心とした道内の医療機関において、整形外科医としての研究・臨床経験を積む。脊椎脊髄疾患を専門とし高度な技術で低侵襲手術を行っている。2018年現在、北海道MISt研究会の代表も務める。

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