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睡眠時無呼吸症候群の分類と原因

睡眠時無呼吸症候群の分類と原因
石渡 庸夫 先生

国家公務員共済組合連合会九段坂病院 内科部長

石渡 庸夫 先生

目次
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睡眠時無呼吸症候群SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、眠っているときに無呼吸(10秒以上呼吸が停止すること)または低呼吸(もう少しで止まりそうな弱い呼吸)の状態になる病気です。睡眠時無呼吸症候群はその病状によって、閉塞型、中枢型、混合型に大別でき、それぞれ原因も異なります。睡眠時無呼吸症候群の分類と原因について、国家公務員共済組合連合会 九段坂病院の石渡庸夫(いしわた のぶお)先生にお話を伺いました。

睡眠は、単に体の活動を停止するための時間ではありません。睡眠は、呼吸・血液循環の調節を含めた体の防御機能や、脳の情報処理機能を維持するために必要なものです。

睡眠

睡眠時無呼吸症候群SAS)とは、眠っているときに無呼吸または低呼吸の状態になる病気をさします。無呼吸の定義は、睡眠中に10秒以上呼吸が止まることです。一方、低呼吸とは、もう少しで止まりそうな弱い呼吸をさします。

睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、成人男性の約3~7%、女性の約2~5%にみられます。男性では40歳~50歳代が半数以上を占める一方、女性では閉経後に増加する傾向にあります。

睡眠時無呼吸症候群は、その病状によって以下の3つにわけられます。

閉塞型:無呼吸中も呼吸運動が認められます。睡眠中、断続的に低酸素状態が繰り返すことによって睡眠の質が低下し、日中の眠気などの症状を引き起こします。

中枢型:呼吸中枢から呼吸筋への出力が消失するため胸郭(胸部の骨格)と腹壁の動きが止まり、無呼吸になります。頻呼吸(呼吸数が増加し、かつ呼吸が浅い状態)と低呼吸を繰り返す、チェーンストークス呼吸という状態がみられることもあります。

混合型:閉塞型と中枢型が混合したものです。

睡眠時無呼吸症候群の症状については、記事2『睡眠時無呼吸症候群の症状』をご覧ください。


閉塞型の睡眠時無呼吸症候群

閉塞型の睡眠時無呼吸症候群は、呼吸をしようとしているが何らかの要因で気道が狭窄・閉塞し、呼吸がうまくできない状態です。一方、中枢性の睡眠時無呼吸症候群は、呼吸せよという脳からの指令が一時的になくなり、呼吸ができない状態をさします。

一般的に、中枢型の睡眠時無呼吸症候群は閉塞型よりもまれです。

閉塞型の睡眠時無呼吸症候群には、形態的な原因と機能的な原因の2つがあります。

巨舌症(舌が大きい)、顎が小さい、扁桃肥大(扁桃が大きい)、舌根沈下(舌筋の弛緩により、舌が喉の奥に落ち込んでしまうこと)、鼻炎や鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)、軟口蓋下垂(なんこうがいかすい)といった形態的な原因によって気道が狭窄(間がすぼまって狭くなる)あるいは閉塞することで、閉塞型の睡眠時無呼吸症候群が引き起こされることがあります。

また、肥満によって気道周辺に脂肪が沈着し、気道の狭窄や閉塞が引き起こされる場合もあります。肥満は、閉塞型の睡眠時無呼吸症候群を引き起こす最大のリスク因子といわれています。

<閉塞型の睡眠時無呼吸症候群を引き起こしうる形態的な原因>

  • 巨舌症:舌が大きい
  • 顎が小さい
  • 扁桃肥大:扁桃が大きい
  • 舌根沈下:舌筋の弛緩により、舌が喉の奥に落ち込んでしまうこと
  • 鼻炎
  • 鼻中隔彎曲症:鼻腔の内部を左右に仕切る鼻中隔が強く曲がっているためにさまざまな症状が起こる病気
  • 軟口蓋下垂:軟口蓋(口腔の奥にある喉の柔らかい部分)が垂れ下がること
  • 肥満

口腔内の筋肉が弛緩(しかん:ゆるむこと)し、気道が狭窄あるいは閉塞することで、閉塞型の睡眠時無呼吸症候群が引き起こされることがあります。

ストレスは、睡眠時無呼吸症候群の直接の原因にはなりません。しかし、ストレスによって不眠になり睡眠導入剤を飲んでいる場合、睡眠導入剤が筋肉を弛緩させることがあるため、結果的に睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性はあります。

また、アルコールの摂取によって気道周辺の筋肉が弛緩することで、睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことがあります。

<閉塞型の睡眠時無呼吸症候群を引き起こしうる機能的な原因>

  • 口腔内の筋肉が弛緩し気道が狭窄あるいは閉塞する
  • 睡眠導入剤の服用
  • アルコールの摂取

中枢型の睡眠時無呼吸症候群は、心不全などを原因として脳内の呼吸中枢(呼吸運動をコントロールしている中枢)に異常が生じ、呼吸筋への指令が止まることで起こります。

通常であれば、血液中の二酸化炭素濃度の変化に対して脳は敏感に反応し、呼吸運動を調節します。しかし、中枢型の睡眠時無呼吸症候群では、血液中の二酸化炭素の濃度変化に対して感受性が鈍くなるため、無呼吸の状態が発生します。

睡眠時無呼吸症群(SAS)は肥満の方に多い病気と思われがちですが、最近では肥満でなくてもSASになることがわかっています。日本人など東アジア系の顔の特徴、すなわち顎が小さいことに関係しているといわれています。肥満でないからといってSASは無関係とすることはできません。少しでも気になる点があれば、病院の受診をおすすめします。
 

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